ー シュバルツァー領主Side ー
「シヤァァァ!!」
一匹の古代種が見目麗しいメイドを餌にせんと襲い掛かったが……
「麩ッ!」
「ギャァァァ!?」
何時の間にか手に装備した鋼線で不用意に近づいたその古代種は無惨に斬り裂かれ地面に転がった
「シャロン!そっちは大丈夫!?」
シャロンと呼ばれた女性の右隣には自身が仕えている金髪の美少女が矢をつがえ弓を引き絞り自身に迫った古代種の眼を射抜き斃した
シャロン「こちらは大丈夫ですわ。アリサお嬢様、エマ様は………」
エマ「こっちも今のところ大丈夫です!」
エマと呼ばれた美少女も防御結界を張っていた。その後ろには負傷したユミルの狩人達が…
テオ「く、済まないアリサ君、エマ君……私の狩りに付き合って貰ったばかりに……」
ユミルの領主テオも剣を握りシャロンの左隣で戦っていた
アリサ「そんな……男爵閣下のせいではありません!」
エマ「そうですよ、これは誰のせいでもありません!……間が悪かったとしか言いようがありません」
シャロン「誰も悪くないのは同意ですが……このままだとジリ貧です。私の鋼線も切れ味が悪くなりました」
シャロンは自分の鋼線を見て顔を顰めた
アリサ「そうね……こっちも矢筒に入ってた矢はストックが切れたから倒れた敵から再利用してるけど、折れたりして使い物にならないのが多いわ」
エマ「私は魔力は余裕はありますが……正直敵は賢いから大技を準備する暇を与えてくれるかどうか……」
アリサ「コイツ等、一匹では大したことないのに集団で来られたらここまで厄介だなんて……」
シャロン「今もこちらを半包囲してますからね……我々を充分弱らせてから今晩のディナーにする積もりなのでしょう」
アリサ「嫌なディナーもあったもの………ね!」
アリサはまた一匹近づいた古代種を仕留めた
テオ「……私が囮になるからその隙に君達は逃げなさい!」
『『却下です!』』
テオの言葉にアリサ達は即座に否定した
アリサ「男爵閣下はユミルに必要な方です!」
エマ「それに……閣下に何かあったら奥様やご家族が哀しみます!」
テオ「しかし……!」
シャロン「………いえ、その必要は無いみたいですよ」
アリサ「え?」
すると突如銃撃音が鳴り響き数匹の古代種が薙ぎ倒された
エマ「銃撃!?領邦軍が来たの!?」
アリサ「………!!エマ!あれは………」
エマはアリサが指差す方に目を向けると半包囲している古代種達の背後に二人の人間が立っていた。その内の一人はエマ達が良く知っている顔で……
エマ「あ……」
エマは不覚にも泣きそうになった。エマやアリサにとって大切な人がそこに居た
「「リィン/さん……!」」
リィンSide
リィン「どうやら間に合った様だな」
リィンは剣を抜き状況を確認した
フローラ「倒れている古代種が十匹………健在なのが三十匹います。いかがなさいますか?」
フローラはサブマシンガンを構えながら尋ねた
リィン「決まってる、彼等の脱出をサポートするぞ!俺は敵の右翼を、フローラは左翼に攻撃を仕掛けてくれ!」
リィンはそう言って突入していった
フローラ「Sehr wohl, mein Herr.(判りました、我が主)」
フローラもサブマシンガン片手にナイフを抜き古代種の集団に突入した
古代種はリィン達の存在に気づいた数匹が新しい獲物と思い襲いかかったが……
リィン「邪魔だぁ!!」
あっという間に首を跳ねられ自身が死んだ事すら気づかずまま倒され………
フローラ「………」
フローラは的確に古代種の眉間を撃ち抜き、近づいた敵は大型ナイフで喉を切り裂いた
古代種は予想外の強さの敵に混乱をきたしていた
アリサ「あ、あれがリィンなの……?この時はまだ初伝の筈じゃあ……」
エマ「………アリサさん!今はそんな事言ってる場合じゃないです!」
シャロン「えぇ、敵が混乱している今なら脱出出来ますわ!」
アリサ「!!そ、そうね!男爵閣下も走れますか?」
テオ「あ、あぁ……大丈夫だ。だが彼等は一体?」
エマ「それは後で聞きましょう!一気に駆け抜けましょう!」
エマ達は混乱している古代種から駆け抜け無事に脱出した
リィン「無事に脱出したな……フローラ!こっちも引くぞ!」
リィンはエマ達が脱出したのを横目に自身も引く事にした
フローラ「判りました!」
フローラも追いすがる古代種に銃弾を叩き込み殿を務め撤退した……