閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第22話

リィン達はアリサ達を護衛しつつユミルの郷を目指し降りているのだか……

 

リィン「………まだ追いかけて来てるか?」

 

リィンは走りながら横に並走しているフローラに尋ねた

 

フローラ「えぇ、木々の間をすり抜けながらこちらを見ていますね」

 

フローラも警戒しながらも答えた

 

リィン「ちッ、俺達がユミルの郷に逃げ込むのを判っているみたいだな」

 

フローラ「恐らく、如何なさいますか?このままだと……」

 

リィン「そうだな……「もし」…ん?」

 

リィンが考えているといつの間にか逆隣にラインフォルトのメイドの………シャロンさんが並走していた

 

シャロン「お話し中申し訳ございません。お嬢様達がそろそろ走るのがきつくなってきたので少し休憩を挟んで貰えたら……」

 

ちらりと後ろを向くと確かにスピードが落ちていた

 

アリサ「ハァ、ハァ、シャ、シャロン……変に気を遣わなくて………良いわよ……まだまだ…私は、走れるわよ……ねぇ、エマ……」

 

エマ「は、はい……だからお気になさらず」

 

口ではそう言ってるが息切れしているのは明白だった

 

リィン「確かに無理そうだな……フローラ、どの程度時間取れる?」

 

フローラ「……10分位なら大丈夫です」

 

リィン「よし、ここで一旦休憩を取ろう」

 

リィンは足を止めアリサ達に休憩を促した

 

アリサ「だ、大丈夫だって……」

 

リィン「足が震えていては説得力に欠けているよ、素直に休憩を取ろう」

 

リィンは携帯していた水筒をアリサに手渡した

 

テオ「アリサ君、彼の言う通りだ下りの山はかなり足に負担がかかっている筈だ。少しでも休んだ方が良い」

 

アリサ「……判りました」

 

アリサはテオに悟らされ水筒の蓋を開け口を付けようとして手を止めた

 

リィン「どうしんだ?」

 

アリサ「い、いや!何でもないわ!(リ、リィンの使っている水筒……って事は……か、間接キス!……って考えるなアリサ・ラインフォルト〜!!)

 

アリサは何か顔を紅くしながらも水筒に口を付けその後にエマに水筒を手渡していたがエマはそんなアリサをジト目で見て水筒に口を付けた

 

シャロン「あらあら、アリサお嬢様もエマ様もお可愛いですわ。そう思いませんか?」

 

シャロンはそんな主の姿に微笑ましさを感じリィンに話を振った

 

リィン「答えに困りますが……自己紹介まだでしたね。俺はリィン・アイスフェルト、今周囲を警戒しているのはメイドのフローラ・クリフトです」

 

リィンのその言葉にアリサ達は一瞬目を見開いたがすぐに真顔になり答えた

 

アリサ「……私はアリサ・ラインフォルトよ。で、こっちはウチのメイドのシャロン、シャロン・クルーガーよ。助けてくれてありがとう」

 

アリサは何か言おうとしたが無難にお礼の言葉を言うに留めた

 

シャロン「紹介に預かりましたシャロン・クルーガーですわ。アリサお嬢様には『愛と献身』を以てお仕えしております」

 

シャロンはカーテシーしてにこやかにリィンに挨拶をした

 

エマ「あの……!いえ、私はエマ・ミルスティンと言います。アリサさんとはお友達です」

 

エマもエマで何か言いかけたがそれを呑み込んだ

 

テオ「私はテオ・シュバルツァー、ユミルの領主をしている。助けてくれた事には感謝するが、君は一体………?」

 

リィン「ただの旅行者です。今日ユミルに着いたら狩人が這々の体で郷に駆け込んで来て、貴方方が古代種に襲われていると聞いて駆けつけました」

 

テオ「古代種?」

 

リィン「さっき貴方方を襲った獣の…まぁ総称みたいなものです。詳しい話は後で……」

 

フローラ「リィン様……」

 

そこにフローラが声をかけてきた

 

リィン「ウチのメイドに呼ばれているので少し失礼します」

 

リィンがフローラのところに行くとエマ達が声を潜めて話した

 

アリサ「(ねぇ、エマ…良いの?初対面の様な対応で……折角リィンに会えたのに……)」

 

エマ「(……仕方ないですよ。私達二人は数年後の未来の士官学院の同級生の記憶を持っていて、貴方に好意を抱いてます。なんて言われて信じる人居ると思いますか?)」

 

アリサ「(そりゃあ、まぁ……そうだろうけど)」

 

エマ「(今私達が出来るのはリィンさんと自然に知り合ってリィンさんとの距離を縮める事です。ですが……)」

 

エマ達はチラリとリィンと話しているフローラを見た……

 

エマ「(彼女………何者何でしょう?セリーヌから聞いた通り美人で……リィンさんと親しいみたいですが……)」

 

アリサ「(判らないわ……そもそも男爵閣下の処に養子になってないみたいだし、リィンも何だか少し……『鬼の力』を怖がってないみたいに感じるわ……)」

 

シャロン「(う〜ん、彼女…リィン様に『愛と献身』を捧げてますね。これは負けてられませんね)」

 

アリサ「(シャロン、貴女ねぇ……)」

 

アリサが呆れてるとフローラと話してたリィンが戻って来た

 

リィン「申し訳無いですが休憩は終わりです。男爵閣下達は急いでユミルに戻って下さい」

 

テオ「それは構わないが……何があったのだね?」

 

テオは困惑した顔でリィンに尋ねた

 

リィン「さっきの古代種……獣達はまだ諦めて無いです。奴等は一定の距離を保って俺達の後を追跡しています。このままだとユミルの郷に奴等を連れてくる事になります」

 

テオ「なッ!?……待ちたまえ!それが本当なら我々は……」

 

リィン「えぇ……だから俺達が食い止めます」

 

『『『………え……?』』』

 

リィン「貴方方がユミルの郷に逃げ込む時間を俺達が稼ぎます。奴等のリーダー格を討ち取る事が出来れば群れは瓦解して四散するでしょう」

 

テオ「何を馬鹿な事を……!子供の君達を置いて私達だけで逃げるなんて……!それなら一緒にユミルに逃げ込む方が……!」

 

リィン「男爵閣下……貴方はユミルの領主です。領主が領民を危険に晒すのは論外でしょう?」

 

テオ「そ、それは……」

 

リィン「俺だって自己犠牲精神でこんな事言ってる訳じゃありません。勝つ算段があります」

 

エマ「だ、駄目です!」

 

エマは突然リィンの右腕を掴んできた

 

エマ「勝つ算段があるからと言って貴方が一人で抱え込む必要無いですよ!」

 

エマがそう発言するとアリサもリィンの左腕を掴んだ

 

アリサ「エマの言う通りよ!!どうしても行くなら私達も……」

 

リィン「………」

 

リィンは両腕を掴んでいる二人の手を無言でスルッと抜くと驚いた二人の頭を撫でた

 

「「あ……」」

 

リィン「心配してくれてありがとう。でも、さっきも言ったけど死ぬ気は更々無いから。俺はこう見えて剣の腕は立つしフローラも強いから……それに」

 

リィンはテオの方を見た

 

リィン「ユミルの郷が何かあったら俺もそうだけどギリアス父さんが哀しむから」

 

テオ「!?………まさか、君は……」

 

リィン「シャロンさん、男爵閣下達を頼みます」

 

シャロン「………ご武運を、空の女神のご加護がありますように」

 

リィン「……フローラ!」

 

フローラ「はい…!」

 

そうして二人は森の中に入って行った……

 

 

 

 

 

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