アリサSide
私達は悔しい思いで急いで山を下りユミルを目指した
シャロン「お嬢様………」
アリサ「判ってるわ、今戻ってもリィンの足手まといにしかならないって事位は……」
理屈では判ってる。けど……感情が追いついてない
エマ「リィンさんは私達とは比べものにならない位修羅場を潜っているみたいですね……恐らく私達が知る士官学院時代のリィンさんの実力は優に超えているかと……」
隣を走っているエマがそう言ってアリサを見た
アリサ「まさかここまで変わってるなんて……一体どこで変わって、いや……考えるまでもないわね」
シャロン「リィン様がユミルに来てない……来られなかった時からですね」
エマ「リィンさんは本来実父ギリアス・オズボーンがシュバルツァー男爵にリィンさんを託してユミルで育つ筈でした…」
アリサ「でもこの世界では何らかの理由でリィンはユミルに来る事は叶わなかった……変わりにリィンを保護したのは多分あの女性ね」
アリサはリィンの隣に立っていたフローラの姿を思い浮かべた
エマ「フローラさん、でしたか……前回は居なかった方ですがたったそれだけでこうも変化するとは……」
アリサ「そうね……でもリィンが変わって無いところもあるわ。無自覚に女性の頭撫でたり、自分だけで解決しようと抱え込んで人に余り頼ろうとしないところとか」
アリサはさっきリィンに頭を撫でられたのを思い出して顔を紅くした
エマ「あぁ、確かにさっきも頭撫でてましたしね……リィンさんの無自覚たらしは世界を超えて健在なんでしょうか?あのフローラという方もどう見てもリィンさんに好意抱いてますし……」
シャロン「うふふ、下手しなくても既にリベールで何人かリィン様に好意を抱いても可笑しくないかもしれませんわ。クローディア殿下とか……」
アリサ「シャロン、お願いだから洒落にならないから止めて……リィンなら本当にしかねないから…」
アリサは頭が痛いと言わんばかりに頭を振った
エマ「まぁまぁ、それより今は少しでも早くユミルに戻る事を考えましょう。男爵閣下の為にも……」
エマはチラリと前方に走っているテオに目を向けた
アリサ「そうね……今は兎に角少しでも早く戻らなきゃね」
アリサが少しスピードを上げたのを横目にエマはリィンが向かったアイゼンガルド連峰に視線を向けた
エマ「(………リィンさん、どうかご無事で……)」
リィンSide
リィン「四ノ型、紅葉切り!」
リィンは襲いかかって来た敵に、すれ違いざまに抜刀し古代種の首を跳ね頭を失った古代種は二、三歩進んだ後で倒れた
リィン「これで十二匹目……!フローラ、そっちはどうだ!?」
フローラ「こちらは八匹目です……あぁもう鬱陶しい!!」
フローラは正面から襲って来た古代種の額を撃ち抜き、その隙に別の古代種がフローラの喉元に食らいつこうとしたがその前にフローラの拳が下顎を粉砕し激痛にのたうち回る古代種にとどめを刺した
リィン「大分排除したな」
フローラ「えぇ、呼んでおいて正解でした」
二人が視線を向けると八体の人形兵器ー『スクルド』が古代種を蹴散らしていた
リィン「剣は判るとして、トマホークにメイス……姿も合わさるとまるっきり中世の騎士だな?」
リィンは後ろから忍びよって来た古代種を紙一重で避けながらその頭を剣で切り裂いた
フローラ「最近では個体ごとに好みの武装を選ぶのが流行りまして……」
フローラも後ろの古代種を見ることも無く銃弾を叩き込んだ
リィン「まぁ、それは良いが……奴等のボスか来たようだぞ?」
リィンが視線を向けると他の古代種よりも体格が良い個体が現れた。特徴的なのは下顎の毛が青髭になっていた
フローラ「分かりやすい特徴ですね。個体名も無いとややこしいですし……Blaubart (オペレッタ)と呼びますか」
リィン「いいんじゃないか?まぁ、直ぐに切り捨てるから意味は無いがな」
リィンは青髭の前に進み剣を突きつけた
リィン「貴様らも生きる為に襲うのだろうが、ユミルはやらせはしないぞ!」
青髭は手駒がやられた事に怒り心頭で吠えてリィンに襲い掛かった……