閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第25話

『『『無茶しすぎだ!!』』』

 

古代種を討伐しユミルに戻ったリィン達は郷の住民(先に戻っていたアリサ達も含めて)に囲まれ神父を中心に無茶をするなと叱られた。自分の判断に後悔は無いリィンではあったが心配かけた事は事実なのでそれについては謝罪した。

 

リィン「それは……すいません。でもこれでユミルが危険に晒されないでしょう」

 

リィンはそう言って古代種の首を見せた

 

「こ、これが古代種……」

 

「見た目は爬虫類だが、こんなの見た事が無い」

 

「こんなのが私達の郷のすぐそばに居たなんて……」

 

リィン「無論警戒するに越した事は無いですが、もう襲う事もないでしょう」

 

初めてみる獣の姿にベテランの狩人や郷の人間は大騒ぎだった

 

「……と、とりあえず、今晩は念の為俺達で夜通しで警戒するぞ!明るい内に松明や篝火の準備を急げ!!」

 

「わ、判った!」

 

狩人達は大急ぎで松明用の薪を取りに行った

 

「……まだ納得がいかないですが、まずは礼を言うべきですね。領主様達を救ってくれてありがとうございます」

 

ユミルの神父がリィン達に頭を下げた

 

リィン「いえ……男爵閣下はどうなさいました?」

 

「郷に戻ってルシア様と無事を喜びあった後直ぐに郷の守りを固めようとしました。まぁ、それも必要無くなりましたが」

 

リィン「そうですか……良かった」

 

リィンは胸を撫で下ろした

 

「君達はこれからどうするのですか……?」

 

リィン「もう夕方ですし、当初の予定通りにここの酒場に泊まる積もりです」

 

リィンはそう言ってフローラに目配せして酒場に向かおとした

 

「……なら、凰翼館に泊まりなさい」

 

リィン「?……俺達はあそこに泊まれるミラはありませんよ?」

 

神父の言葉にリィンは足を止めて言った

 

「お金は心配しなくても良いです。領主様が君達を是非にと仰ってますので……」

 

リィンはフローラと顔を見合わせたがフローラは微笑んで頷いた

 

リィン「………ではお言葉に甘えまして」

 

ー 凰翼館 ー

 

リィン「………」

 

夜になりリィン充てがわれた部屋の窓から篝火の火を見ていた。

 

ー コンコン ー

 

部屋の扉をノックする音が聞こえリィンは振り向いて尋ねた

 

リィン「誰かな?」

 

フローラ「フローラです。シュバルツァーご夫妻がリィン様と話がしたいと……」

 

リィン「ご夫妻が………判った。すぐに伺う」

 

フローラ「いえ、それが………」

 

フローラが珍しく口を濁していた

 

リィン「?どうした……何か問題があったか?」

 

フローラ「今私の後ろにお二人が立っていまして……」

 

リィン「何!?……お通ししてくれ」

 

リィンは驚いたがすぐにフローラに通す様に言った

 

フローラ「はい……どうぞお入りください」

 

フローラが扉を開けシュバルツァー夫妻を先にリィンの部屋に入れてフローラは夫妻が入った後扉を閉め脇に立った

 

リィン「わざわざ領主自ら来られなくても俺から出向きましたのに」

 

テオ「何、恩人を呼びつける様な真似は好まなくてね……改めて礼を述べさせて貰うよ。ユミルを救ってくれてありがとう」

 

リィン「いえ、怪我が無くて良かったです。本当に……」

 

シュバルツァー夫妻「………」

 

リィン「………」

 

テオ「もう一つ君に聞きたい事があるんだ。君は……もしかしてギリアス兄さんの……」

 

リィンはその言葉を聞いて溜息をついた

 

リィン「………流石に判るよな、えぇ……俺は今はリィン・アイスフェルトと名乗ってますが母はカーシャ・オズボーン、父はギリアス・オズボーン……俺は二人の子供です」

 

リィンは正直に言うとシュバルツァー夫妻は息を呑み、そして夫妻はリィンに抱きついた

 

ルシア「ああ……やっぱり……女神様」

 

テオ「良く………よく生き延びてくれていた……」

 

リィン「あはは………お二人とも少し恥ずかしいですよ」

 

シュバルツァー夫妻は涙を流し、リィンは夫妻の温かさに少し照れていた

 

それから数十分後、漸く夫妻は離してくれた

 

テオ「リィン……と呼ばせて貰うよ。リィン、このままユミルに住まないか?」

 

テオがリィンを見据えそう言った

 

テオ「少し時間がかかるが養子として私達の家族として迎える事も出来るし、元々ギリアス兄さんとはそう約束していたんだ」

 

ルシア「貴方が使う筈だった部屋もそのままあるの、私達には娘もいるけどとても良い娘だからすぐに打ち解けられると思うわ。勿論貴方のメイドさんもそのまま住んでも良いわ」

 

ルシアはフローラを見て言った

 

リィン「………厚意はありがたいです。けど……既に俺は帰るべき故郷や待っていてくれる人が出来ました。だから……ごめんなさい」

 

リィンは心苦しさを感じながらも頭を下げた

 

テオ「そう……か、そうだな……十年の時間は故郷に愛着を持つのに十分な時間だ」

 

テオはリィンの肩から手を離して俯いた

 

ルシア「謝らないで頂戴、貴方が悪いのでは無いの……私達が無理を言ったのだから…」

 

ルシア夫人もそう言うが涙を流していた

 

リィンも正直心苦しかった。この夫妻の養子だったらどれだけ良かった事か……だがそれを意味するのはクローゼやそれまでの人々の出会いも無かった事になる……でも

 

リィン「……俺は此処にこれて良かったです。あの日、父さんが俺を託そうとしたユミルの地がどんな処なのか……この眼で見て確信しました。父の愛情、父が愛した地……とても素晴らしい郷だと……だから……また、此処に遊びに来ても良いですか?今度は俺の『家族』を連れて……」

 

シュバルツァー夫妻はそれを言い終わる前にリィンに抱きついた

 

テオ「あぁ……!良いとも!何時でも……遊びに来なさい!!」

 

ルシア「何時でも……何時でも……待っていますからね!」

 

フローラ「リィン様…………」

 

三人の会話を聞いていたフローラも涙を流していた

 

 

 

 

 

 

 

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