ー七耀暦1197年リベール上空ー
ユン老師という予想外の人物の出会いに驚きつつも一緒に乗る予定だったフローラのチケットを使い無事に乗船を果たしたユン老師と甲板で色々帝国内で回った事を聞いていた。
リィン「温泉ですか…気持ち良さそうですね~(間違いなくユミルだけど…)でも、話を聞く限りそんなに長く逗留していないですよね?一体何故…?」
俺の疑問に老師は笑いながら答えた
ユン老師「なに、お主にはまだ温泉の良さを理解するのはまだ早いわい…長居しなかった理由はの…儂は実は剣術家での?八葉一刀流というのじゃが、知っておるかの?」
リィン「あいにく不勉強で…確か東方の剣術でしたか?」
俺の答えに頷いたユン老師は続けた…
ユン老師「その認識で問題ないぞい、儂はその八葉一刀流の開祖でな?弟子も何人も居る。今回リベールに行くのも弟子の一人と会おうと思ってな?」
リィン「そうでしたか…」
別に可笑しくない話たけど…
ユン老師「儂ももう歳じゃからな…最後の弟子を取ろうと思いユミルに赴いたのじゃが…良き若人が居なかったから逗留もそこそこにリベールに行こうとしたんじゃ」
成程…でも
リィン「でも何でピンポイントにユミルで弟子を取ろうと…?」
ユン老師「勘じゃ」
即答!?しかも勘って…
ユン老師「勘も馬鹿にはできんぞ?それで時には予期せぬ出会いがあったしの!」
呵々大笑しながら言う老師に呆気にとられる。これがユン・カーファイなのか…?
ユン老師「さて、儂ばかり答えるのは不公平じゃしな…お主にも答えてもらうかの」
リィン「あ、はい分かりました…俺が答えられる事があればいいのですが…」
ユン老師「なに、そう難しい問いはせぬよ…ではリィン少年お主…」
そ の 身 体 の 中 に あ る 異 質 な 力 は な ん じゃ?
リィン「!!!!?」
ユン老師「勘違いするでない、別にお主をどうこうしようとは思わん。お主が善人なのは短い付き合いでも分かっておる」
心臓が止まるかと思った…これが八葉一刀流ユン・カーファイ…!
リィン「……何故解ったんですか?一度も披露したこともないのに?」
ユン老師「勘とあとは…お主の気配じゃな?」
リィン「気配?」
ユン老師「うむ、お主の身体にはお主以外のもう一つの気配が感じたのじゃよ。それも真っ黒な」
リィン「…荒唐無稽な話になるかもしれませんが宜しいですか?」
ユン老師「構わん」
俺は5年前の出来事を話した。(流石にアンファングは話せないが)
ユン老師「〘呪い〙か…確かにお主の父親がそういったのじゃな?」
リィン「はい、その後に魔獣に襲われた際にこの『力』が発現し、魔獣を振り切るスピードを出せました。」
ユン老師「………」
そう言うとユン老師は考え込んだ。
リィン「あの…?」
ユン老師「一つ尋ねたい、お主はその力をどう見る。あるいはどうしたいのじゃ?」
そんな問いにおれは…
リィン「…俺は最初は得体のしれない〘力〙を恐怖を覚えました。でも、俺の窮地を救ってくれたのもその〘力〙でした…もうこの〘力〙は俺の一部で否定出来無い事実です。俺はこの〘力〙を使いこなしたい!俺はこの〘力〙で俺の大切な人達を守りたい…今は、そう思います」
ユン老師「……リィン少年、お主の目的地はロレントじゃったな?」
リィン「え……はい、そうですが?」
唐突な話題転換に怪訝な顔になる…
ユン老師「そうか、これも空の女神の導きかのう?」
ユン老師「リィン少年、お主のその〘力〙を制御する術を儂等が教えると言ったらどうじゃ?」
リィン「え?それはつまり…」
ユン老師「儂の弟子にならんか、と言うわけじゃロレントにさっき話した弟子が住んでいるからあやつにも手伝ってもらうがの」
リィン「願ってもない話ですが…ご自身の予定とかは?」
ユン老師「何、元々予定などあってないような物じゃたから問題はないのぅ…では返事は?」
リィン「…宜しくお願い致します。ユン老師」
俺は深々と頭を下げた
〘本船をご利用頂きありがとう御座います、まもなくリベール王国王都グランセルに到着します。お荷物をお忘れなき様お願い致します〙
船内アナウンスが流れ、空の旅の終わりを告げた…