閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第31話

リィン「巨神像………?」

 

ガイウスが案内してくれるというので馬に跨り集落から見て北の方向にリィン達は駈けていた

 

ガイウス「あぁ、このノルドには『巨石文明』とも言える古代文明の遺構があちこちにあってな。その中で特に目を引くのが今向かっている巨神像だ」

 

リィンの隣を並走していたガイウスが語る

 

リィン「その巨神像には何か謂れがあるのか?」

 

ガイウス「幼い頃、長老に聞いた事がある。北の石切り場に巨神が『悪しき精霊』【ジン】を封じたと言われている」

 

リィン「悪しき精霊……」

 

フローラ「仰々しい言い伝えですね………ところで目的地まで後どのくらいですか?」

 

リィンの逆隣を並走しているフローラが尋ねた

 

ガイウス「もうそろそろだが………見えてきたぞ、あれが巨神像だ」

 

そうガイウスに言われリィン達が視線を向けると確かに岩山に両手足が埋まってる《巨人》が聳えていた

 

リィン「あれが……ここから見ても大きいな」

 

フローラ「…………」

 

ガイウス「麓まで行けるからそこを目指すぞ!」

 

そう言ってガイウスの先導で巨神像の麓に辿り着いた

 

リィン「凄いな………これはいつから有ったんだ?」

 

ガイウス「判らん、古の時代我等の祖先が東からこの地に来た時には既に在ったらしい。そしてその許しを得てこの地に根付いたという伝説が残されている」

 

リィン「成る程………何となく『巨いなる騎士』の伝承に似ているな」

 

ガイウス「ふむ……?帝国でも似たような言い伝えがあるのか?」

 

フローラ「中世………《暗黒時代》から伝わる言い伝えですね。『戦乱の世に焔と共に輝き甲冑を纏いし巨大な騎士が現れ、戦を平定する……』基本的にそういう話ですね」

 

ガイウス「基本的に、とは?」

 

リィン「その言い伝えは地域によって様々なんだ、騎士の姿一つとってもその真偽は定かでは無いんだ。帝国に伝わる伝承の中で正に謎と言える訳だ」

 

ガイウス「成る程、確かにこの『守護者』の巨像にも通じた話ではあるな。もしかすると何か関係があるかも知れないな」

 

リィン「そう、だな(………そりゃ関係あるわ、『騎神』の祖先とも言えるんだし、これ)」

 

リィンは何とも言えない顔になった

 

ガイウス「それじゃあ巨神像を堪能したら北西のラクリマ湖に向かおう。静かだが景観が良い………フローラ殿?」

 

フローラは巨神像から目を逸らして南東の空に目を向けていた

 

リィン「どうした?」

 

フローラ「エンジン音、それも帝国製では無い船がこっちに来ます………!」

 

ガイウス「…………なんだと!?」

 

ガイウスが呟くと同時に二人の耳にもエンジン音が聞こえてきた

 

リィン「アレは…………!」

 

ガイウス「莫迦な…………!?此処は帝国側の領域だぞ。何故カルバードのガンシップが!!」

 

ガイウスの言う通りカルバード共和国軍の軍用ガンシップが二隻、高速飛行していた

 

リィン「いや、なんか様子が可笑しいぞ?……仲間の船に銃撃を加えてる……?」

 

そう、後のガンシップが前方に飛行しているガンシップに攻撃していた

 

ガイウス「何故味方を撃っている?……一体何が起きている?」

 

そうこう言っている間に銃撃を受けていたガンシップは遂にエンジンが撃ち抜かれ高度を下げてきた

 

フローラ「こっちに強行着陸する積りです!!」

 

リィン「冗談じゃない!?退避ー!!」

 

ガンシップはリィン達の居る場所に強行着陸を試み、リィン達は大急ぎで退避した

 

リィン「二人とも、怪我は!?」

 

ガイウス「こっちは大丈夫だ!」

 

フローラ「私もです……さっきのガンシップは…?」

 

三人はさっきまで居た場所を見るとガンシップが地面にめり込んだ状態で停まっていた

 

ガイウス「良かった。巨神像は無事か」

 

幸いガンシップの破片とかも飛んで居なかったので巨神像には傷一つ無かったが……

 

フローラ「又さっきのガンシップです!!」

 

堕ちたガンシップを止めを刺すつもりか、低空飛行で突っ込んできた

 

ガイウス「止めろー!巨神像に当たってしまう!!」

 

フローラ「ガイウスさん!?」

 

ガイウスは銃撃を阻止しようとガンシップの射線上に入ってしまった

 

ガンシップの銃口が目標を捉え……

 

 

 

リィン「そこまでにして貰おう」

 

リィンが馬を駆け馬上から跳び上がりガンシップと同じ高度になると……

 

リィン「四の型、『紅葉斬り』」

 

ガンシップとすれ違い様に斬りつけ……ガンシップのエンジンが切り飛ばされた

 

 

制御を失ったガンシップは軌道が逸れて近くの草原に墜落した

 

ガイウス「な……っ!?」

 

リィン「無事か、ガイウス?」

 

ガイウス「あ、あぁ……済まないリィン助かった。だが今のは……?」

 

リィン「それは後で、ガイウスはフローラと一緒に巨神像に墜落したガンシップのパイロットを頼む。俺はさっき切り捨てたガンシップの方に」

 

ガイウス「わ、判った!」

 

そう言ってガイウスは馬を巨神像の方に駆けて行った

 

リィン「さて……」

 

リィンはゆっくりともう一隻のガンシップに近づいていった。弾薬の誘爆は無い様だ、 ガンシップのハッチが開いてパイロットが降りてきた。

 

リィン「止まれ」

 

リィンがそう言うと気付いたパイロットは一瞬躊躇したが自身が持っていた拳銃をホルスターごとリィンの方に捨てて両手を挙げて降伏の意思を示した

 

リィン「貴殿の名は?」

 

リィンは油断無く馬から降りてパイロットの拳銃を回収して尋ねた。パイロットは被っていたヘルメットを外した

 

 

 

 

 

 

「私はノルド方面軍第三飛行艦隊所属エミリア・ハーリング中尉、交戦の意思は無い。願わくば話し合いを応じて欲しい」

 

 

 

 

 

 

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