リィン達はルーレ空港からクロイツェン州の公都バリアハートまでの定期船に乗り、何事も無く無事にバリアハートに到着した…
リィン「此処がバリアハートか、美しい街並みだな」
リィンは辺りの建物を見回しながら呟いた
フローラ「嘗ては時の皇帝が居城とした時期もあったとか……その他に良質な宝石や毛皮の産地としても知られてそれを加工する職人街もあるとか……」
リィン「宝石か……俺には縁のない代物だな」
リィンは肩をすくめた
フローラ「そうでもありませんよ。リィン様には何れ必要になりますわ」
リィン「必要?何にだ………?」
フローラ「クローディア殿下に贈る婚約指輪ですよ。まだ、贈られてませんよね?」
リィン「婚約指輪……か、クローゼは喜ぶかな?」
フローラ「確実に喜ぶと思いますよ。リィン様が心を込めた贈り物ならどんなものでも喜ばれます」
フローラの言葉を聞いてリィンは考えた
リィン「……確かにクローゼに婚約指輪は贈りたいな、お誂え向きにその手の職人や店もあるし……少し寄ってみるか」
そうしてリィン達は職人街に寄ってみたのだが……
リィン「一見さんはお断りか……」
フローラ「確かに普通に考えたら高級店と呼ばれる店は紹介状を持ってる客か貴族にしか相手しませんからね……」
ほとんどの店から紹介状が無いと売れないと拒否されてリィンは頭を抱えた。するとそこに年若い金髪の貴族の青年二人が近づいてきた
「どうしたのかね?頭を抱えて、悩み事かね?」
二人のうち年上の青年がリィンに尋ねてきた
リィン「……失礼ですが貴方方は…?」
「あぁ、失敬……先に名乗るべきだったね。私はルーファス、ルーファス・アルバレアという者だ。こっちは私の弟のユーシスだ」
「……ユーシス・アルバレアだ。見知りおき願おう……」
リィン「………っ!?、四大名門の一角の……失礼しました」
リィン達は頭を下げた
ルーファス「あぁ…頭をあげてくれないか?見た処我が領民でも家臣でも無い様だし、公的な場でもない限り礼儀は問わないよ」
リィン「……そう言って頂けるのは有り難いです」
ルーファス「ふふふ、さて君達の名も聞いても良いかな?」
リィン「リィン・アイスフェルトです。こっちは私に仕えてくれているフローラです」
リィンが自己紹介をするとフローラは一礼した
ルーファス「リィン君というのか……それで、宝石店の前でどうしたのかね?君の年齢的にはまだ早い気がするが?」
リィン「あぁ……いや結婚を前提として付き合っている恋人がいるのですが、婚約指輪を買おうとして……」
ユーシス「……断られたか、まぁ仕方が無い…この辺の店は紹介状が無ければ売って貰えんからな、平民が買い物するには不向きな場所だ」
ユーシスは婚約指輪と聞いて驚いたが直ぐに真顔に戻り、さもありなんと頷いていたがどこかリィンに同情的な声だ
ルーファス「ふむ……なら私が紹介状を書こうか?」
ユーシス「な………ッ!?兄上、それは………!」
ルーファス「何…未来ある若者が女性に誠意を見せようとしているんだ、この程度なら問題あるまい。それにユーシスも何れアルバレア家の一員として妻を娶る事になるんだ。いい機会だ、彼と一緒に宝石店を見てみなさい」
ユーシス「は、はあ……」
ルーファス「さぁ、そうと決まれば入ろうではないか、リィン君も来たまえ」
そうしてなし崩し的にルーファス・アルバレアの紹介によりクローゼに贈る婚約指輪を無事に買えたリィンだった
リィン「ありがとうございます。ルーファス卿、これで彼女に渡せます」
リィンは深々と頭を下げた
ルーファス「何、礼を言われる程でも無い。無事に結婚出来る事を女神に祈ってるよ。さぁユーシス行こうか」
ユーシス「はい、兄上……リィンと言ったな?良い結果にれば良いな」
そう言ってユーシスはルーファスの後を追った
フローラ「……ああいう貴族もいる者ですね」
リィン「そうだな……まぁお陰で指輪を買えたから感謝しないとな」
リィンは指輪の入った小箱を見た……
フローラ「フフ、クローディア殿下の驚く顔が目に浮かびますね」
リィン「同感だな……さぁレグラムに行こうか」
フローラ「はい、列車は二時間に一本しか走って無いので……このままエベル街道を歩いて行きましょう」
リィン達はそう言ってバリアハートから出る為に歩き出した