閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第43話

ー アルゼイド流練武場 ー

 

リィン「手入れの行き届いた良い道場ですね」

 

リィン達はヴィクター子爵の館に隣接している練武場に来ていた

 

ヴィクター「フフ、余り見窄らしくては門下生達にも示しがつかないからな、手入れは怠りはせんよ」

 

ヴィクターは練武場の扉の鍵を開き中に招き入れた

 

ヴィクター「今日は門下生も居ないから心置き無く戦うが良い、勝負は一本勝負だ。お互い出し惜しみは無しでな…」

 

リィンとラウラはお互いに得物をの確認をした

 

ラウラ「リィン、そなた父上の言い様からすると本来の得物は別なのだろう……平気か?」

 

リィン「あぁ、本来俺は太刀を使うが直刀も使えなくはない、心配無用だ。それに……」

 

ラウラ「それに……?」

 

リィン「本来の得物じゃ無いから負けた。なんて言い訳、ラウラだって聞きたく無いだろう?」

 

ラウラ「……フ、ハハハハハハハ!!確かにそうだな!戰場では常に本来の得物が持てるとは限らないからな」

 

ラウラはキョトンとした顔になったが次の瞬間にはラウラはお腹を抱えて笑った

 

リィン「酷いな、笑う事無いだろう?」

 

ラウラ「ハハハハ……いや済まぬ、決して馬鹿にした訳では無い……さて、そろそろ始めるか……父上、お願い致します」

 

ヴィクター「うむ……双方構え!」

 

二人は剣を構え……

 

ラウラ「八葉一刀流の真髄、見せて貰うぞ。リィン!」

 

リィン「こちらこそ、ヴィクター閣下仕込みのアルゼイド流……楽しみだよ」

 

ヴィクター「始め!!」

 

二人は同時に駆けた

 

ラウラ「ハアぁぁぁぁ!!」

 

リィン「おおォォォ!!」

 

互いの剣が火花が散り、ラウラの剣が唐竹に振り下ろすとリィンは大剣を受け止めずに受け流し、リィンが逆袈裟斬りに剣を振ればラウラは身体を少し仰け反り回避し、お返しにラウラは刺突を繰り出せばリィンも紙一重に回避した。

 

ヴィクター「うむ、やはりラウラに良い刺激になりそうだな。しかし……リィンもまた少し腕を上げたみたいだな………後で仕合をしてみるか?」

 

ヴィクターは壁に寄りかかりながら満足気に頷いた

 

フローラ「流石に連戦はリィン様の負担になりますから辞めて頂きたいのですが……」

 

いつの間にかフローラもヴィクターの隣に来てリィン達の仕合を見ていた

 

ヴィクター「何、軽く揉む程度にするつもりだ。それより、この仕合………君はどちらが勝つと思うかね?」

 

フローラ「……そうですね」

 

ヴィクターはフローラに勝敗を尋ねフローラは少し考え答えた

 

フローラ「リィン様ですね」

 

ヴィクター「その根拠は?」

 

フローラ「確かにラウラ殿も強いでしょう。同年代の中ならトップレベルと言っても良いです。ですが……圧倒的に実戦経験が足りません」

 

ヴィクターは頷いた

 

ヴィクター「その通りだ。あの娘はこの修練場の中しか経験を積んでいない。実戦の経験は無いに等しいんだ」

 

フローラ「だからリベールでリィン様に頼んだのですね?ラウラ殿を井の中の蛙にしない為に……」

 

ヴィクター「そうだ、まぁ余計な心配だったかもしれんがな」

 

ヴィクターはそう言ってラウラの楽しげな顔を見て破顔した

 

ラウラ「強い……!父上とまともに打ち合う程の事はある…!」

 

ラウラは胸が高鳴るのを感じていた。修練場の門下生と仕合した時には感じなかった高揚感をラウラは自覚して切り結んでいるリィンを見た

 

ラウラ(楽しい……!もっと彼と高みに!父上以外に切磋琢磨出来る人が側にいてくれるなら!私のアルゼイド流も更なる高みに!)

 

リィン(流石ヴィクター閣下の御息女、将来が楽しみな人だ。もう少し打ち合いたいがそろそろか……)

 

切り結んでいたリィンとラウラは同時に離れ距離を取った

 

リィン「……このまま長々と切り結ぶのも時間が勿体無い。次て終わらせるぞ…!」

 

ラウラ「それは私も同じだ……!この一撃をそなたにぶつける!」

 

リィンとラウラは互いに闘気を高め互いに隙を伺った……

 

ラウラ「………!!」

 

リィン「………!!」

 

リィンとラウラは同時に動きラウラは大剣を大きく振りかぶった

 

ラウラ「ハアぁぁぁぁ!奥義!洸刃乱舞!」

 

リィン「八葉一刀流、終ノ太刀 暁!」

 

リィンもそれと同時に八葉の奥義を繰り出す。そして結果は……

 

ラウラ「かはッ…!!」

 

ラウラがぶっ飛び壁に叩きつけられた

 

ヴィクター「そこまで!!勝者リィン!」

 

その言葉を聞いてリィンは剣を収めラウラの元に駆け寄った

 

リィン「大丈夫か、ラウラ。済まない少しやり過ぎた…立てるか?」

 

リィンは手を差し伸べた

 

ラウラ「いや……大丈夫だ。少しふらつくが……不思議と気分が晴れやかだ」

 

ラウラはリィンの手を握りながら微笑んだ

 

ラウラ「礼を言う。リィン、そなたのお陰で更なる高みを目指せそうだ」

 

リィン「役に立てたなら良かったよ」

 

ラウラ「それでだな……その…リィン、そなた泊まる宿はもう決まったのか?」

 

リィン「ん?いや、まだだが?」

 

ラウラ「なら私の館に泊まると良い!そなたなら父上も文句は無いだろう」

 

リィン「いや、それはヴィクター閣下は許さないだろう」

 

ヴィクター「君なら文句は無いぞ」

 

ヴィクター閣下がフローラと共に近づいてきた

 

リィン「閣下……」

 

ヴィクター「私としてもまた君と仕合したいからな、是非泊まっていきなさい。無論節度は守ってな」

 

リィン「……」

 

リィンはフローラの方を見たが彼女は苦笑していた

 

リィン「………それじゃあ、お世話なります」

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