リィン達がレグラムに逗留して四日経った。その間リィンとラウラが共に仕合したり、フローラとラウラが仕合したり、二体一の形式でリィンとラウラがタッグを組んでヴィクターと仕合したりとしていた。そして……
ラウラ「はぁ、はぁ……」
リィン「お疲れ、ラウラ今日はここまでにしよう」
リィンは汗だくのラウラに手拭いを差し出した
ラウラ「はぁ…はぁ……やはりリィンは鍛えてるのだな、未だに一本取れぬとは」
ラウラは手拭いを受け取り立ち上がった
リィン「それはまぁ、な……俺も対人戦はそれなりにこなしたからな。でもラウラなら何回か経験すればもっともっと実力は上がるさ」
ラウラ「そうか?そなたもそうだが、フローラ殿にも私の剣は軽くいなされてしまってとてもそうは思えんのだが……」
リィン「そうでもないさ、フローラも何度も危うかったと言ってたぞ」
そう言ってリィンは肩をすくめた
ラウラ「それは嬉しい褒め言葉だな。私ももっともっと強くなりたいからな」
リィン「ハハハ……ラウラ程の武人は同年代では中々居ないかもな」
ラウラ「フフ……なぁリィン」
リィン「ん?」
ラウラ「明日レグラムを離れるのだな?」
ラウラは目を伏せた
リィン「……あぁパルムに向うつもりだ。ここからエベル湖からサザーランド州パルム行の定期船が出ているんだろう?」
ラウラ「そうだが………まだそなたと研鑽を積みたいのだがな。何ならこのままレグラムに……」
リィンは頭を振った
リィン「気持ちは嬉しい、俺もラウラと剣を交えるのは楽しい……だが、やる事があるから」
ラウラ「そう……か、また会えるか?」
リィン「剣の道を続けていれば何れは」
ラウラ「フフ、何だ?随分くさい台詞だな」
ラウラは優しく微笑んだ
リィン「そうか?」
ラウラ「そうとも……さぁ!昼餉を食べたらまた仕合するぞ!!」
リィン「その前にヴィクター閣下との仕合があるだろう?」
リィンは修練場の扉を手に掛けてラウラに午後の予定を伝えた
ラウラ「む……そうだったな、そなたと組んで父上に挑む事六回、膝をつけるのはまだ厳しいな」
リィン「ヴィクター閣下も経験豊富な方、まだまだ俺達の様な若造には遅れは取らないという事だろう」
そう言ってリィン達は修練場の扉を閉めた……
そして翌日
パルム湖波止場
リィン「お世話になりました」
リィン達は波止場に停まってる定期船の前でアルゼイド親子の見送りを受けていた。
ヴィクター「何、礼を言うのはこちらの方だ。そなたのお陰で娘は良い刺激を得た」
リィン「はは、ラウラなら立派にアルゼイド流を背負う傑人になりますよ」
ヴィクター「フフフ、それで……そなたはこれからどうする積りだ?」
リィン「そうですね……パルムに入ったらそのままタイタス門に向かおうかと思ってます」
ヴィクター「タイタス門……またリベールに戻る積りか?」
リィン「えぇ……まだやる事がありますから」
ヴィクター「ふむ……」
ヴィクターは腕を組んで考えこんだ
ラウラ「父上…?」
ヴィクター「いや……何でもない、それなら気を付けて行くがいい。彼の国の情報部の残党が居る可能性は低いだろうが念の為に注意しとくがいい」
リィン「えぇ、忠告感謝します」
リィンも頷いた
ラウラ「リィン……」
リィン「ラウラ、次会う時まで俺も腕を上げとくからな」
リィンは右手を差し出した
ラウラ「ふ、それはこちらの台詞だ。次相見える時楽しみにしてるがいい」
ラウラも右手を差し出し互いに握手を交わした
その時定期船の出港を知らせる汽笛が鳴らされた
フローラ「リィン様!急いでください!出港します!」
リィン「直ぐ行く………!!それじゃあ、お元気で」
そうしてリィンは定期船に乗り込みサザーランド州の紡績の街パルムに向かった………