ジョゼット「な、なにこれ……」
キール「これは………何があったんだ?」
ドレン「むう………」
追いついて来たカプア一家は村の惨状に言葉を失っていた。家屋は崩れ落ち家財は全て破壊されていた
フローラ「………少なくとも十年は経過してますね。しかも家屋は燃えた痕跡もありますし、弾痕も……それも一発だけじゃない、何十発も……」
フローラは足元の錆びた『薬莢』を拾い呟いた
リィン「ヨシュア………」
ヨシュア「……こっちだよ」
ヨシュアはそう言ってリィン達をある場所に連れて来た。そこは見晴らしの良い高台で其処には墓石が一つありそこにはこう書かれていた………『ハーメル村民ここに眠る』
ヨシュア「……只今、みんな…遅くなってごめん」
ヨシュアはそう言って手に持ってた花束を墓石に添え、祈りを捧げた
ヨシュア「………」
「……ありがとう、待っててくれて」
ヨシュアは祈りを終えるとリィンに向き直った
リィン「……良いのか?」
ヨシュア「うん、元々長居する積りはなかったからね」
リィン「そうか……」
ジョゼット「ね、ねぇ……此処は一体何があったの!?村一つ壊滅するなんて……!」
キール「確かにな……普通そんな事がありゃあ噂の一つ位流れるもんだが……」
ドレン「俺達は3年前まではリーヴスに住んでたがそんな噂聞いた事がねぇぞ……?」
ヨシュア「………それは貴方達には関係ない事だね。僕と貴方達とはお互いに利用価値があるから協力してるに過ぎないからね………勿論リィン、君達もこれ以上僕に関わるな、命が惜しければね」
ジョゼット「か、可愛くない奴〜!あのノーテンキ女と一緒にいた時と性格が全く違うじゃない!?」
ヨシュア「君に言われたくないね。最初に会った時は随分猫を被ってたじゃないか?」
ジョゼット「うぐ……ッ!?」
リィン「………さっきも言ったがヨシュア、君が思う程、皆諦めが良くないんだ。そんな風に言われて『はい、そうですか』なんて引き下がらないんだよ」
ヨシュア「………『ヨシュア・ブライト』は偽りの姿だ。こっちの方が僕の本性だ。冷酷に他者に近づき利用し、用済みになったら切り捨てる………それが僕という人間だよ。リィン、君とは根本的に相容れない存在だよ」
フローラ「嘘ですね」
ヨシュア「……何ッ?」
フローラ「冷酷な人間が死者を悼む筈が無いでしょう。花束を添えないでしょう?さっきのヨシュアさんは間違いなく村人達を悼んでいました。貴方は優しい人です」
ヨシュア「………そういう風に演技していたからですよ。フローラさん、僕は貴女すら利用してきたんですよ」
フローラ「……ならどうしてエステルさんにハーモニカを残して行ったんですか?」
ヨシュア「………ッ!!!!!!」
フローラ「あのハーモニカは貴方にとって大切な物なのは知っています。それをエステルさんに渡したのは……」
ヨシュア「……だとしても、僕はもう『選んだ』んだ!!今更……そう!今更エステルの処に戻るなんて……!!」
ヨシュアはそう言って自身の得物の双剣を抜いた
リィン「それが答えかヨシュア……なら俺も剣で応えるのが筋だな」
リィンも自分の剣を抜いた
ジョゼット「ちょッ……ちょっと!!此処でやり合うの!?ここは死者が眠る場所じゃないの!?」
ジョゼットは慌てて止めようとした
フローラ「あぁ、ご心配なく……被害無いように場所は変えますから」
ジョゼット「へ?」
フローラは懐からゴスペルを取り出し操作した
キール「お。おい、アンタ一体何を……?」
言い終わる前にフローラを中心に光りその場に居る全員が光に包まれ、収まると墓石の前には誰も居なくなった………
ー パルム間道 ー
ジョゼット「………え、ここって?」
キール「パルム間道……か?」
ドレン「おいおい……こりゃあ、一体どうなってやがる?」
フローラ「ここなら思う存分戦えます。リィン様」
リィン「ありがとう、フローラ…さて始めるかヨシュア……」
ヨシュア「……リィン、君達は一体……」
リィン「……お前に事情がある様にこっちも事情があるだけだ。そんな事より構えろ……エステルの為にもお前を引きずってでも連れ戻す!」
リィンは剣をヨシュアに突きつけた
ヨシュア「………僕は、僕は捕まる訳にはいかない!!目的を果たす為に……!その為には君を………倒す!!」
ヨシュアも剣気を高め双剣を構えた……!
リィン「………参る!!」
互いに譲れない物を抱き……激突した。