ー リベール某所 ー
「ふぅん?結構良い場所じゃないか、『教授』も良い趣味してるね」
飛行艇がとある建物に降りると飛行艇のハッチから少年?が降りてきてそう呟いた
「………遅かったな《カンパネルラ》」
カンパネルラ「やぁ《剣帝》、久しぶりだねぇ……君がいない時間は寂しくてたまらなかったよ」
「フ……心にも無い事を……帝都の遊撃士協会襲撃はお前が主導したのだろう?上手くカシウス・ブライトを引き付けた様だな」
カンパネルラ「何だ、知ってたの?いや〜厄介な御仁だよホント、こっちの存在は知らない筈なのに的確に対策取ってきたから手持ちの駒一つ潰されちゃったよ」
「《ジェスター猟兵団》か……俺も一度揉んでやったが凡庸な連中だったな、カシウス・ブライト相手では荷が思かっただろう」
カンパネルラ「でもさ、君の目的達成まで時間稼ぎ出来たから上出来じゃないかな……あれ、もしかして君っては剣聖との対決が愉しみだったとか?」
「フフ、少しな……だが野に放たれた虎も軍務という名の鎖に繋がれた。最早正攻法で我等を止める事は叶うまい……いや、一人不確定要素がいたか」
カンパネルラ「うん……?あぁ《彼》ね。でも仮に彼が介入したとして今更《計画》が止まるかい?」
「いや……止まるとは思えんが……唯、予想外の事が起きる気がしてな……」
カンパネルラ「あはは!それはそれで面白そうだね!………それで他のメンバーはもうリベールに来ているのかな?」
「あぁ、昨日集結したばかりだ。最も『ブルブラン』の奴は前から下見をしていた様だか………《痩せ狼》、《幻惑の鈴》、《怪盗紳士》、《殲滅天使》……揃いも揃ってクセのある奴ばかり集まったものだ」
カンパネルラ「アハハ、そう言う君だって相当クセが強いとおもうけどね………そう言えば『ヨシュア』、行方をくらましたんだって?」
「………」
カンパネルラ「うふふ、愉しみだなぁ…僕達《執行者》の中でも隠密行動ではピカ一だったからね。《剣帝》や《白面》相手にどこまで食らいつけるか……」
「………所詮何年も前に結社から抜けた人間だ。大した脅威になる筈が無い」
「いやいや、そんな事は無いと思うよ」
カンパネルラ達が話をしていると建物の扉が開き僧衣風の服を着た男性が近づいてきた
「やぁ、カンパネルラ。態々ご苦労だったねぇ…見事カシウス・ブライトを足止めしてくれて助かったよ」
カンパネルラ「うふふ、愉しい仕事だったよ。しかし教授の計画書を拝見させて貰ったけど……いやはや随分と愉しそうじゃないか」
「ハハハ、道化師たる君にそう言って貰えると光栄だよ。しかし、実際の計画はもっと君を愉しませる事ができると思うよ」
「何しろ、今回協力してくれる諸君は皆、個人的な目的を持っている。私も、そして『剣帝レオンハルト』………君もね」
レオンハルト「…………否定はしないさ。貴方の思わせぶりに仄めかせられる筋合いは無いがな」
「やれやれ、つれない事を」
教授と呼ばれた男は肩をすくめた
カンパネルラ「ふふ、成る程…色々と事情が有りそうだ。まぁ良いや、教授の悪趣味は最早芸術的とすら言えるからね。存分に愉しませてもらうよ」
「ふふふ、悪趣味とは人聞きが悪い……まぁ良い、心ゆくまで今回の計画『見届け』るがいい………我等の盟主の代理としてね」
「フフ、任せてよ」
そう言ってカンパネルラは一礼して宣言した………
「執行者No.0《道化師カンパネルラ》………これより使徒ワイスマンによる《福音計画》の見届けを開始する」
ー 同時刻 リベール国境 タイタス門 ー
「リィン・アイスフェルトとフローラ・クリスト……身元は確かの様だな、書類も不備が無いし……問題無かろう」
リィン「ふぅ……良かった」
タイタス門に詰めている帝国兵にリベール入国に関する書類及びパスポートを提出したリィン達は胸を撫で下ろした
「判っているとは思うがエレボニア帝国臣民として恥じない行動を取る様にな、リベールとは『百日戦役』の事もあるし、それでなくとも帝国を出ればお前達一人一人は帝国人としての振る舞いは帝国の印象を左右する。忘れるなよ」
帝国兵はパスポートや書類を返しながらそう言った
リィン「………承知してます」
「なら良い、良い旅を」
帝国兵はそう言ってリベール王国を守るハーケン門に通じるゲートを開けた
リィン「帝国人一人一人の振る舞いが帝国の印象を決める………か、道理ではあるけどな」
フローラ「既に帝国の恥を晒してる人が居ますからねえ…」
フローラも隣で一緒に歩きながら苦笑した
二人の脳裏におちゃらけた自称演奏家の姿を思い浮かべた
フローラ「今頃どうしてますかねぇ」
リィン「そうだなぁ……馬鹿をやってミュラーさんの胃にダメージ与えて、ミュラーさんにしばかれてるんじゃないのか?」
二人でそう言いながら歩いてるとリベール側の施設、ハーケン門から王国兵に呼び止められた
「はい、パスポートを見せて……帝国からの来訪ね。目的は?」
リィン「観光です。長期滞在になるかもしれませんが……」
「………うん、帝国側からの書類も問題無い見たいだし、長期滞在も問題無いよ。通って良いよ。ようこそリベール王国へ!」
王国兵はそう言ってハーケン門のゲートを開け、リィン達は再びリベールの地を踏んだ
フローラ「帰ってきましたね、リベールに」
リィン「一応、母国はエレボニア帝国だからその表現はどうかとは思うが……まぁ言いたいことは判る」
フローラ「どうしますか?ここからならボースにもロレントにも行けますし」
リィン「いや……流石に疲れたからボースで一泊したいな、剣も聖女に折られたし」
リィンは聖女と対峙した時の事を思い出していた
「あ、いたいた。お〜い!君達」
そんな事を考えているとハーケン門の王国兵がリィン達を呼び止めて来た
リィン「?……何ですか、何か書類に不備がありましたか?」
「いや、そっちじゃなくて君達に会いたいとうちのトップが言ってね。悪いんだけど司令部に来て欲しいんだ」
フローラ「トップというと……」
リィン「あの方だろうな、判りました。直ぐに伺います」
「助かるよ、司令部は君達から見て右手にある建物がソレだから、自分についてきてね」
王国兵はそう言ってリィン達を司令部のある建物に案内し中に入ると目的の部屋の前に止まりノックした
「……誰か?」
「閣下、ご命令通りに言われた方々をお連れしました」
「……入って貰え」
「は……ッ!では小官はこれで失礼するから。粗相の無いようにね」
王国兵はそう言って来た道を引き返していった
リィン「……入るか」
リィンがそう言って扉を開けると部屋の真ん中に机が置かれていて其処にはリベール軍の将官級の軍服を来た高齢の男性が座っていてその男性の横には年若い女性が二人立っていた
「……久しぶりだな、初めて会う者も居るようだから最初から自己紹介しておこう。儂の名はモルガン将軍。アリシア女王陛下の信任を受けこのハーケン門の司令を務めている」