閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

162 / 217
第49話

リィン「……お久しぶりです。モルガン閣下、クーデター事件以来でしょうか?」

 

モルガン「その位だな、その節はすっかり世話になったな。孫娘の件も含めて、な」

 

リィンはエルベ離宮突入の時に会った娘の事を思い出した

 

リィン「あぁ、エルベ離宮で人質になってた娘でしたね。元気にしてますか?」

 

モルガン「うむ、特にトラウマを抱えることも無く元気に遊んでおる。それもこれもお主や……業腹だが遊撃士の活躍のお陰である事を認めるのは吝かでは無いが」

 

モルガン将軍は苦虫を噛み潰したような顔で呟いた

 

リィン「まだ遊撃士がお嫌いですか?」

 

モルガン「ふん!別に嫌ってなどいない、ただ気に食わないだけだ」

 

モルガン将軍は腕を組んでそっぽを向いた

 

フローラ「リィン様、モルガン将軍とは何時お知り合いに?」

 

リィン「フローラ達が王城の地下に潜ってた時俺は地上で情報部を食い止めてただろう?あの時だ」

 

モルガン「お主が特務兵を蹴散らしてくれたお陰で奴等に無理矢理従っていた正規軍は従う理由も無くなったからな、説得は楽だったわい」

 

「将軍、お二人だけ話して不公平ですわ。私にも自己紹介させてくださいな」

 

それまでは黙って聞いていた二人の女性のうち、片方の女性が将軍に親しげに話しかけた

 

モルガン「む?それは済まない……リィン、お主なら薄々気付いているかも知れんが彼女はな…」

 

将軍がそう言うと女性は前に出てきて頭を下げて名乗った

 

「ボース市長を務めておりますメイベルと申しますわ。こっちは私に仕えてくれているメイドのリラです」

 

「……リラと申します。メイベルお嬢様のメイド兼秘書として仕えております」

 

リラと名乗ったメイドはカーテシーしてメイベルの後ろに下がった

 

リィン「これはご丁寧に、私はリィン・アイスフェルトと申します。私の隣にいる女性はフローラ・クリフトです」

 

メイベル「うふふ、楽になさって下さい。噂の『白髪鬼』殿に会えるとは光栄ですわ」

 

メイベル市長の発言にリィンは首を傾げた

 

リィン「白髪鬼……?何ですかそれは?」

 

モルガン「何じゃ?自分がなんて呼ばれてるのかお主知らんかったのか?主はあの場に居た兵士や特務兵共から装甲車を切り裂き、敵を蹴散らしたお主をその風貌とその武から『白髪鬼』の渾名が付けられたのだが………」

 

リィン「なんですかそれは!?全く知りませんでしたよ!?」

 

クローゼからもそんな事は聞いて無いのである

 

メイベル「因みに私はあの当時まだ所用でグランセル城に留まってまして、遠目でその獅子奮迅の強さを観ていましたわ」

 

リラ「………お嬢様は薙ぎ倒される特務兵を見て拍手喝采を送っておりました」

 

メイベル「だってあの特務兵と云うの傲慢な態度が腹が立ってたのよ!リラだって不愉快だって言ってたじゃない!」

 

リラ「……否定はしませんが」

 

主従のそんなじゃれ合いみたいな会話を横目にリィンは頭を抱えていた

 

リィン「あぁ、こんな事になるなら鬼気解放しなければ良かった……」

 

流石に二つ名は恥ずかしくリィンは顔が紅くなるのを感じた

 

メイベル「ところでリィンさん、ちょっとよろしいですか?」

 

リィンのそんな葛藤を知る由もないメイベル市長はリィンに尋ねた

 

リィン「……何でしょうか?」

 

メイベル「実はそちらのメイドの……フローラさんと申しましたか?をお借りしたいのです。彼女は大変素材が良いので是非ヘアピンや小物で着飾りをさせたいのですが」

 

フローラ「えっ……と?私はそう言うのは興味は……」

 

フローラは断わろうとしたがリラが近づいて耳打ちした

 

リラ「……着飾った姿をリィン様にお見せ出来るチャンスですよ?」

 

フローラ「偶には着飾るのも悪く無いですね!!」

 

あっさり前言を覆した

 

メイベル「フフフ、という事でモルガン将軍、別室をお借りします」

 

メイベル市長達はそう言って部屋を出て行った

 

モルガン「……やれやれメイベル嬢も相変わらずだな」

 

リィン「……付き合いが長いんですね?」

 

モルガン「メイベル嬢の亡きお父上からの付き合いだ。メイベル嬢の小さい頃からよく知っている……さて、折角メイベルが気を利かせてくれたからお主に尋ねたい事がある」

 

リィン「……伺いましょう」

 

モルガン「はっきり言おうリィン・アイスフェルト、お主……クローディア殿下と『そう言う仲』なのだな?」

 

モルガン将軍の目は嘘は許さないと語っていた

 

リィン「……えぇ、そうです。俺とクローゼは互いに好意を伝えています」

 

リィンははっきりと答えた

 

モルガン「………………」

 

モルガン将軍はその言葉を聞いて腕を組んで椅子に凭れかかった

 

リィン「将軍?」

 

モルガン「…………儂は十年前の『百日戦役』で多くの部下が帝国兵に殺された」

 

リィン「……」

 

モルガン「………だが、同じ数だけ儂等も彼等を殺した。今は憎しみを抱いていないとは嘘でも言えない。だが……何処かで憎しみを断ち切らねば同じ事が繰り返す事になる。お主とクローディア殿下の恋は両国の憎しみの氷を融かす良い機会かも知れん」

 

リィン「モルガン将軍…………」

 

モルガン「儂の勝手な願いだが、どうか殿下と上手くやってくれないか?」

 

リィン「……」

 

リィンは只静かに頷いた

 

その後モルガン将軍の部屋を辞してフローラを迎えにいったらメイベル市長や、リラ嬢に髪飾りやヘアバンドを勧められ困っているフローラを救出し、ついでにメイベル市長達の護衛も引き受けボースに向かった。

 

ー ボース市 ー

 

メイベル「護衛、ありがとう御座いました。でも本当に報酬は要らないのですか?」

 

リィン「構いませんよ。俺達は遊撃士では無いので報酬は……」

 

メイベル「むぅ……判りました。では困った時になったら力をお貸ししますわ」

 

リィン「そんな事態が来ない事を祈りますが……好意は有り難く受け取ります」

 

リラ「お嬢様、そろそろお屋敷にお戻りなねならないと溜まった書類が積み上がりますよ?」

 

メイベル「ゔ……ッ、はぁ……仕方ないですね。ではリィンさん、また何処かで

 

メイベル市長はリラを連れて市長邸に戻って行った

 

リィン「……俺達も行くか…」

 

その後リィン達は以前泊まったホテルにチェックインした

 

リィン「やれやれ、疲れたな」

 

リィンはベッドか座るとフローラが話しかけてきた

 

フローラ「リィン様、実は紹介したい者がおりまして、呼んでも構いませんか?」

 

リィン「ん?構わないが……一体誰だ?」

 

フローラ「すぐにわかります。入って来なさい」

 

フローラが声をかけると部屋の扉が開き二人の男女が入って来た。女性はフローラよりも年下に見え赤い髪に碧い瞳がよく似合う。男性は逆にフローラよりも年上で白髪が混じった黒髪で顎髭が立派な所謂ダンディな人っぽい

 

フローラ「この二人は今日を持ってリィン様にお仕えする事になりました。さぁ自己紹介しなさい」

 

フローラに促され先ずは女性から始めた

 

「初めまして、リィン様。私はアリーゼと申します。以前の名は《アークルージュ》と呼ばれていました」

 

リィン「ん?」

 

リィンが質問しようとしたが次の壮年の男性が名乗った。

 

「お初にお目にかかります。今日からリィン様にお仕えするディートリヒと申します。以前の名は《ロストゼウム》と呼ばれていました」

 

 

 

リィン「…………はい?焔の至宝と大地の至宝…………?」

 

「「はい、甞てはそう呼ばれてました。宜しくお願いします!」」

 

 

リィン「………………マジかぁ…………」

 

リィンは遠い目をした…………

 

 

 

 




ロゼ「アバババ…………!?」

エマ「おばあちゃんが壊れたー!?」

イシュメルガ「アバババ………………!?」

オズボーン「ふ……愉快だな」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。