閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第52話

ケビン「悪いなぁリィン君、突然つきおうてもろうて」

 

リィン「いえ…………で、ご用件は?」

 

リィン達はマノリア村の灯台の近くの分岐点まで移動し対峙した。

 

ケビン「まぁ落ち着きいゃ……リィン君は俺が巡回神父なのは当然知っとるよな?っで俺も偶然(…………)居合わせてたんやわぁ…………あのクーデター事件のグランセルに」

 

リィン「…………」

 

ケビン「そして見たんよ、黒髪の筈の君が白髪、紅い瞳に変化して装甲車を切り裂く姿を」

 

ケビンはリィンの方に向き直った。その顔は何の感情も抱いてない能面だった。

 

ケビン「俺の職業柄、君は何らかの悪魔かそれに類するモノに憑かれたか、或いは何らかの薬物投与によるモノと判断したんだわ。そして極めつけはその太刀………」

 

ケビンはゆっくりとリィンが佩いている太刀を指差した。

 

ケビン「ソレ、古代遺物(アーティファクト)やろ?ソレから尋常じゃない気配がぷんぷん感じるんや、今の人間にそんな物造れる筈は無い、明らかに人知を超えた存在が創り出した物や」

 

ケビンは一歩、また一歩とリィンに近づいた。

 

「俺は七耀教会の神父や、アーティファクトの回収は義務っちゅうもんや、だからな」

 

ケビン神父はリィンから三歩手前で止まると右手を出してきた。

 

ケビン「その太刀をこっちに渡して貰おうか?君が手に負える代物やないんや」

 

リィン「……」

 

リィンはその問いに答えようと口を開く前にフローラがリィンを守る様にケビンの前に立ち塞がりケビンを睨んだ。

 

フローラ「随分好き勝手言ってくれますね…………悪魔憑き?アーティファクトだから寄越せ?理不尽にも程があります。それが教会のやり方ですか!?」

 

フローラは沸々と怒っており、今にもケビンを撃ち殺さんばかりだ。そんなフローラの様子にもケビンは気圧されないで言い放つ

 

ケビン「言うた筈や、教会はアーティファクトを回収する義務があると…………悪人に渡るとどんな災厄を招くか判らんからこそ何が何でも回収せなあかんのやお嬢さん。勿論変わりの太刀もコチラで用意するで、こっちの都合で回収するんやからな」

 

フローラ「何も知らない癖に…………!これはリィン様の為に創られた世界でたった一本しか無い太刀、どんな名工だろうがリィン様にはこれ以外は無いのよ!」

 

ケビンは怪訝な顔になった

 

ケビン「創った?そのアーティファクトを…………?それが事実なら君たちを拘束せなあかんなぁ…………」

 

ケビンはクロスボウを取り出し、リィン達に矢を向けた。

 

ケビン「悪いけど、君たちを拘束して法国に連行するわ、アーティファクトを創れる人間を野放しには出来へんからな」

 

フローラ「傲慢な……!私がいる限りその矢がリィン様に届くと思うなよ!」

 

フローラも棍を構え一触即発の状態だ。

 

ケビン「眠ってて貰うで、せいこ……アダッ!?」

 

ケビンが仕掛けようとした時彼の後頭部をどついた人物がいた。

 

「何をやっている。グラハム卿」

 

ケビン「アタタタ…………一体誰や、俺の頭どついたの……って!アイン総長!?なんでここに!?」

 

アインと呼ばれた女性は胸の前で腕を組んで言った。

 

アイン「それはこちらの台詞だ。一般人相手に何をやっている?」

 

ケビン「一般人って……彼等悪魔憑きでアーティファクトも所有してるやけど……」

 

ケビンはリィンの方を見た。アインもリィンを見て言った。

 

アイン「彼は悪魔憑きでは無いぞ?」

 

ケビン「…………へ?」

 

アイン「確かに似たような気配だが制御されてるし、何より邪気が無い。将来も危険もないだろう」

 

アインはケビンの見解をばっさりと切って捨てた。

 

ケビン「で、でも彼はアーティファクトを持って…………!」

 

アイン「ソレだかな、アレはどうもそんな生優しいもんじゃないみたいだぞ」

 

ケビン「…………はい?」

 

アイン「信じられんかも知れんがな、あの太刀からはかなり神性な力を感じる。まるで教会に伝わる七つの至宝の……」

 

ケビン「ちょ、ちょい待ってくれへんか!?それが事実なら…………」

 

『とんでもない事になりますね』

 

突然別の女の声が聞こえてきた。それに全員が驚くと、空中に少女が現れ浮かんでいた。

 

アイン「御足労感謝します」

 

アインはその少女に頭を下げた

 

『いいえ……アイン総長もご苦労様です。さて……グラハム卿?』

 

ケビン「は、ハイ!!」

 

『仕事熱心なのは結構です。が、今回ばかりは勇み足が過ぎましたね』

 

ケビン「お恥ずかしい限りで……」

 

ケビンもバツが悪く、頭を下げた。

 

『以後気を付けて下さい。さて……今回我々教会が迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。どうか矛を収めて頂け無いでしょうか?』

 

件の少女はそう言って頭を下げた。その対応を見てフローラはリィンに一瞥してリィンも頷いて棍をしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ありがとうございます。名乗るのが遅れました。私の名はニナ・フェンリィと申します。お見知り置きを』

 

 

 




アルマ「どうです?教会とは距離を置いて私と仲良くなりませんか?」

ニナ「犯罪組織の戯言は信じちゃ駄目です。私達と共に…!」

フローラ「…………」

リィン「何だかなぁ…………」
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