閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第54話

「「…………幽霊?」」

 

エステルから聞いたその言葉にリィンとフローラは胡乱げな声を揃えた。

 

エステル「あ、二人共信じていないわね?本当に依頼されたんだから、ほらこれ」

 

エステルは遊撃士に支給されている手帳を見せた。そこには確かに『幽霊の目撃情報について』と書かれていた。

 

フローラ「……確かに正式な依頼みたいですが……シェラザード、何時から遊撃士協会は幽霊退治を請け負う様になったのよ?」

 

シェラザード「アンタが言わんとする事はアタシだって解かるわよ、でも実際目撃者もいるからね」

 

シェラザードは肩を竦めた

 

リィン「そうみたいですね。《エア=レッテン》に詰めている兵士に、レイヴンのメンバー、それに……マーシア孤児院の子達か」

 

エステル「うん、他に目撃者がいたけど具体的なのはその三件かな?だから他の依頼のついでにこうして回ってるの」 

 

シェラザード「因みにレイヴンのメンバーはもう証言を聞いたわ。で次はマーシア孤児院の子達に聞きに来たんだけど……神父様が居ないと授業終われないからと探しに来た訳よ」

 

リィン「……ケビン神父?まさか日曜学校の授業を後回しにしてまで……」

 

リィンはジト目でケビンを見た。

 

ケビン「誤解や!ただうっかりしてて……」

 

リィン「余計にたちが悪いです!!」

 

エステル「??」

 

シェラザード「こらこら喧嘩しなさんな……ってあら?リィン、アンタ太刀手に入れたんだ?」

 

シェラザードは目ざとくリィンの腰に佩いた太刀を見つけて呟いた。

 

エステル「あ、本当だ。へぇ〜良い太刀だね」

 

エステルもジロジロとリィンの太刀を見つめていた

 

リィン「あぁ、良い出会いがあってね」

 

エステル「ふぅん……あ、マノリア村に戻ろうよ?子供達も待ってるし」

 

シェラザード「そうね、詳しい話は後にしましょ、私達も仕事あるし」

 

リィン「シェラさん俺達もついて行っていいですか?」

 

シェラザード「えぇ勿論よ、じゃあ行きましょう」

 

そう言って全員でマノリア村に戻って来た。そこに孤児院の子達が出迎えた

 

クラム「あ、やっと帰ってきた!神父様急に飛び出してどうし……って!リィン兄ちゃん!?」

 

マリィ「フローラさんまで……何時こっちに?」

 

リィン「久しぶりだね。皆」

 

フローラ「つい先程ルーアンに着いたばかりです。皆さん元気にしてましたか?」

 

ダニエル「うん、元気だよ〜」

 

ポーリィ「一緒に遊ぶの〜!」

 

リィン達は子供達に囲まれながらも再会を喜びあった

 

エステル「う〜ん、何気にリィンも子供に好かれるのよねぇ」

 

シェラザード「フローラも面倒見が良いからね。ロレントでも子供はフローラの言う事良く聞いてたわねぇ」

 

ケビン「ハハ……オレ自信無くしそう」

 

エステル「しっかし本当にそんな格好で神父やってたのねぇケビンさん」

 

ケビン「どーいう意味やねん……それじゃあ皆中断させて悪いけど今日の授業はここで終いや、道具片付けて孤児院に戻ろか?」

 

「「「「は~い!」」」」

 

 

 

 

テレサ院長「そうでしたか……エステルさんと神父様とお知り合いだったとは……フフ世間は狭いですね。リィンさん達もお久しぶりですね。学園祭以来でしたかお変わり無いようで安心しました」

 

子供達を連れて孤児院に向かった一行はテレサ院長の御厚意でお昼を頂く事になった。

 

リィン「俺もテレサ院長こそお変わり無いようで安心しました。孤児院も無事再建出来て良かった」

 

テレサ院長「えぇ、これも支援して下さった皆様のお陰で子供達も穏やかに過ごせてますよ」

 

テレサ院長はそう言って穏やかに微笑んだ

 

ケビン「いやぁ、しかし俺までお昼をご馳走になってしもうて済みません」

 

テレサ院長「いえいえ、ついでですし子供達の勉強を教えて頂いてるお礼ですわ」

 

クラム「なーエステル姉ちゃん、ヨシュア兄ちゃんは今日は一緒じゃないのかよ?」

 

エステル「あ…うん、ちょっと用事があって一緒に来れなかったのよ」

 

ケビン「………」

 

リィン「………」

 

フローラ「……」

 

ダニエル「そうなんだ〜」

 

クラム「ちぇ、ヨシュア兄ちゃんにも元通りになった孤児院を見てもらいたかったのにな〜」

 

エステル「うんヨシュアと合流したら孤児院の事話しておくね。それでね、私達が来たのは遊撃士のお仕事なんだけど……」

 

テレサ院長「ポーリィが見たという《白いオジちゃん》の話ですね?」

 

クラム「あーその話かぁ」

 

ポーリィ「んー?ポーリィがどうかしたの?」

 

エステル「えっとね、ポーリィちゃんに聞きたい事があるんだけど…」

 

エステルはポーリィちゃんに当時の事を聞こうとするが幼いせいか説明に要領をえない。エステルも困り顔だ。…

 

エステル「うーん、こまったわね…」

 

マリィ「あ、それなら私が代わりに説明しますね。アレは四日前だったかな?夕食の後この子外に出てぼーっとしてたんです。そしたら『白い男の人』が空に浮かんでいるのを見たらしくて」

 

ポーリィ「そうなのー!お空にくるくる回ってたのしそうだったのー!」

 

マリィ「で、この子が話しかけたらお辞儀をして去って行った……という話ですね」

 

クラム「何度聞いても全然幽霊らしくねぇじゃん、ぜってぇ寝ぼけてただけだろ」

 

テレサ院長「私も最初はそう思っていたのですがダニエルも見たらしくて…ね、ダニエル」

 

ダニエル「うん、僕はちらっとだけど白い影がぴゅんと東の方に飛び去っていったんだ」

 

フローラ「東……?」

 

シェラザード「目撃者が2人なら信憑性がたかいわね。それにしても訳がわからない幽霊ね?ねぇ。そのオジちゃんはどんな顔してたの?」

 

ポーリィ「んー?お顔は知らないの、変なマスクつけてたから」

 

エステル「へ?ま、マスク?」

 

シェラザードた「随分奇天烈な幽霊ねぇ」

 

テレサ院長「二人共こう言ってるので夢を見た訳では無さそうなので一応念の為遊撃士協会にお知らせした次第です。一応念の為注意してましたがアレ以来現れる事はありませんでした」

 

シェラザード「状況は判りました。色々お話頂きありがとうございます。では,私達はこれで失礼します」

 

そう言ってシェラザードは席を立った。

 

テレサ院長「あら?もう行かれるのですか?」

 

シェラザード「えぇ、ほかの目撃者の話も聞きたいですし…」

 

テレサ院長「そうですか……リィンさん達はどうしますか?」

 

リィン「俺達も暇しようと思います。機会があればまた寄らせて貰ってもいいですか?」

 

テレサ院長「えぇ、何時でも歓迎しますよ。今度はクローゼと一緒にね」

 

そう言って一行は孤児院を出て行った。

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