閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第56話

依頼を終え、ギルドに報告をいれた後リィン達はアイナ街道を抜け《エア=レッテン》に辿り着いた。

 

エステル「ここに来るのも久しぶりね〜」

 

リィン「前来た時はダルモア前市長逮捕した後だったからな、あの時からは想像していなかったが」

 

シェラザード「はいはい、懐かしむのはその位にして、私達は遊びに来たんじゃなく仕事に来たんだからね。まずは関所の隊長さんに話を聞くわよ」

 

エステル「ん、解った…それにしてもこんな綺麗なところで『アレ』が出るなんて……」

 

フローラ「エステルさん、いい加減に現実を認めましょう。幽霊だって素直に……」

 

エステル「敢えて気にしない様にしてたんです!ほら、シェラ姉行こう!」

 

シェラザード「アンタ、本当に怖がりの癖に怪談話聞きたがるわよねぇ」

 

シェラザードはエステルの怖がりに呆れた

 

フローラ「フフ、なら今度とっておきの話を聞かせましょうか?」

 

エステル「ぇ゙……」

 

シェラザード「あら?どんな話?」

 

フローラ「そうね……例えば『夜な夜な少しづつ髪が伸びていく人形』とか……」

 

エステル「うわぁ〜ん、リィンフローラさんとシェラ姉がが苛める〜!」

 

エステルはリィンの背中に隠れてしまった。

 

リィン「はいはい……二人共エステルをからかうのはその位にして中に入りましょう」

 

フローラ「クスクス……済みませんリィン様、エステルさんの反応が余りに可愛いからつい……」

 

シェラザード「そうよねぇ、一々反応が面白いのよねぇ」

 

フローラとシェラザードは互いに笑いながら言った。

 

リィン「全く……確かにエステルは揶揄うと面白いですけどね」

 

エステル「リィン、それフォローになって無いわよう……」

 

エステルの泣き言に更に笑いが出てその後エア=レッテンの中に入り詰めている隊長に事情を話した。

 

「あぁギルドにもその話が出たのか……それは恥ずかしいな」

 

隊長のその一言にエステルは首を傾げた

 

エステル「恥ずかしい……?」

 

隊長は軍帽を被り直しエステル達に向き直った

 

「そうだろう?大方寝ぼけていてそんな物を見たような気がするだけだろうよ。それで無くとも兵士がパニックになった姿を民間人に見たら余計に不安を掻き立てるからな、アイツには少し喝を入れんとな」

 

シェラザード「言わんとする事は理解出来るけど今回は隊長さんの早とちりよ」

 

「何……?」

 

リィン「実は……」

 

ルーアン中に目撃者が居る事を説明した。

 

「成る程……確かに私の早とちりだった様だな、アイツには悪い事したな」

 

フローラ「それで……その目撃した方はは今どちらに?」

 

「今の時間なら隧道の入り口に立哨している筈だよ。後は彼に直接聞くと良い、私が許可したと伝えれば答えてくれる」

 

エステル「ん、解ったわ」

 

それで隧道の入り口がある屋上に登って隧道に立哨している兵士に話を聞くと……

 

「それじゃあアレは夢じゃなかったんだ?」

 

シェラザード「えぇ、隊長さんも怒鳴って悪かったって言ってたわよ」

 

「そっかぁ……でもそうなるとアレはリアルだって事か……余計に怖くなってきた」

 

兵士は安堵したかと思うと顔を青褪めた。

 

エステル「うん……気持ちは解かるかも……そ、それは兎も角その時の事を教えてくれない?出来るだけ詳しく、具体的に」

 

「あぁ、判った。……三日前の真夜中の事だった。俺は何時もの様にここに歩哨として立っていたんだ。ここって滝の音凄いだろ?でもそのリズムに慣れちゃうと却って眠くなっちゃうんだ。丁度メシを食って交替したばかりだから余計に眠気がね……っで眠気を払う為にこの場所を行ったり来たりして歩哨していたんだ。その時さ……俺が『アレ』を見たのは……」

 

エステル「そ、そっか……それでそれってどういう『アレ』だったの?」

 

「……白くてぼんやりしてて、古めかしい服をきていたよ。それが滝の真上でくるくる踊っててさ、俺もうゾッとしちゃって思わずライフルを構えてさ」

 

それを聞いた一同は驚いた

 

エステル「ゆうれ……じゃなくて『ソレ』を撃ったの!?」

 

リィン「それで……どうなりましたか?」

 

「あ、あぁ……威嚇射撃のつもりだったんだけど当てちゃってさ。だけど当たった様子もなくてそのままボンヤリ浮かんでいて……いきなり北の方へ飛び去って行ったんだ」

 

エステル「あうあう……」

 

シェラザード「あらら…これは本物かしらね」

 

フローラ「……」

 

リィン「……」

 

「その後、慌てて中に戻って隊長達を起こしたんだけど……『立哨中に寝ぼけるとは何事か!』とか『しかも独断で発砲までしたのか!?』と大目玉を食らっちゃってさ。……はぁ、散々だったよ」

 

エステル「ご、ご愁傷さまです。まぁ夢でも見たと思って忘れるのが言いと思うわ、うんうん」

 

「そんな風に言われても、もう頭にこびりついて忘れられないよ。……何が理由で彷徨っているかは知らないけど何とかしてやってくれ。遊撃士なら幽霊の悩みも解決出来るんじゃないのかい?」

 

エステル「さ、流石に神父様の真似事はちょっと……でも確かに出てくる理由はあるのかも。何とか頑張って調べてみるわ」

 

「あぁ、よろしく頼んだぜ」

 

エステル達は兵士から充分距離を取った事を確認して話し合った

 

エステル「これで全部かな?」

 

シェラザード「えぇ目撃証言は充分集まったし、一旦ギルドに戻ってジャンに報告にルーアンに戻りましょう」

 

エステルとシェラザードは先に歩き始めリィンとフローラは少し遅れて歩いた。

 

リィン「……亡霊か、なら俺はどういう存在なんだろうな?」

 

フローラ「リィン様?何か…?」

 

フローラはリィンの呟きを聞こえなくて聞き返した

 

リィン「いや……何でも無い」

 

そう言ってリィンも階段を降りた時、聞き覚えのある声が聞こえた

 

「あら、お兄さん?」

 

声のする方に目を向けるとスミレ色の髪の少女が近づいてきた。

 

リィン「レン……!」

 

 

レン「うふふ、お兄さんお久しぶりね。また会えてレン、嬉しいわ」

 

 

 

 

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