閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第59話

オリビエ「無視するなんて酷いじゃないかい?久しぶりに会った相手にこの仕打ちとは……僕の繊細なハートが傷ついってしまったよ」

 

オリビエの独奏の後それぞれの候補者はこの変態を見なかった事にして互いの支持者を纏めて、引き上げリィン達もそれに習い見なかった事にしてギルドに引き上げたのだが追いついてドアを開けたオリビエの第一声がそれだった……

 

エステル「何が繊細なハートよ……アンタのはゼムリア鉱並みの硬さでしょうが、てか大体どうしてアンタがルーアンにいるわけ?」

 

シェラザード「確かエルモの温泉に逗留してる筈だったわよね?」

 

オリビエ「ふ……実はミュラーから逗留先の《紅葉亭》に連絡が入ってね。エステル君が戻って来た事をわざわざ知らせてくれたのだよ。これは挨拶せねばと思って飛んできたわけさ」

 

リィン「はぁ……ミュラーさんも事の仔細を聞いたら後悔するなこりゃ」

 

フローラ「今度会ったらお酒でも贈りますか」

 

リィン達もこの自由奔放な道楽人に付き合わされるミュラーに心底同情した。

 

オリビエ「おぉ、リィン君もフローラ君も久しぶりだねぇ……帝国に帰っているとカシウス殿から聞いていたけど…向こうは変わりはないかい?」

 

リィン「……えぇ、変わりはありませんよ。今のところは」

 

オリビエ「そうか、相変わらずか我が祖国は……それはともかくリィン君も少し変わったねぇ?」

 

リィン「変わった?俺がですか?」

 

オリビエ「あぁ、変わったと言っても外見的な話ではないよ。君とフローラ君の距離がね、より親密になったんじゃないかい?」

 

フローラ「ッ!?」

 

オリビエ「おや?やっぱりそうなのかい、うんうんノルドでの広大な地はやはり人は開放的な気持ちになるんだろうねぇ」

 

フローラ「なっ、なななな!?」

 

リィン「というか何故俺達がノルドに行った事を知っているんですか………?随分良い『耳』をしていますね」

 

リィンはジロリとオリビエを睨んだ

 

オリビエ「ハッハッハッ!これでも腐っても貴族だからね。各方面に『知り合い』がいるからね」

 

オリビエは肩を竦めて笑った。

 

リィン「へぇ~……知り合い、ですか」

 

ギルドの空気が少し重くなりかけた時、シェラザードがオリビエの頭を叩く

 

オリビエ「あ痛ぁ!?」

 

シェラザード「アンタ、そこまでにしときなさい。子供をからかうのは悪趣味にも程があるわよ」

 

オリビエ「いやいやシェラ君、これはスキンシップであって……」

 

シェラザード「あら、なんか言ったかしら?」

 

オリビエ「いや、だから……」

 

シェラザード「な・ん・か・言・っ・た?」

 

オリビエ「……ごめんなさい」

 

シェラザードの圧力にオリビエは屈した。

 

シェラザード「ったく」

 

エステル「……まぁ、ジャンさん。こういう奴だけど悪人ではないから安心して、これでもクーデター未遂事件で活躍してくれたから実力は確かよ」

 

ジャン「……なんというか。強烈なキャラクターだねぇ……まぁそれなら一緒に話しを聞いてもらっても構わないのかな?」

 

シェラザード「まぁ良いんじゃない?どうせ断っても素直に諦めて帰るタマじゃないし」

 

オリビエ「ハッハッハッ!流石シェラ君、僕の事はよくご存じのようだね」

 

シェラザード「プロフィールは兎も角、性格なら大体ならね」

 

ナイアル「どうでもいいが、さっさと話を聞かせてくれ。こちとら市長選のネタをあつめなきゃいけねぇからよ」

 

エステル「はいはい、解ってるわよ。じゃあこれまで集めた目撃証言なんだけど……」

 

エステルは各地の目撃情報に加えてケビン神父の見解も説明した。

 

ジャン「成る程、かなりの情報が集めたね。少なくとも手がかりを探すのには充分な量だよ」

 

エステル「う〜ん、そうかな〜?」

 

ナイアル「まぁ、少なくともさっきまで騒いでいた市長選の相手陣営に嫌がらせをしたって線は消えたわな。候補者の息子は兎も角、孤児院の子供や関所の兵士を脅かして意味があるとは思えんしな」

 

シェラザード「実際『亡霊』は空を飛んでいるわ、一般人が簡単に出来るトリックとは思えないし……」

 

フローラ「……」

 

リィン「どうした?何か気になる事でもあるか?」

 

フローラ「えぇ、少し……ドロシーさんさっきの写真ですが『亡霊』はどの方角に去ったのか解りますか?」

 

ドロシー「え?う〜ん……私が泊まってた部屋から撮った写真の位置からだと……ルーアン市の北東のだと思うなぁ〜?」

 

フローラ「ありがとうございます。ジャンさん、地図を出して頂けませんか?」

 

ジャン「判った……これで良いかい?」

 

ジャンはルーアン地方の地図を広げた。

 

フローラ「まず目撃情報は三か所、ルーアン南街区にマーシア孤児院、そしてエア=レッテンの関所です」

 

フローラは地図の目撃地点を丸で囲む

 

エステル「そうね……でもそれが何か?」

 

フローラ「それぞれの目撃証言には異なる部分があります。エステルさん、目撃者の証言を思い出して下さい」

 

エステル「それぞれの証言に異なる部分……?っあ!?飛び去った方角!?」

 

フローラは頷いた。

 

フローラ「はい、南街区の目撃者の証言は『北東』、マーシア孤児院の子供の証言は『東』、そしてエア=レッテンの兵士の証言は『北』……そしてそれぞれの飛び去った方角を線で結ぶと……」

 

 

線を書き込んだ地図には一つの場所に集まった。そこは……

 

 

 

 

 

 

 

 

『ジェニス王立学園』

 

 

 

 

 

 

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