件の『亡霊』がジェニス王立学園近辺から来た事が判明しエステル達は早速学園に向かう事にしたのだが……
エステル「で、毎度の事だからツッコむのもアレだけど……やっぱりアンタも当然の様について来るのね?」
自然に一行に加わろうとするオリビエにエステルはジト目を浮かべた。
オリビエ「ハッハッハッ!やだなぁエステル君、鳥が空を飛び魚が水の中を泳ぐ位に当たり前だよ。なんの為に僕がエルモの温泉を捨てて来たと思っているんだい?」
リィン「面白そうだから?」
フローラ「碌な事にならないでしょうし、寧ろこのまま縛りあげて帝都行の便に貨物輸送しましょう」
オリビエ「……フローラ君、君やけに僕に辛辣だよね?何か不快にさせたっけ?」
フローラ「ほう……心当たりがないと?さっきは自分がなんて言ったのか忘れたようですね?なら思い出させますよ。コレで」
フローラはゆっくりと自分の棍を取り出した
オリビエ「……ゴメンサナイ、僕が悪かったですからその棍は仕舞って下さい」
オリビエは冷や汗を流してフローラに頭を下げた。
フローラ「……ふん」
フローラは鼻を鳴らして棍をしまった。
エステル「う〜ん、どうするシェラ姉?仲間に入れてもいいかな?」
シェラザード「ふむ、手伝ってくれるのは正直有り難いけど……一つだけ聞かせてくれる?貴方が今もリベールにいるのをカシウス先生はご存じなのかしら?」
エステル「え……?」
リィン「……」
フローラ「……」
オリビエ「…………やれやれ、流石はシェラ君。実に的確な質問だね。答えは『イエス』だ。カシウスさんもご存じだよ。これで納得してもらえるかな?」
エステル「???」
シェラザード「フフ、いいでしょう。手伝ってもらうからにはこちらも遠慮はしないわよ。手を抜いたら『朝まで付き合って』もらうわよ。フローラと一緒にね」
オリビエ「誠心誠意頑張らせてもらいます」
フローラ「ちょっとシェラザード、勝手に決めないで頂戴……」
シェラザード「まぁまぁ良いじゃない。別に減るものでもないし、アンタもここ最近はご無沙汰なんじゃない?」
フローラ「言い方!……まぁ確かに偶には良いかもね」
フローラはチラリとオリビエを見て呟いた。
オリビエ「……ガクガクブルブル……」
それを聞いたオリビエは真っ青な顔で震えていた。
ドロシー「はわわわ〜、何だかとっても大人な香りがします〜」
リィン(やれやれ……)
エステル(流石シェラ姉……オリビエの扱いが慣れてるわね)
エステル「っでドロシーも私達に同行するのよね?」
ドロシー「うん、ナイアル先輩から幽霊事件の真相をエステルちゃん達と同行してカメラに収めろって〜と言う訳で宜しくね~」
エステル「はぁ〜、それでリィン達もついて来るのね……まぁ当たり前か」
リィン「まぁね。勿論幽霊事件の調査も手伝うけど」
エステル「判った、じゃあ皆でジェニス王立学園に行くわよ」
そうしてエステル達は王立学園に向かった……
《ジェニス王立学園》
オリビエ「ほう……ここが王立学園か。ほころぶ直前の蕾たちが青春の汗と涙を流す学び舎……フフ……実に素晴らしいじゃないか」
ドロシー「さぞかし撮りがいのある被写体が揃ってそうですね~この機会に撮りまくらないと〜」
リィン「あのですね……ここに来た目的を忘れてないですよね?」
学園に到着して早々そんな事をのたまう二人にリィンは呆れた声で言った。
エステル「でもなんだか懐かしいな、この学園で過ごしたのはたった一週間だけだったけど……」
リィン「……そうだね。とても長く、充実した一週間だった」
シェラザード「フフ……それだけ濃い時間を仲間と過ごしたってことね。例の劇はここでしたんでしょう?」
ドロシー「あ!それナイアル先輩から聞きましたよ〜。エステルちゃんが騎士役でヨシュア君がお姫様役だって~?あ〜あ、写真を撮りたかったな〜」
オリビエ「なに……それは本当かい!?おお、何たる事だ!ヨシュア君の艶姿を見逃すとは!なんとしても彼を見つけてもう一度着てもらわねば!」
フローラ「……この変態をどうにかしないとヨシュアさんが危なくないですか?」
リィン「同感」
エステル「はぁ〜感傷に浸ってるのが馬鹿馬鹿しくなるわね。そういえば今の期間は試験だってテレサ先生が言ってたけど……まだ終わってないのかしら?」
フローラ「時期的にはそろそろ終わりの筈ですが……」
《ピューイ!」
すると突然ハヤブサの鳴き声が聞こえた。
リィン「この鳴き声は……」
エステル「ジーク!?」
すると校舎の方から白ハヤブサの『ジーク』が飛んできてリィンの腕に泊まった。
「ピュイピュイピュイ♫」
エステル「あはは、何を言ってるか判らないけど歓迎してくれているのね。久しぶり、元気にしてた?」
「ピューイ!」
ジークは元気だと言わんばかりに鳴いてリィンの方に向いた
リィン「ハハ…久しぶりだな、干し肉食べるか?」
「ピュイ♪」
リィンが鞄から干し肉を出すとジークは喜んで食べる。そして飛び上がるとリィン達の上を旋回した。
「リィン……エステルさん……」
すると懐かしい声が聞こえ声のする方へ向くと…
エステル「クローゼ……」
そこにクローゼの他に生徒会の会長のジルとハンスもいた。
エステル「あはは、生誕祭以来ね」
クローゼ「えぇ……そうですね……あの、私!」
クローゼはそう言ってエステルに向かって駆け出し抱き締めた!
エステル「わわ、どうしたのクローゼ?」
クローゼ「ごめんなさい、私……エステルさん達か大変な時に何も出来なくて……自分の無力さがイヤになります……」
エステル「やだな…そんな事ないから、そう思ってくれるだけでも私は嬉しいから……多分ヨシュアもきっと同じ想いだから……兎に角また会えて嬉しいわ」
クローゼ「はい……私も同じです……こうして再会出来た事を女神(エイドス)に感謝したいです。それと……リィン」
クローゼはエステルから離れてリィンに向き直った。
クローゼ「久しぶりね。その、怪我とかは無かった?風邪とか病気も……」
リィン「うん、久しぶり……この通り何も問題無いさ」
クローゼ「そう……良かった。あら?その太刀……もしかして……」
リィン「あぁ、俺の新しい相棒だ」
リィンはリヒトをクローゼに見せた。
ジル「お〜い、感動の再会してるとこ悪いけど話進まないからそこまでね。久しぶりねリィン、エステル。お互いに話したことが山程あるだろうけど、遊撃士の仕事でしょう?学園長のとこに案内するわ」