閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第61話

コリンズ学園長「久しぶりだね。エステル君、リィン君、それにフローラ君も……元気そうで何よりだね。そしてそれ以外の方は始めまして、当学園の学園長を務めるコリンズと申します」

 

エステル「お久しぶりです。学院長、今日は遊撃士としてとある事件の調査にこちらに伺いました」

 

コリンズ学園長「ふむ……事件とは?それが当学園に関係してくると……?」

 

シェラザード「はい、ですがそれが学園の誰かが犯人であるとは申しません。あくまでも何か手がかりを求めてるだけです」

 

コリンズ学園長「ふむ……?一先ずどういう事件なのか説明して頂けないだろうか?」

 

エステル「判りました」

 

エステルは幽霊事件の目撃証言やその過程で浮かび上がった『亡霊』が飛び去っていく方角がここ王立学園だった事を語った。

 

コリンズ学園長「成る程、あのルーアン地方を騒がしている『白い影』がこの学園から来ていると……?」

 

エステル「はい、そうみたいなんです」

 

シェラザード「そこでギルドとしては学園内を調査したいのですが……生徒への聞き込みを含めて許可して頂けないでしょうか?」

 

コリンズ学園長「そういう事情ならこちらからお願いしたい。その『白い影』の正体がどういう物かは解らないが、選挙にまで影響が出るとなれば放ってはおけないだろう」

 

エステル「ホッ……ありがとうございます。それで……学園内で『白い影』を見たとかそういう噂とかは流れてないでしょうか?」

 

コリンズ学園長「いや……私の所にはそういう報告は上がってないな。生徒会の方ではどうかね?」

 

コリンズ学園長は脇で待機していた生徒会長のジルに聞いた。

 

ジル「えぇ、こっちもその手の話は聞かないですねぇ。でもまぁ何分試験期間中でもありましたから、皆相談する余裕は無かったと思います」

 

コリンズ学園長「成る程……あり得るのう……」

 

エステル「?どういう事?」

 

エステルが首を傾げているとクローゼが説明した。

 

クローゼ「王立学園の定期試験は進級のかかる重要な物ですから……例え何かを見た生徒がいたとしても取り敢えず見ないふり、考えないようにして勉強に集中しまうかもしれません」

 

ハンス「確かに、俺でもそうするね。目の前の錯覚を気にするよりも1問でも多く数式を頭に叩き込みたいところだね」

 

副会長のハンスも疲れた顔で頷く

 

エステル「ひえ〜、そういうものなんだ」

 

リィン「お前も相変わらずだな…」

 

ハンス「うるせー!フローラさんと四六時中一緒にいられるお前と一緒にすんな!」

 

フローラ「あら」

 

クローゼ「む……ッ!」

 

ドロシー「はえ〜最近の学生さんはとても頑張りやさんなんですねぇ」

 

シェラザード「それは少し違う気がする気がするけど……」

 

ハンス「だけどその試験期間も今日で終わってみんな開放感に満ち溢れている……そういった類いの噂が出回るとしたらまさに今日からなんじゃないか?」

 

オリビエ「怪談めいた噂が学園内に広まればどれが真実か判らなくなる……目撃者本人に話を聞くなら今しかないかもね」

 

コリンズ学園長「うむ、早速学園内で調査を開始した方が良いだろう。ジル君、ハンス君、クローゼ君も彼等に協力するといい」

 

クローゼ「はい!」

 

ハンス「判りました」

 

ジル「そうなると調査する為にはどこか拠点が必要ね。情報が入りやすいし、やっぱり生徒会室が良いかもね。」

 

エステル「うん、サンキュー。助かるわ」

 

そうして全員が生徒会室に移動して役割分担を決めた。

 

ジル「さてと……これで役割分担は決まりね。まず、私とシェラザードさんは教職員室で先生方への聞き込み。続いてその他職員への聞き込み調査を行います」

 

シェラザード「ふふ……よろしく頼むわね」

 

ジル「ハンスとフローラさんは資料室で過去に似たような例が無かったかどうかチェック」

 

ハンス「了解だ」

 

フローラ「お任せ下さい」

 

ジル「エステルとリィン、クローゼは生徒に聞き込み調査」

 

エステル「オッケー」

 

リィン「あぁ」

 

クローゼ「判りました」

 

ジル「ドロシーさんとオリビエさんは感性の赴くまま学園を散策。芸術家ならではの直感で何かを発見してみてください」

 

オリビエ「フ、任せたまえ」

 

ドロシー「頑張って撮っちゃいますね〜」

 

ジル「各自、夕方までには調査を終わらせて生徒会室に戻って来ること、それでは解散!」

 

そう言ってジル達は生徒会室から出て行った。

 

エステル「はぁ〜、学園祭の時もそうだったけど見事な采配ねぇ〜普段はおちゃらけてるけどやっぱり生徒会長ね」

 

リィン「ルーシさんの影響もあるんだろうな、あの人もやり手そうだし」

 

エステル「ルーシ?誰それ?」

 

クローゼ「前の生徒会の副会長をしていた方です。とても優秀な方でしてルーシ副会長を頼りにしていたんですよ」

 

エステル「へぇ~副会長でそんなに優秀なら生徒会長ならもっと立派な人だったんじゃないの?」

 

「「…………」」

 

リィンとクローゼは互いに顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。

 

エステル「え、何?私なんか変なこと行った?」

 

リィン「いや、そんな事は無いんだが……」

 

クローゼ「まぁ……普通はそう思うわよね」

 

エステル「え、もしかして凄く無能だったとか……」

 

クローゼ「いえ、優秀な人でしたよ。ただまぁ……ちょっと変わり者というか……」

 

エステル「なんかすっごく不安なんですけど……そういえば何でリィンがその副会長さんのことを知ってるの?前の生徒会メンバーなんでしょ?」

 

リィン「学園祭で当人が来たんだよ。それで少し話をしたんだ」

 

エステル「あの時か……」

 

クローゼ「そろそろ聞き込みに行きませんか?生徒達も寮に帰ったりしますし」

 

エステル「おっと、そうだったわね。それじゃあ行こっか!」

 

 

そう言ってエステル達も生徒会室を出て校舎で聞き込みを開始すると……

 

証言その一

 

「変なモノ……?あぁ、確かに見たな}

 

エステル「……ッ…!?詳しく聞いても?」

 

「別にいいが……俺は寮に変える前に校舎裏をぶらぶらしていたんだ。試験機関はあそこは静かだからな、それでさぁ帰ろうと思って裏門の辺りまで歩いたら……見たんだよ。白っぽい色をした人間がぶわふわ宙に浮かんでいたのを……!アレは間違いなく人間だったぜ」

 

証言その二

 

「変な出来事ですか……?あるにはありますよ。ですが……」

 

リィン「あぁ、別に難しく考えなくてもいいから、見たことを話してくれないか?」

 

「そういうことなら……実は空を飛ぶ人影を見たんです」

 

クローゼ「!?」

 

リィン「……その話、詳しく」

 

「えぇ、あれは試験中の夜の事です。僕は教室に残って勉強していたのですが……ふと窓の外で何かが動いた気がしたんです。風が入ってきたんだと思って閉めに行ったら……外に白っぽい人影が浮かんでいたというわけです」

 

クローゼ「……その白い人影はその後どうなったんですか」

 

「直ぐに見失ったのでわからないですね。ただほぼ真東の方角に去ったと思います」

 

 

 

 

エステル「校舎での証言はこれ以上はのぞめないかしら?」

 

クローゼ「えぇ、では次は……女子寮に行きましょう」

 

リィン「じゃあ俺は男子寮を……」

 

リィンはそう言って向かおうとしたら素早くクローゼに肩を掴まれた。

 

クローゼ「あら?どうして別行動する必要があるの?一緒に行きましょうよ」

 

クローゼはそう言ってリィンの腕を掴んで離さない

 

リィン「いや、女子寮は乙女の園だろう?男が入るのは拙いと俺は思うんだが……」

 

クローゼ「そんなの気にしないわよ。男子も用があれば普通に女子寮にはいるわよ」

 

リィン「それはエントランスホールまでだろう!?個室にまで行くのは違うと思うが……」

 

クローゼ「そんなの関係ないわよ。ほら、時間も限られてるんだから行きましょ!」

 

クローゼはリィンを引っ張っりながら歩き出した

 

リィン「ちょっ!?クローゼ、引っ張らないで……エステル、クローゼを説得して……!」

 

リィンはエステルに助けを求めたが……

 

エステル「え〜と……私も馬に蹴られたくないから」

 

リィン「薄情者ぉぉぉぉぉぉ!」

 

リィンは結局クローゼに強引に女子寮まで引っ張られていき証言を聞いている間、肩身が狭かった。

 

リィン「やっと終わった……」

 

女子寮での聞き取り調査が終わって精神的に疲れたリィンは校庭のベンチに座っていた。

 

クローゼ「お疲れ様、はいこれ」

 

隣で一緒に座っているクローゼが食堂から貰ってきたジュースを差し出してきた。

 

リィン「ありがとう……エステルは?」

 

リィンはジュースを受け取るとエステルが居ないので聞いた。

 

クローゼ「エステルさんは今講堂にいるわ。多分ヨシュアさんと一緒に此処で過ごした時間を想ってるんだと思うわ」

 

リィン「そっか……エステルも辛いだろな」

 

クローゼ「えぇ……私もヨシュアさんには一言言いたい気分よ……ねぇリィン」

 

「ん?」

 

クローゼはリィンの肩に寄りかかった。

 

クローゼ「リィンは……ヨシュアさんみたいに居なくならないわよね?誰にも言わないで去ったりしないわよね?もしそうなったら私、私……」

 

クローゼの身体が震えているのを見てリィンはクローゼを抱き寄せ彼女の髪を撫でた。

 

クローゼ「あ…ッ」

 

リィン「大丈夫、俺はここにいるよ。理由も告げないで去ったりはしない。絶対に……」

 

そう、もう二度と離れ離れになる痛みなんか味わいたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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