『……承知しました。リベールの事は我々にお任せください』
リィン「頼む、だけど余程の事にならない限りエステル達には干渉しないでくれ。彼女達の為にも」
リィンはルーアンの飛行場の人気の無い所でディートリヒとアリーゼと通信していた。
『百も承知です。私達も人の世に干渉し過ぎた結果を身に染みてます故』
リィン「……そうだったな、では後は頼む」
リィンはそう言って通信を切った。
フローラ「終わりましたか?」
リィン「あぁ、アリーゼ達には何かあった時エステル達をバックアップしてもらう様に頼んだ」
フローラ「焔と大地の至宝二人のサポートですか………フフ、贅沢なサポートですね」
リィン「ハハ、違いない……済まないなフローラ、リベールに戻ったばかりなのに今度はカルバートに行く事になるし」
フローラは頭を振ってリィンの髪を優しく梳いた。
フローラ「リィン様が向かう所が私の行く所です。だから、お気になさらず貴方が思うよう動いてください」
リィン「フローラ……」
フローラ「さぁ、そろそろ王都行の便が到着します。乗り口に向かいましょう」
リィン「……そうだな」
そうして飛行場の乗り口に向かうとエステル達も集まっていた。飛行船の方も既に到着していた。
エステル「あ、来たわね。準備終わったの?」
リィン「あぁ、エステル達も終わったみたいだな?」
エステル「うん……ねぇ大丈夫なの?」
リィン「大丈夫って……なんの話だ?」
シェラザード「手紙の件よ。私は見たこと無いけど『古代種』とやらは厄介な相手みたいだし、現地の遊撃士に任せるのも一つの手よ。アンタが別にカルバートまで行く必要無いでしょう?」
リィン「まぁ、言いたい事は分かります。ですがこれは俺が為すことの一つでして……」
シェラザード「なによそれ……って言うかフローラ、アンタは止めなさいよ。主人を止めるのもメイドの役目でしょうが」
シェラザードはフローラに矛先を向けたがフローラは肩を竦めた。
フローラ「メイドだからよ。主が行くと言ったならそれをサポートするのがメイドの仕事、ただそれだけよ」
シェラザード「……はぁ〜、意志は固そうね。分かった、もう止めないわ。ただお姫様の機嫌は直してから行ってよね」
シェラザードが指差す方に視線を向けると膨れっ面したクローゼが目に入った。
シェラザード「お姫様、まだ貴方が共和国に行くの納得してないみたいだからちゃんと話し合いなさいよ」
リィンはそれに頷いてクローゼに近寄った。
クローゼ「……一緒に旅が出来ると思った」
リィン「……悪いとは思ってる」
クローゼ「……だったら今からでもカルバート行止めて一緒にツァイス行きましょ、私を守ってくれるんでしょ?」
リィン「……そう出来れば良かったと思う。だけど『古代種』が関係して、しかも村一つ被害にあったとなれば放っておけない」
クローゼ「……」
リィン「幻滅した?恋人を放って他国に行く男に」
クローゼ「……意地悪ね。私が貴方を見誤るとでも?」
クローゼはそう言ってリィンに向き直り……キスをした。
リィン「クローゼ……」
クローゼはリィンの両頬に手を添え穏やかに笑った。
クローゼ「いってらっしゃい。貴方に女神の加護がありますように」
リィンもクローゼの背中に手を回し抱きしめた。
リィン「……あぁ行ってくる。無事に君の下に帰ってくるよ」
リィンはそう言ってグランセル行の飛行船に乗り込み、グランセルに向かった。そしてグランセルに着くとカルバート行の飛行船のチケットを取ったが接続の関係上一時間待つ事になった。
フローラ「丁度良いのでお弁当と飲み物を買ってきます」
そう言ってフローラは売店を探しに行き出発ロビーの椅子にリィンが座ってるとリィンのゴスペルに反応があった。
リィン「通信……?アリーゼ達、何か伝え忘れあったか…?もしもし」
するとリィンの耳に女性の声が聞こえた。
『もしもし、リィンさんですか?』
リィンはその声に覚えがあった。
リィン「……アルマさんですか?」
アルマ『はい、お久しぶりです』
リィン「……よくこの周波数が判りましたね」
アルマ『お忘れですか?私はソレに関係してたのですよ。言っときますが結社の執行者もこの事は知りませんから安心してください』
リィン「……そうでしたね。察するに手紙も貴女が寄越したんでしょう?」
アルマ『話が早くて助かります。今回私は盟主としてでは無く、アルマ個人として貴方に《古代種》討伐を依頼します』