フローラ「……様、リィン様起きてください」
リィン「……ん……?フローラ?」
リィンが目を開くとフローラの美しい顔がリィンの間近に迫っていた。
フローラ「お休みのところ申し訳ありません。もうすぐイーディスに到着するとアナウンスが流れましたので……」
そう言われてリィンは辺りを見回すと確かに他の乗客も準備を始めていた。
リィン「そうみたいだな……ありがとう、フローラ」
フローラ「いえ、メイドとして当たり前の事をしただけですわ」
そう言いながらも嬉しげにフローラは微笑っていた。リィンもその笑顔を見て笑い飛行船の窓から見えてきたカルバートの首都イーディスの街並みを眺めてた。
カルバート共和国の首都イーディスはリィンの知る『黎の軌跡』とは少し街並みが違うが、それでも大国の首都に相応しい規模を誇っていた。
リィン「ヘイムダルとは違う活気だな」
飛行場を降りたリィンはそう呟いた。
フローラ「伝統と格式を重んじる帝国とは違いますね。しかし、さっきから鬱陶しいですね……」
それはフローラの容貌に惹かれた男達の視線であった。遠巻きに見ている者はまだマシで、酷いと軽薄な男がフローラを口説きに来たり芸能事務所のスカウトがフローラをスカウトしようと声をかけたりした。その度にフローラは適当にあしらっていたが、その鬱陶しさにフローラは辟易していた。
リィン「皆フローラの美しさに見惚れてたからな、無理も無いさ」
リィンは歩きながら苦笑した。
フローラ「そんな事を有象無象に言われても嬉しくもないですね。私の身や心はリィン様の物ですから、大体リィン様が隣にいるのにあの者達はリィン様を見て鼻で笑ったり、挙句には隣に相応しく無いとか…!」
フローラも隣で歩きながら不快げに言い放った。
リィン「ま、無理も無いさ、他人から見れば絶世の美女の隣を歩いているのは十代の若造だ。排除して自分が……と思うのは当然だな」
フローラ「そんな輩が私の隣に立つ権利なんてありませんが………それよりもこれからどうする予定ですか?」
リィン「あぁ、どうやら『迎え』を寄越すとなっていたが」
リィンは数時間前にアルマとのやり取りを思い出した。
リィン「便利屋……ですか?」
アルマ『えぇ、きっと貴方の役に立ちますよ」
リィン「貴女の事だからそこは疑ってませんが……どうやって会えば良いんですか?イーディスは人が多いですよ」
アルマ『それは大丈夫です。空港を出たらすぐ脇の掲示板に待機して下さい。そうしたら相手が来て『五番バス停はどこだい?』と聞きます。そしたら貴方は『五番バス停は反対側だよ』と言えば相手も解ります」
リィン「符号ですか……判りました。助かります」
アルマ『いえいえ……それでは私も通信を切りますね。また何れお会いしたいですね。今度は一緒に食事をしながら』
そう言ってアルマからの通信は切られた。
リィン「兎に角掲示板を探そう。先ずはそれからだな」
アルマとのやり取りを一旦脇に置いてリィンは空港の外に出た。
フローラ「アレじゃないですか?他に無いですし」
フローラが指差す方に視線を向けると確かに掲示板が設置されていた。リィン達は早速掲示板の脇に向かい待機すると一組の男女が現れた。歳はリィンよりも少し年上そうだ…
リィン(やはりか……)
その男女はリィン達の前に立つと言った。
『五番バス停はどこだい?』
男がそう言ったのでリィンも答えた
リィン「『五番バス停は反対側だよ』」
そう答えると男は溜息をついた。
「ふぅー……アンタ達が4spgに書かれていた二人かい?」
リィン「どんな風に書かれていたのかは知らないけどアンタに依頼を出した人物には心当たりはあるかな?」
男はソレを聞くと自分の髪を掻いた
「それなら良い、ここまで来て間違いでしたなんて嫌だからな。まぁまずは乗ってくれや、俺の事務所に案内するからよ」
男はそう言って自分が乗ってきたらしい車を指差した。
リィン「その前に貴方方の名前を教えてくれませんか?」
「あん…?まぁそれもそうか、俺の名はヴァン・アークライドだ。《アークライド解決事務所》の所長をしている。んでこっちの女は俺の助手のリゼット・トワイニングだ。宜しくな」