エレイン「……『古代種』、そんなのが…」
リィンがヴァンに説明した同じ内容をエレインに話すとエレインは目を見開いて呟いた。
リィン「信じ難いのは判ります。ですが事実です。少なくともリベール、エレボニア帝国にも現れました」
エレイン「…リベールの件はこっちでも掴んでいたけど、まさかそんな古代の生物が自動車や飛行船が実用化された現代に現れるなんて……それは魔獣避けの導力灯は効かないのかしら?」
フローラ「残念ながら、彼等は魔獣とは根本的に違います。七耀石には興味を惹きませんし、魔獣避けも効果は無いでしょう」
エレイン「最悪じゃない……!つまり都市部にも現れる可能性もあるって事!?」
エレインは頭を抱えた。
リィン「そうなりますね」
エレイン「ッ……!ギルドに報告……いえ、こんなの信じて貰える……?でも、この村の惨状の事を考えたら一刻も猶予が……!!」
ヴァン「落ち着けよエレイン」
エレイン「これが落ち着いていられる!?今までは魔獣避けが効果があったからこれまで人々は街や村を創って発展してきた……その前提条件が崩れたら……!」
ヴァンはエレインの両肩を掴んだ!
ヴァン「だから落ち着けと言ってるだろうが!いいか?この村を襲ったのがその古代種だとしたら先ずは証拠が必要だ。何でもいいから見つけるんだ!そうすりゃ協会や警察も動く……違うか?」
エレインはじっとヴァンの眼を見つめそして深く溜息をついた。
エレイン「そうね……ごめんなさいヴァン、私とした事が取り乱したみたい」
ヴァン「気にすんな、こんなの誰だって予想出来ねぇよ。それに……お前は落ち込んだ顔は似合わねぇよエレ公……イテテテ!!」
エレインは黙ってヴァンの両頬を抓った。
エレイン「エレ公言うな!ったくもう……でも、ありがとう」
リィン「あの二人仲が良いんですね」
リゼット「はい、幼馴染で恋人同士でもありますから」
リィン「ほう……恋人同士……」
『『昔の話だ(よ)!もうとっくに別れた(わよ)!』』
フローラ「その割には息がピッタリですね」
ヴァン「って……俺達の事は今はどうでもいいっての!兎に角手がかりを探そうぜ!なぁエレイン?」
エレイン「……えぇ、そうね。私達の事は『後で』話しましょうか?ヴァン?」
ヴァン「エ、エレインさん……?なんで怒ってらっしゃるので…?
エレイン「あら?別に怒って無いわよ?変なこと言うわね、ヴァン」
エレインの顔は笑顔だが目は笑ってはいなかった…
リィン「なら二手に別れて手がかりを探しましょう。何か痕跡があるかも」
こうしてリィン、フローラペア、ヴァン、リゼット、そしてエレインの二手に別れ村を探索を始めた。
ヴァンSide
ヴァン「……話には聞いていたがヒデェなこりゃ、血が天井まで届いてやがる」
エレイン「調書では死体すら見つかって無いらしいわ。多分生存は……」
ヴァン「人を食糧と見做してるか……恐ろしいな」
エレイン「……ねぇ、ヴァン」
ヴァン「あん?何だ、何か手掛かりあったのか?」
エレイン「いいえ、違うわ。ヴァン、貴方……『匣』は覚えている?」
ヴァン「……ッ!……エレイン、お前もか…?」
エレインは溜息をついて頷いた。
エレイン「やっぱり……貴方は何時頃に『戻った』の?」
ヴァン「……三カ月前だ。事務所で寝ていた時にな、因みにリゼットはオレよりも一ヶ月早く『戻って』きたらしい。お前は?」
エレイン「……二ヶ月前、イーディスで依頼をこなしてた時に……けどジンさんは覚えてないみたい」
ヴァン「『不動』もか……とはいってもこっちは大半は連絡取れないから確認しようがないが、だが疑問もあるな」
エレイン「えぇ、彼…リィン・シュバルツァーが何故姓が違うのか……そしてあのメイドは何者なのか、そして前はいなかった『古代種』という存在……」
ヴァン「姓は兎も角……あのメイドはもとから居たんじゃねぇのか?貴族ならいても可笑しくは無いけど」
エレイン「いいえ、以前ギルドで彼の家族構成を調べた時フローラ・クリフトなる女性は存在してないわ。でも今最も違和感を覚えるのが……」
ヴァン「古代種……か、以前はそんな物存在すらしていなかったからな、勿論《裏の世界》でも聞いた事が無い」
エレイン「私もよ……ねぇ、この世界前と同じ結果を辿ると……っ!?」
エレインが言いかける前に突然エレインの足元から『ナニ』かが飛び出しエレインに襲いかかろうとした。
エレイン「ハァ!」
だがエレインは素早く細剣を抜きその『ナニ』かをきり裂いた。
ヴァン「エレイン!大丈夫か!?」
エレイン「えぇ……でもこれは……」
エレインが切り捨てたナニかを見ると
ヴァン「蟻……なのか?随分デカいが……」
そこには全長三アージュもある蟻が息絶えていた。