「―――!!―――」
リィン達の存在に気づいた女王蟻は貪っていた屍体を捨て向き直り威嚇してきた。
ヴァン「おせぇんだよ……!」
いち早く女王蟻の足元に辿り着いたヴァンは女王蟻の脚を叩き斬ろうとスタンキャリバーを振り下ろしたが……
―― ガキン ――
ヴァン「んなッ……!?硬ぇ……!」
勢い良く振り下ろしたスタンキャリバーは女王蟻の外殻を傷一つつけられず弾かれた。女王蟻がギロリとヴァンを見据えこの新しい『餌』を喰おうと身体を動かそうとした……
エレイン「隙だらけね……」
リゼット「この距離なら……!」
ヴァンに気を取られていた女王蟻の背後をエレインとリゼットが取りエレインが細剣で、リゼットが銃で女王蟻の背中を攻撃したが……
―― キン ――
エレイン「そんな!?」
リゼット「効いてない!?」
女王蟻はそんな二人の驚愕の声も無視してヴァンを喰らおうと襲いかかるが……
リィン「させんよ……!」
リィンが女王蟻の前に躍り出て顔面を切りつけた。だが、それでもかすり傷にしかならなかった。
リィン「ちッ………!意外に硬いな……!」
リィンはヴァンが一旦下がったのを確認して自分も下がった。
ヴァン「済まねぇ、アイスフェルト!助かった…」
リィン「いえ……しかし意外に硬いですね、アイツ」
リィンの呟きに同じく後退していたエレイン達が答えた。
エレイン「アレの外殻は鉄みたいな音がしたわ。生半可な攻撃は通らないわ……」
リゼット「まさに鎧を着ている様な物ですね……」
リィン「………如何に頑丈な殻を持っても中身は脆い筈……」
ヴァン「……何か策でも思いついたか?」
リィン「……ヴァンさん、『発勁』は出来ますか?」
ヴァン「あ……?いや確かに出来るが、教えてくれた先生みたいな威力のは出せないぞ……?」
リィンの問いにヴァンは怪訝な顔をしたが答えた。
リィン「充分です。ダメージを負って奴の動きが止まれば後はどうとでもなります」
ヴァン「何だ?大技でも出すつもりか?」
リィン「えぇ……とっておきのを出しますよ」
ヴァン「……ッたく、追加報酬、期待して良いんだろうな?」
リィン「勿論、リベール王室御用達店の菓子を贈りますよ」
ヴァン「へぇ……?なら期待に応えなきゃなぁ……?」
エレイン「ハァ……あんまりヴァンを甘やかさないで頂戴……」
リゼット「えぇ、流石にカロリーが心配です」
話を聞いていたエレインとリゼットが前に出た。
ヴァン「おいおい……ちゃんと食べた分だけカロリー消費してるぜ、俺は」
ヴァンはわざと戯けて言った。
エレイン「あら?最近は昼過ぎまで寝てるとリゼットさんから聞いてるわよ。ねぇ、リゼットさん?」
リゼット「はい、最近は夜更かしが多く不規則な生活です」
ヴァン「そ、それは………仕事の都合上仕方無くてだな……」
リィン「フフ……ヴァンさん良い仲間に恵まれましたね」
リィンはそんな掛け合いに笑いを噛み殺して言った。
ヴァン「ったく、そんな事よりも奴さんそろそろ我慢の限界らしいぜ」
ヴァンの言う通り女王蟻は獲物を喰えない事にイライラしていた。
リィン「フン……なら相手してやる……!」
リィン達は再び女王蟻に駆け出した。
エレイン「攪乱するだけなら幾らでもやりようはある!」
リゼット「邪魔はさせません!
エレインとリゼットは女王蟻の周りをスピードで攪乱し相手に的を絞らせない。
リィン「脚の一本は貰う……!」
リィンは女王蟻の脚の関節部を狙い斬り飛ばした。
「―――!?」
女王蟻は突然の痛みに声にならない悲鳴をあげる。
リィン「ほら、もう二、三本貰うぞ……」
リィンは更に脚を切り落とすと女王蟻はパランスを崩し無防備の腹を晒した。
ヴァン「さぁて、いっちょう殺ってやるか…こおぉぉぉぉ………」
そこにヴァンが近づき、呼吸を整える……
ヴァン「………把アァァァァァ!」
ヴァンの発勁が見事女王蟻の外殻を貫き、中身に衝撃を与えた。
「―――!!」
女王蟻はあまりの痛みに身体を痙攣していたそしてそこにリィンが駆け寄り………
リィン「今楽にしてやる……黒神一刀流二の型『九十九颯』……!」
女王蟻はリィンの太刀て頸を撥ね飛ばされた……