「止まれ……うぎゃッ!?」
フローラ「しつこいですね」
前方に立ちふさがった赤い星座の団員を止まらずに一撃で黙らせそのまま走り去る。
シズナ「どうやら既に赤い星座と黒月は交戦状態に入ったみたいだね。あちこちで騒がしくなってる」
町中を走りながらシズナが呟いた。確かにあちこちで銃声やら爆発やらが聞こえる。
リィン「警察……は無理そうだな、遊撃士も民間人の保護を優先して両者を今の時点で止めるのは難しそうだな」
フローラ「リィン様、先程の者達が追いかけてきます」
フローラの報告にチラリと後方を見ると確かにさっきの二人が部下を引き連れて追いかけて来た。
リィン「執念深いな、それにしてもさっきの二人、オルランドと名乗っていたな」
リィンは街の中心部に続く階段を登りながら呟く。
シズナ「うん、確か赤い星座の団長がその姓だった筈だよ。となると……」
シズナも階段を二段飛ばしながら駆ける。
リィン「既に居るかもな、この煌都に……」
リィンの脳裏に『戦鬼』の顔が思い浮かんだ。
シズナ「闘神か……どんな相手何だろう?出来れば手合わせしてみたいな」
シズナは闘神の姿を思い浮かべていたらしく、ワクワクした表情だ。
リィン「……一応言っとくが戦わないからな?」
シズナ「判っているさ。『契約』していない猟兵が戰場でうろちょろするべきじゃないからね。とはいえ……」
シズナもチラッと後方を見た。そして獰猛な笑みを浮かべた。
「降りかかる火の粉を祓うのは問題無いと思うけど、リィンはどう思う?」
リィンは彼女のそんな顔に溜息をついたが、それでも苦笑いした。
リィン「……あの二人がシズナを相手にするには役不足だと思うけど?」
シズナ「まぁね……でも『前菜』には丁度良いと思うんだ。……どうせこの先に『メインディッシュ』もありそうだし……」
リィンはもうこれは我慢出来ないんだろうなと悟り、シズナに一応釘を差してゴスペルを渡した。
リィン「……殺すなよ?使い方判るな」
シズナは受け取ったゴスペルを胸元に入れた。
シズナ「うん大丈夫だよ………それは向こうの実力次第かな?じゃあ行ってくるよ。旦那様」
そう言ってシズナはすぐさま来た道を戻っていった。
フローラ「……大丈夫でしょうか?いえ、シズナ様がでは無くて追って来ている赤い星座の部隊が……」
フローラは自分達を害そうとしていた相手に不思議な心配をした。
リィン「シズナも手加減すると思うが……まぁ腕の一本や脚の一本は折れるかもしれないけど、そうなってもそれは向こうの自業自得だしな」
フローラも無言で頷いた。
リィン「それよりも急ぎ煌都から離れないとな。列車が動いていればいいが……」
フローラ「転移が使えれば一番いいのですが、邪魔が入ると不測の事態が起きかねませんし……」
リィン「兎も角、一刻も早く駅に向かうぞ」
そう言ってリィン達はスピードをあげた。
ランドルフSide
ランドルフ「ち、アイツ等やけに速えじゃねぇか……!鍛え上げられた猟兵の脚で追いつけねぇなんて……」
シャーリィ「アハハ!あの太刀を持ったお兄さんやお姉さんは解かるけどあのメイドは予想外だったね〜?立派な胸しててあの速さだし!!」
ランドルフ「感心してる場合かシャーリィ!奴等少なくともプロだウチと同じ猟兵かどうかは知らんが、敵なら依頼主の注文(オーダー)を完遂するには奴等を始末しねぇと……」
シズナ「うん、それは無理なんじゃ無いかな?」
「「「!!?」」」
追跡していたランドルフ達は目の前に立ち塞がったシズナを見て足を止めた。
ランドルフ「ハッ……!逃げ切れねぇと悟って観念したかよ?」
シャーリィ「キャハハ!でも観念したところでシャーリィ達はお姉さんを見逃さないけどね?」
ランドルフとシャーリィはそう言って得物を構え、部下達も銃や剣を構えた。
シズナ「うん、さっきも思ったけどやっぱり練度は良いね。それなりに修羅場を潜ったのはわかるね。けど……《それだけ》だね」
シズナはそう言って静かに暁鴉を抜いた。
ランドルフ「あッ?何言ってやが……!?」
ランドルフが言おうとした瞬間、シズナの周囲は闘気の渦が渦巻いた!!
シズナ「さぁ……始めようか、暁烏も戦いたがってるよ」
ランドルフ「……ッ!!舐めんじゃねぇぞ!!」
シャーリィ「キャハハ!!面白いねお姉さん!!シャーリィと遊ぼうよ!!」
そうして赤い星座のランドルフとシャーリィは斑鳩のシズナとぶつかった………