閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第96話

エステル「剣帝……レオンハルト……!」

 

オリビエ「成る程……レオン=ハルトか、さしずめ《レーヴェ》というのは君の愛称という事かな?」

 

エステル「あっ……」

 

クローゼ「貴方がレーヴェ……」

 

リィン「?どういう事だ?」

 

首を傾げたリィンにティータが説明した。

 

ティータ「あ、あの実はレンちゃんが良く《レーヴェ》って言う人の名前を良く口にしてたんです。それで……」

 

リィン「あぁ、それでか……」

 

レーヴェ「……些か不本意だが仲間内でそう呼ぶ者も多い。まぁ好きに呼ぶがいい、それと……」

 

レーヴェはリィンの方に視線を向けた。

 

レーヴェ「久しいな、アイスフェルト……グランセル城以来だったか。カルバートに向かったと聞いていたが、どうやら貴様の実力に見合う太刀に出会ったみたいだな」

 

レーヴェはリィンが佩いているリヒトを見て呟いた。

 

リィン「……お陰様でな、お望みならここでお前と一戦交えてもいいぞ?」

 

リィンはそう言ってリヒトの鯉口を切る。

 

レーヴェ「フ、それも一興だが生憎《実験》があるからな」

 

フローラ「実験……ですって!?」

 

すると突如レグナードが吼えて辺りに炎を吐いた。

 

エステル「あぁ!?」

 

シェラザード「街を焼くつもり!?」

 

レーヴェ「やれやれ……手間をかけさせてくれる」

 

レーヴェはそう言って溜息をついてレグナードの背中に飛び乗った。

 

アガット「クソ!逃げる気か!?」

 

レーヴェ「……今回の《実験》は些か変則的でな、正直お前達の手には負える事件では無い。王国軍にでも任して大人しくしておくんだな」

 

レーヴェがそう言うとレグナードが翼を広げて空に羽ばたいて飛び去った。

 

アガット「野郎……待ちやがれぇぇぇぇぇ!!」

 

アガットがそう吼えたがレーヴェはそれに一瞥もしなかった。

 

エステル「ど、どうしょう……このままだとアイツを逃がしちゃう!」

 

エステル達が狼狽えてる時一瞥もされなかったアガットは拳を握りしめていたがエステル達に向き直った。

 

アガット「……俺はこれからあのデカブツの追跡を開始する。お前らは軍が来るまで被害状況を確認してろや」

 

エステル「えっ………!?」

 

シェラザード「アガット?」

 

アガット「後でまた連絡する!」

 

アガットはそう言い残して追跡をする為走りだした。。

 

ティータ「アガットさん!?」

 

ティータの静止する声も振り向かずにそのまま去って行った。

 

リィン「……」

 

リィンは無言で見送った。

 

フローラ「止めますか?」

 

リィン「いや……アガットさんに任せよう、それより被害状況の把握が最優先だ。エステル、急いでマーケットの中に!」

 

エステル「あ……うん!」

 

気を取り直したエステル達と共にマーケットの中に入ると天井が崩れた為瓦礫が店舗を潰したり他の入り口を塞いで逃げ遅れた人が立ち往生していたりしていた。

 

エステル「ひ…酷い」

 

ジン「役割分担が必要だな、エステルお前さんが指示を出してくれ」

 

エステル「……うん!シェラ姉!クローゼとティータとフローラさんで逃げ遅れた人達を誘導して!」

 

シェラザード「えぇ、分かったわ!姫様、ティータちゃん、フローラ。西口の方に向かうわよ!」

 

クローゼ「はい!」

 

ティータ「わ、判りました!」

 

フローラ「承知しました」

 

そう言ってシェラザード達は動き出した。

 

エステル「ジンさん、オリビエ、リィン。私達は瓦礫の撤去に向かうわよ!」

 

ジン「応!」

 

オリビエ「フ、任せ給え」

 

リィン「分かった!」

 

そしてリィンもエステルの指示に従い瓦礫の撤去に向かった。そして瓦礫の下に埋もれた人達を救出したがその中にはメイベル市長のメイドのリラもいた……

 

 

――  遊撃士ギルドボース支部 ――

 

ルグラン爺さん「お前さん達ご苦労さんじゃったのう、今しがたハーケン門から連絡が来て王国軍の部隊が応援としてくるそうじゃ、後は彼等に任せても問題無いじゃろう」

 

エステル「それは良かったけど……まさかあんな化け物を持ち出してくるなんて……しかもあのロランス少尉が……」

 

シェラザード「執行者No.Ⅱ《剣帝》レオンハルト。通称《レーヴェ》か……リィン、アンタ一度奴と手合わせしたでしょ?意見を聞きたいわ」

 

リィン「……少なくとも剣における技量はカシウス師兄やリシャール大佐クラスでしょう。剣帝という渾名は大げさでも何でもないと思いますよ」

 

シェラザード「やっぱり?はぁ〜先生クラスなんて最悪ね……」

 

クローゼ「グランセル城で会った時はこの様な非道な事をする人には思えなかったんですが……」

 

ジン「ふむ……」

 

ティータ「あ、あの……ルグランお爺さん、アガットさんからまだ連絡は無いんですか?」

 

ルグラン爺さん「うむ……残念ながらの。あの猪武者が……一体何をしておるのじゃ」

 

するとタイミングよくギルドに設置している通信機が鳴った。

 

ティータ「あっ……!」

 

エステル「もしかして……」

 

ルグラン爺さん「はい、こちらは遊撃士ギルドボース支部じゃが……おぉ、アンタか。どうしたんじゃ………………………なんじゃと!?」

 

エステル「(な、なにかあったのかな?)」

 

シェラザード「(少なくとも良くない知らせみたいね)」

 

ルグラン爺さん「うむ……うむ、判った。直ぐに他の連中を送ろう、気をしっかりな」

 

ルグラン爺さんは通信機を切ると受付に戻って告げた。

 

ルグラン爺さん「……ラヴェンヌ村のライゼン村長からの連絡じゃ。つい先ほどあの龍がラヴェンヌ村を襲ったらしい」

 

エステル「!!!」

 

シェラザード「何ですって!?」

 

リィン「……」

 

ルグラン爺さん「龍は果樹園を焼き払い、直ぐに飛び去ったらしい。その直後にアガットが現れて消火活動を手伝ったそうじゃが……」

 

エステル「判った!直ぐに向かうわ!!」

 

リィン「俺も同行して良いかな?」

 

クローゼ「リィン?」

 

エステル「それは助かるけど……良いの?」

 

リィン「元々その積りで戻って来たんだ。それに……レーヴェには借りがあるしな」

 

リィンはリヒトを軽く叩いた。

 

ジン「ほう?お前さん太刀を新調したのか?かなりの業物みたいだな」

 

ジンはリィンの腰に佩いたリヒトをじっと見た。

 

エステル「そういえばジンさんはリィンと入れ違いで来たから知らないのよね?」

 

リィン「それは後で話すよ。先ずはラヴェンヌ村が先だ」

 

そうしてリィン達はラヴェンヌ村に向かった。

 

村は果樹園が全て焼き払われていたが幸い人的被害は無く家も無事だった。村長の話ではアガットは龍が北に飛び去ったのを聞くと再び追いかけていったらしい。そう、ラヴェンヌ廃鉱へと……

 

 

 

 

 

 

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