―― レーヴェSide ――
「―――!」
レーヴェ「……大人しくしろ」
レーヴェは暴れる龍を《ゴスペル》で制御し大人しくさせた。
レーヴェ「やれやれ……データを取るにはまだまだ時間が必要か……全く、面倒な仕事を押し付けてくれる」
「……何が面倒だって……?」
レーヴェが振り返ると追跡していたアガットが近付いてきた。
レーヴェ「……お前は……」
アガット「その金色の剣……やっぱりあの時の仮面野郎はお前だったか、随分久しぶりじゃねぇか」
レーヴェ「ランクC《重剣》アガット・クロスナーか……いや、クーデター事件の後、Bに昇格したそうだな」
アガット「へっ……流石は元情報部だ。あの時はコソコソ動き回っていやがったが……今回はまた随分派手にやってくれたな」
そう言ってアガットは自分の得物を抜いた。
アガット「今回ばかりは逮捕なんて言わねぇ……構えろや!そのすました顔八つ裂きにしてやる!!」
レーヴェ「ふ……威勢のいいことだ。だがあの程度の被害、派手という程ではあるまい?」
アガット「んだとッ……!?」
レーヴェ「10年前……お前が見た光景に比べたらどうという事も無い筈だ」
アガット「………ッ!!」
レーヴェ「この国の遊撃士の経歴は一通り調べさせてもらった。フフ……やはりお前はどこか俺と似ている様だ」
アガット「………………ククク、似てるだと?何も知らない野郎が適当な事抜かすんじゃねぇぇぇぇ!!」
アガットは踏み込み、レーヴェに大剣を振り下ろすが、レーヴェはいとも容易く躱しバックステップを取り距離を空けようとしたがアガットも瞬時に詰めてきて再び振り下ろすがレーヴェも剣で軽くいなす
レーヴェ「無駄だ。貴様と俺の実力の差は歴然だ。前の手合わせでそれは分かっているだろう……加えて龍の脅威がある。なのに何故一人で挑む?」
レーヴェは鍔迫り合いをしながらアガットに問う。
アガット「勝算なんざ関係ねぇ……ただテメェが気に食わねぇ……それだけなんだよ!」
レーヴェ「やれやれ、その程度か……これなら龍を使うまでもない」
アガット「なに……!?」
レーヴェはそう言うと怒涛の剣戟でアガットを圧倒する。
アガット「うぉッ……!?」
アガットがたまらずに膝をつくとレーヴェは切っ先をアガットに向けて言い放つ。
レーヴェ「似たところはあるが………俺とお前には決定的に違うところがある。それは剣を振るう理由だ」
アガット「な、何だと………?」
レーヴェ「俺が剣を振るうのは人を捨て修羅とならんが為………しかしお前は己の空虚を埋める為だけに振るっている」
アガット「……………」
レーヴェ「重き鉄塊を振るう事で癒える事の無い哀しき空虚を激情で満たす………怒りで心を震わす間は哀しさが紛れるからだ。だが、それはただの欺瞞にしか過ぎない」
アガット「………黙れ………」
レーヴェ「そして欺瞞から目を背ける者が前に進む事は有り得ない。《理》に至るどころか《修羅》に堕ちる事すら無い。今のままでは……お前はどこまでも半端なだけだ」
アガット「黙りやがれぇぇぇぇ!!」
アガットは怒りに任せて剣を振るうが当たらず、只々体力を消耗するだけだった。
レーヴェ「無様だな……せめてもの情けだ。これで終わらせてやる」
レーヴェはそう言って剣を構え闘気を高めた。
レーヴェ「――せいッ!!」
レーヴェは一気にアガットに詰めてアガットの大剣を切り捨て切っ先は地面に刺さった。
アガット「……がはッ!」
アガットもダメージを負い膝をついた。
レーヴェ「………さて、そろそろ俺も動くか」
レーヴェは膝をついた アガットに一瞥をくれると龍に向かって歩き出そうとした。
アガット「待てや………まだ終わってねぇぞ」
だがアガットは再び立ち上がり半分以上に斬られた大剣を構えた。
レーヴェ「………まだ折れないか、良いだろう。至らない身でそのまま果てるがいい」
レーヴェはアガットに加速し剣を振り下ろす――
「させるか!」
だがそこにとある人物が割って入りレーヴェの剣を受け止めた。それは……
レーヴェ「む……!貴様か…」
アガット「アイスフェルト……か?」
そこにはリヒトを抜いたリィンがアガットの前に立ちレーヴェと鍔迫り合いになる。
リィン「良かった。間に合った……」
アガット「なん、で……」
リィン「俺だけじゃないですよ。皆も来てますよ」
その言葉通り他のメンバーも駆け寄って来る。それを横目にリィンはレーヴェに向き合う。
リィン「さて……アガットさんを痛めつけた礼をしようか?」
レーヴェ「ほう………?随分自信ある様だな。良いだろう、あの時の再戦といこうか」
リィンとレーヴェは距離を取り、互いに構え直し……再び衝突した。