閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第98話

アガット「なんだよ、アレは……」

 

ティータ「アガットさん動かないで!直ぐに手当てを……」

 

アガットは側に来ていたティータのそんな声も聞こえず目の前に映る二人の戦いに見入っていた。

 

アガット「おい、エステル、シェラザード……アレが前に言っていたアイツの実力か?」

 

アガットは隣で呆然と立ち尽くしていたエステル達に尋ねた。

 

エステル「いや、これはちょっと予想外というか……」

 

エステルは反応に困り頬をかき……

 

シェラザード「グランセル城の時より格段に実力が上がっているわね」

 

シェラザードはリィンの剣術を賞賛し……

 

ジン「あぁ、相当功夫を積んだんだろう。そしてアイスフェルトの持っているあの蒼い太刀はアイツの実力を十二分に引き出している……」

 

ジンはリィンの体術とリヒトに目を向け……

 

オリビエ「いやはや、話には聞いてたけれどこれ程とはねぇ……」

 

オリビエは何時もの様に飄々とした顔だが内心はリィンに対するある種の警戒感を抱き……

 

クローゼ「リィン……」

 

クローゼは恋人を心配そうに眺めていた。

 

レーヴェとリィンの斬撃の応酬は一進一退を極め、互いに鍔迫り合いになった。

 

レーヴェ「……正直驚いたぞ、この短い期間でそれだけの実力を磨いたのもそうだがその蒼い太刀……この《ケルンバイター》と同じ《外の理》の代物か」

 

鍔迫り合いの最中レーヴェがリィンに問いかけた。

 

リィン「そんな大層な物では無いさ、コレは大切な人達を守るために頼もしい仲間が造ってくれた。世界でただ一つの、大切な一振りだ」

 

リィンも律儀に答えるとリヒトも嬉しそうに震えた。

 

レーヴェ「フッ、大切……か、それはクローディア姫の事かな?」

 

レーヴェは一瞬だけクローゼに視線を向けて言った。

 

リィン「彼女だけじゃない、この場にいる皆……居ない人も含まれているさ……勿論ヨシュアもな」

 

リィンは鍔迫り合いをやめて距離を取り、レーヴェの右肩に袈裟斬りを仕掛ける。

 

レーヴェ「ヨシュアだと……アイツはお前達の前から自ら姿を消した……それでもまだ仲間だと言い張る積もりか?」

 

レーヴェはそれを軽く避け、返す刀でリィンに横薙ぎに剣を振るう。

 

リィン「ヨシュアがどう思おうがこの場にいる全員はヨシュアを心配し、連れ戻そうとしている。アンタだっているだろう、守りたい人は」

 

リィンは横薙ぎの剣をリヒトで受け止め、弾き返す。そしてレーヴェの首に刺突をしかけた……しかしそれも容易く躱された。

 

レーヴェ「守りたい……?フッ……生憎俺にはそんなのはもう居ない……そうだ、俺が本気で守りたかった《アイツ》はあの日……」

 

レーヴェのその表情は底知れない悲しみを浮かべていた……

 

リィン「アンタ……」

 

リィンはその表情を見て思わず剣を止めた……その時怒号が響いた。

 

「そこまでだ!」

 

頭上からリベール軍の警備艇が飛行していた。

 

エステル「あ、あれは……!」

 

クローゼ「ハーケン門所属の……モルガン将軍です!」

 

「結社の執行者とやらに告げる……貴様は龍を操りボースマーケットを襲い多大な被害をもたらした……大人しく投降するがいい!!さもなくば実力で貴様を拘束する!

 

レーヴェ「フ……ッ時間切れか……」

 

レーヴェはレグナードの背中に飛び乗った。

 

レーヴェ「もう少し楽しみたかったが俺も忙しいのでな、また何れ再戦を楽しみにしているぞ。アイスフェルト」

 

アガット「待ち、やがれ……逃げる気かよ」

 

レーヴェ「忘れるなアガット・クロスナー、貴様が何時までも欺瞞を抱えている限り何者にもなれん、大切な者を守る事もな」

 

アガット「……ッ……!」

 

エステル「ま、待ちなさいよ!黙って聞いていれば好き勝手言って……絶対に逃さないんだからッ!」

 

レーヴェ「エステル・ブライト……お前はお前で心しておく事だな」

 

エステル「へ……?」

 

レーヴェ「今回の実験が終われば《計画》は次の段階に移る。気を引き締めなければ必ず後悔する事になる」

 

レーヴェはそう言って《ゴスペル》を操作してレグナードを飛び立たせた。

 

『おのれ……逃がすか……!主砲及び各銃座一斉射撃!!飛び立たせるな!

 

警備艇からの一斉射撃がレグナートに集中するが掠り傷一つつかない。

 

レーヴェ「フ……無駄だ。伝説の古代竜にそんな攻撃が効くものか……行くぞ――《古竜レグナート》」

 

そう言ってレーヴェを乗せたレグナートは再び飛び去って行った……

 

アガット「畜生……ミーシャは……俺が……」

 

ティータ「アガットさんッ!?」

 

飛び去って行ったレーヴェを見送る事しか出来なかったアガットはそう言って倒れた。

 

 

 

 

 

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