閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第108話

リィン「そうか、無事にレグナートを解放したのか」

 

フローラ「はい、そしてそのまま上空に待機していた王国軍艦隊に謝罪と人里に現れない事を確約して飛び去りました」

 

レグナートの件が解決したのでエステル達はボースに戻り、フローラはその足でリィンが静養しているホテルに向かい報告した。

 

リィン「それなら良かった。ところでレグナートはフローラを見て気づいたかな?」

 

フローラ「多分、気づいていると思います。彼は私が建造された時から居ましたから……後日接触してくるかもしれません」

 

フローラは持ち込んだ菓子をリィンに渡した。

 

リィン「そうか、警戒されてるかな……?」

 

リィンはそれを受け取り頬張る。

 

フローラ「多少はしてるかもしれませんが……リベル=アークと比べたらアンファング(私)など脅威にも思わないでしょう。彼なら」

 

リィン「全ての機能が復旧した浮遊都市を脅威にも思わないって……流石古代竜、まぁ何にしろ討伐しないで済んだのは幸いだな」

 

リィンはそう言って菓子を食べ終わるとベットから起き上がり着替え始めた。

 

フローラ「大丈夫なのですか?もう少し安静した方が……」

 

フローラはリィンが脱いだシャツを受け取り、新しいシャツを渡した。

 

リィン「心配無い、ミズチのお陰で傷一つ無かったし……それに身体動かしたいからな」

 

リィンは着替え終わると立てかけてたリヒトを掴み扉の方に歩み寄った。

 

リィン「エステル達はまだギルドにいるよな?」

 

フローラ「はい、アガット殿はラヴェンヌ村の墓地で墓参りしてから戻ってくるので……」

 

リィン「そっか……なら尚更ギルドに行かないとなフローラ、一緒に来てくれ」

 

フローラ「はい、承知しました」

 

そうしてリィン達はホテルを出て遊撃士ギルドボース支部に向かった。

 

リィン「もうマーケットの復旧工事が始まったな」

 

リィンはレグナートが崩した屋根を業者が仮組みの足場を組んでいるのを見て呟いた。

 

フローラ「レグナートが謝罪の為に渡した七耀石の塊をメイベル市長が被害にあった人や施設の資金として充てましたから…」

 

リィン「逞しいな、いやボースだけじゃないか…この国自体がそうなんだろうな」

 

そう言いながらリィンはギルドの扉の前まで辿り着き、扉を開けた。

 

エステル「あれ、リィン?」

 

ジン「よう、アイスフェルト。もういいのか?」

 

受付にはルグラン爺さんとエステルとジンがいた。

 

リィン「えぇ、ご心配かけました。他の人達は……?」

 

ルグラン「二階じゃよ。じきに降りてくるじゃろ……お、いってる傍から来たの」

 

二階からシェラザード達が降りてきた。

 

シェラザード「あら?リィン大丈夫なの?」 

 

クローゼ「リィン……平気なの?」

 

クローゼはリィンに駆け寄る

 

リィン「心配かけました……この通り平気です。アガットさんは……まだ来てませんか?」

 

ルグラン爺さん「あ奴ならもう戻って来てもいい頃合いじゃが……」

 

アガット「悪い、遅くなった」

 

そう言うとまた扉が開き、アガットとティータが入ってきた。

 

アガット「ん……?アイスフェルトも居たのか?姫さんにベットに縛られたんじゃなかったか?」

 

リィン「皆が頑張っているのに寝ている暇はありませんよ」

 

リィンは肩を竦めた。

 

アガット「ふん……?まぁ丁度良いか、爺さん。ちょっと報告が

あるぜ」

 

ルグラン爺さん「何じゃ?お主がラヴェンヌ村で墓参りならとっくに聞いとるが……?」

 

アガット「………その墓参りにあの銀髪野郎が現れたんだよ」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

エステル「ちょ、ちょっと待って!銀髪って……ロランス……いや、《剣帝》レオンハルトが!?」

 

アガット「あぁ」

 

オリビエ「ふむ、何のために現れたのかい?まさか墓参りとか?」

 

アガット「……そのまさかだ。奴の手には弔いの為の花束が握られていた」

 

シェラザード「花束を……?追われている犯罪者が何故……?」

 

アガット「……奴は墓に花束を供えて黙祷を捧げた後、偶々俺と一緒に墓参りをしていたモルガン将軍が何故こんな事をすると問うとこう答えやがった。『ハーメルを見殺しにしたリベールがそれを問うのか……?』……だとそのまま奴は去って行ったが」

 

エステル「《ハーメル》……」

 

シェラザード「王宮でも同じ事を言ってたわね。……モルガン将軍からは何か聞いたの?」

 

アガット「国家間の問題に関わる事で教えられないだとよ……悪い、奴を取り逃がしちまった」

 

ルグラン爺さん「いや、その場合仕方無いじゃろう。死者の眠る地を騒がすのも問題じゃしな……しかし《ハーメル》か……」

 

エステル「ねぇ、結局《ハーメル》って何なの?」

 

アガット「……村の名前だ。帝国とリベールの国境の近くに位置している帝国側の村だ。《百日戦役》以前はラヴェンヌ村とも交流があったが……」

 

エステル「う〜ん、ねぇクローゼ、《ハーメル》の名前に聞き覚えは無い?」

 

クローゼ「いえ……お祖母様なら何かご存じかも知れませんが……国家間の問題だとするとお祖母様もそう簡単には教えては下さらないかと思います」

 

エステル「そっか………オリビエはどう?帝国の村何でしょ?」

 

オリビエ「ふむ……『ハーメル』か……それはまた奇妙な名前が出てきたね」

 

エステル「奇妙?」

 

その言葉に全員が怪訝な顔を浮かべた。

 

オリビエ「確かにハーメルという村は帝国最南端にあった村だが……現在帝国の如何なる地図にも載ってないんだ」

 

「「「「「!?」」」」」

 

エステル「えぇッ!?」

 

ティータ「載ってないって……どういう事ですか?」

 

オリビエ「何年か前に山崩れがあって、かなりの死者が出たそうだ。今では廃村になっているらしい」

 

ティータ「……廃村」

 

アガット「……そうだったのか」

 

エステル「で、でも死者が出たって……」

 

オリビエ「軍が災害救助に出動したから詳しい話は分からないのだが……一説には全滅に近い被害だったとも言われてるそうだよ」

 

エステル「ぜ、全滅……」

 

リィン「………」

 

ジン「確かに、酷い山崩れだと村が一つ呑み込まれる事もあるらしい。『山津波』と言うそうだ」

 

シェラザード「成る程、言い得て妙ね。でもそれがどうしてリベールの女王様や将軍に関係してくるのかしら……?」

 

オリビエ「さて……今の所全く見当もつかないねぇ」

 

ルグラン爺さん「ふむ、儂の方からも帝国のギルドに問い合わせてその辺りの事情を探っておくか。……まぁ『ハーメル』の事はそのくらいにしとくとして……お前さん達に報酬を渡しとこう」

 

そう言ってルグラン爺さんはエステル達に報酬を渡した。

 

ルグラン爺さん「本当にご苦労さんじゃったのう。遊撃士として面目躍如の活躍じゃよ」

 

エステル「えへへ、照れるわね」

 

アガット「けど結局『実験』は行われたけどな」

 

シェラザード「そうね……これでリベール全土で結社は《実験》をした訳だわ。次がどうなるか……」

 

 

 

 

 

 

 

ルグラン爺さん「それなんじゃが……お前さん達、ここらで骨休みをせんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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