閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第109話

エステル「骨休みって……どういう事?」

 

ルグラン爺さんの言葉の意味をその場にいた全員が測りかねていたがエステルが代表として聞いた。

 

ルグラン爺さん「そのままの意味じゃよ。おぬし等はルーアンから始まった五つの事件、疲労が溜まっておるじゃろう?休息を取らないと身体を壊してしまうぞ」

 

エステル「う〜ん、気持ちは有り難いんだけど……」

 

シェラザード「次に《結社》がどう動くか分からない以上迂闊に休んでいる訳にはいかないわね……」

 

ルグラン爺さん「そこは大丈夫じゃろう、今回の竜騒ぎの一件で王国軍は警戒を厳にした。その分こちらに余裕が出来たと思っても良かろう。それに……クルツ達が目星をつけたみたいじゃしな」

 

その言葉に全員の目の色が変わった。

 

アガット「目星ってのは……結社のアジトが見つかったって事か!?」

 

ルグラン爺さん「うむ、数日中には確かな情報が手に入るそうじゃ。もし、奴等のアジトが判明すれば忙しくなるのは間違い無い、じゃから休める内に休んでおいて欲しいのじゃよ」

 

エステル「そっか……」

 

ジン「ふむ……そういう事ならお言葉に甘えさせて貰おう、コンディションの調整も遊撃士の仕事と言えるからな」

 

シェラザード「確かに……」

 

アガット「ここいらで軽く一休みも悪くねぇか」

 

他の仲間達もそれなら……と納得した。

 

オリビエ「ふ、いい感じに話がまとまってきたじゃないか、しかしご老人。骨休みを勧めるという事はうってつけの場所に心当たりがあるのかな?」

 

ルグラン爺さん「ホッホッホ……鋭いの、実はメイベル市長から良い物を貰っておるんじゃ、竜事件の報酬とは別にの」

 

エステル「市長さんから……?」

 

ルグラン爺さん「はっきりと言うと、南の湖畔にある《川蝉亭》の特別宿泊チケットじゃよ。お前さん達全員が三日間ただで泊まれるぞい」

 

ルグラン爺さんはそう言ってチケットを出した。

 

オリビエ「おぉ……流石メイベル市長」

 

クローゼ「フフ、先輩らしい心遣いです」

 

ティータ「あのあの!それって皆でお泊りをするって事ですか?」

 

シェラザード「フフ……そうよ。ヴァレリア湖畔にある眺めの良い宿屋でね。お酒も料理も美味しいし、船遊びも出来るわよ?」

 

ティータ「わぁ……!」

 

ジン「ふむ、そいつは中々良さそうだ」

 

アガット「へッ、確かにあそこならいい気分転換になるかもな」

 

それぞれが思わぬ休暇に思いを馳せた。

 

リィン「確かにエステル達は休みなんて無かったし、休養楽しんでくればいい」

 

リィンは笑顔で見送ろうとしたが……

 

エステル「へッ……何言ってんの?リィン達も一緒よ?」

 

エステルに不思議そうな顔で言われた。

 

リィン「え?」

 

リィンが思わず呆けた声を出すとクローゼがリィンの前に立った。

 

クローゼ「だからリィンも一緒に泊まるの、大体なんで自分は関係ないなんて思う訳?チケットの枚数をちゃんと見た?」

 

クローゼがチケットを見せると確かにこの場にいる全員分がある……

 

リィン「いや、でも……」

 

シェラザード「貴方も私達に負けず劣らず帝国や共和国を駆け回ってたわよね?それなら充分休みを取る理由にはなるんじゃない」

 

ジン「さっきも言ったが休む事も仕事のうちだぞ」

 

ティータ「あのあの!皆で遊びたいです!」

 

オリビエ「フ、メイベル市長のご厚意を無碍にするのは失礼だよ?」

 

アガット「ま、お前を迷惑がる奴はこのメンバーにはいないぜ」

 

皆それぞれが言った。

 

リィン「えっ……と?」

 

リィンは信頼するフローラとクローゼに視線を向けると……

 

フローラ「……」

 

クローゼ「リィン……」

 

フローラは笑って頷き、クローゼはじっと見つめていた。

 

リィン「……分かった、一緒に行くよ」

 

リィンは溜息をついてそう言った。

 

その後エステル、シェラザード、アガット、ティータの四人はギルドの掲示板に残った依頼を処理してからヴァレリア湖に向かう事になり、リィン達は先にヴァレリア湖に向かいチェックインを済ませる事になった。

 

 

 

ジン「お、着いたな。ここが今日泊まる宿か……良い感じじゃないか」

 

間道を抜け宿を見たジンはそう言って目を細めた。

 

オリビエ「ふ……コレは期待以上かもしれないね」

 

オリビエもリュートを出して奏でようとしている。

 

フローラ「私達も何気にここに来るのは初めてですね」

 

リィン「そういえばそうだな……前回も手前の《琥珀の塔》までしか行かなかったしな」

 

クローゼ「……え?《琥珀の塔》に何の用事で行ったの?」

 

リィンの両隣にフローラとクローゼと歩きながら喋っていた。

 

リィン「まぁ……少しな、それよりもさっさと《川蝉亭》にチェックインを済まそう」

 

リィン達はそう言って《川蝉亭》の扉を開けると中に見知った顔がいた。

 

ケビン「なんや?リィン君達やないか、久しぶりやなぁ……」

 

リィン「ケビン神父?それはこっちの台詞です」

 

それは巡回神父のケビンだった。

 

ジン「ほう、何時ぞやの神父殿か。こんな観光地でも説法を説きにでもきたのか?」

 

ケビン「いや〜実はアレから俺《四輪の塔》の調査をしてましてね?色々分かった事があるからここら辺でエステルちゃん達と情報交換したいと思うて参上した次第ですわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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