閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第111話

その夜、エステル達は一連の流れをケビンに伝えた

 

ケビン「成る程……随分ごっつい事があったもんやな、まさか伝説の古代竜がリベールに棲息しとったとはな。しかも《輝く環》についても警告して何処かに飛び去ってたときたか……」

 

エステル「うん……色々あり過ぎて頭が処理しきれないかも……どうして竜が輝く環について口を噤んだのかも分からないし……」

 

ケビン「実は教会の聖典にはこんな一節があってな……『至宝を授けし女神、聖獣を遣わし人の子らの行く末を見届けさせん』」

 

フローラ「………」

 

クローゼ「聖獣に至宝……それぞれ『竜』と『輝く環』がそれに当てはまりますね」

 

オリビエ「しかも『見届けさせる』という言葉もポイントかもしれないね。ただ見守るだけで手助けしてくれる訳では無いらしい」

 

アガット「ハン……ケチくせぇ話だな」

 

アガットの言葉に隣り合うリィンとフローラは顔を見合わせて苦笑した。

 

ケビン「いずれにせよ。これで《輝く環》は実在している可能性は高くなった。俺が調べた事と突き合わせると色々と推測できるんやと思うけど……」

 

エステル「ケビンさんが調べていた事って《四輪の塔》についてよね?何か分かった事があるの?」

 

ケビン「まぁ、一応な……四つの塔の頂上にある用途不明の古代装置やけどな……アレが今光って動いてるんは知っとるか?」

 

エステル「そういえば……琥珀の塔で魔獣退治をしてた時にも光ってたわね」

 

ケビン「あぁ……それとこれはあのユリア大尉から教えてもろうたやけど……城の《封印区画》の最奥で巨大な機械人形の化け物が現れる直前に奇妙な出来事があったそうやな?」

 

エステル「あ、うん……確か《ゴスペル》が使われた時遺跡の照明が全て消えて……その後警告の声が聞こえてから周りの柱が下に降りたのよね」

 

クローゼ「警告の内容は《第一結界の消滅》と《デバイスタワーの起動》……確かにそんな事を言ってました」

 

ケビン「そうそう、それです。で、目撃証言とかも合わせて調査した結果分かったんが……四つの塔の装置が起動したのがまさに《封印区画》で《ゴスペル》を使われた時間と同じなんですわ」

 

ケビンのその言葉に全員が息を呑んだ。

 

ティータ「じ、じゃあ警告にあった《デバイスタワーの起動》って……」

 

ジン「十中八九、四輪の塔の屋上にある装置の起動を意味しているのだろうな」

 

ケビン「えぇ、それ以外には考えられへんと思います」

 

オリビエ「ふむ……状況を整理すると……グランセル城の地下遺構には《第一結界》なるものを作り出す装置があった。だが大佐が《ゴスペル》を使った事によって《第一結界》は解除されてしまった」

 

クローゼ「そして、その代わりに《デバイスタワー》が起動した……もしかしたら《第二結界》なるものもあるかもしれません」

 

エステル「《第二結界》……」

 

アガット「へッ……第一もあれば第二もある……道理だな問題はその結界とやらがどういう代物なのかだ……」

 

ケビン「それやけど……多分、《輝く環》を隠しておく為の物やと思う」

 

その言葉に全員納得した。

 

エステル「そっか……封印区画には輝く環は無かった……このリベールのどこかに隠されているって話だったわね?」

 

ケビン「そゆこと、そして結社の目的が《輝く環》を手に入れる事なら……連中の『実験』とやらもその目的を達成する為の手段だと考えた方がええやろ」

 

リィン「……」

 

オリビエ「輝く環、ゴスペル、結社による実験……フフ……全てが繋がってきたね。そしてその画を書いているのは《教授》なる人物なわけか」

 

エステル「うん……竜の額にゴスペルを埋め込んでボースを襲わせた張本人、そして………多分ヨシュアが居なくなった元凶かもしれない」

 

ティータ「え?」

 

クローゼ「それは……どういう事ですか?」

 

シェラザード「もしかして……五年前、ヨシュアが先生に引き取らる事になった原因を作った……?」

 

エステル「うん……それからリシャール大佐とクルツさんの記憶を操作した人物も同じだと思う」

 

アガット「なにッ!?」

 

ジン「ふむ……確かに記憶操作の一件は未だに解明されていないが……どうしてそう思うんだ?」

 

エステル「うん、実は……」

 

エステルはヨシュアが消えた夕方の日にあった人物がどうしても思い出せ無いことを説明した。

 

シェラザード「そんな事が……」

 

フローラ「エステルさん、今までそんな物を抱えてたんですか?」

 

エステル「そういうつもりは無いけど……ごめん、話すのが遅れたわ」

 

クローゼ「でも、間違いなさそうですね。その人物が様々な事件の黒幕である可能性は高いと思います」

 

オリビエ「ふむ、かなりえげつない性格の人物かもね」

 

ジン「あぁ、注意する必要がありそうだ」

 

ティータ「………」

 

エステル「ってごめんね。ティータ、折角遊びに来たのにこんな暗い話しちゃって……」

 

ティータ「ううん、それは良いの……でも、その人はなんでそんな事が出来るんだろうって……お姉ちゃんや他の人達も苦しめて……分からなくて……」

 

エステル「もう〜!そんな奴の事なんか分からなくたって良いの!」

 

エステルはティータの頭を撫でた。

 

ティータ「お姉ちゃん……」

 

エステル「ティータはティータらしく……ね?アガット」

 

アガット「だからなんで俺に話を振るんだよ……」

 

その言葉で周りの雰囲気は和らいだ。

 

ケビン「……」

 

エステル「ん?どうしたのケビンさん、他に何か気になる事でも?」

 

ケビン「あぁ悪い、折角話が一段落ついたばっかなのにもう一つ、エステルちゃん達が出会った竜とは別の存在の事や」

 

エステル「古代種のことね?そういえば教会は何か知らないの?」

 

ケビン「いや、残念やけど教会も如何なる古い文献には『古代種』についての記述はなかったわ。寧ろエレボニア帝国なら詳しくはないので?」

 

ケビンはオリビエとリィン、フローラに視線を向けた。

 

オリビエ「ふむ……残念ながら僕もあまり知らないかな、帝国時報の記事では数万年前の太古に栄えた生物と書かれていた……多分他の民衆も似たり寄ったりの認識だと思うよ」

 

ケビン「さよか……リィン君達は、何度か交戦したらしいみたいやけど……」

 

リィンはフローラと視線を交わした。

 

リィン「……少なくともアレは魔獣とは違うと断定出来ます」

 

オリビエ「違う?」

 

リィンは頷いた。

 

リィン「奴等は従来の魔獣避けや七耀石なんて興味は示しません。ただあるのは《生き物を喰らう》という生物としての欲求です。そしてそれは人を喰らう事が可能な獣であり、今もどこかに潜み、機会を伺ってるでしょう」

 

 

 

 

その後皆で楽しく美味しい夕食に舌鼓をうった。

 

 

 

 

 

 

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