閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第112話

クローゼ「………ン、……ィン……リィン、起きて、朝よ」

 

リィン「……ん…?」

 

寝ていたリィンを揺さぶられているのを感じ、うっすらと目を開けるとそこにはクローゼがリィンの顔を覗き込んでいた。

 

クローゼ「おはよう、リィン?」

 

リィン「あぁ……おはよう、クローゼ……でもなんでクローゼが……?」

 

クローゼ「もう、忘れたの?昨日は皆でお休みでヴァレリア湖の宿に泊まったじゃない」

 

リィン「……そういえば、部屋割りもクローゼと同室………で…」

 

リィンは漸く頭が回転してきて自らが置かれた状況を思い出し、クローゼを見た。

 

リィン「あの、クローゼさん?一つ尋ねたいんだけど……」

 

クローゼ「なにかしら?」

 

リィン「それ……寝間着ですよね?」

 

クローゼ「そうね、さっきまで寝ていたから寝間着は当然着てるわね」

 

リィン「じゃあ……なんでそんなに生地が薄いんでしょうか?」

 

そう、クローゼの寝間着は清楚な白色だが、色々な意味で薄くクローゼの肌が……寝間着越しに見えてしまう。

 

クローゼ「フフ、どうしたの?もしかして……目のやり場が困ってるの?」

 

クローゼはそう言って隠すでもなく自身の寝間着を指でなぞる。クローゼの花のような香りがリィンの鼻腔に擽る。

 

リィン「あ、いや……確かに目のやり場に困るというか……男としては刺激が強すぎるというか……」

 

クローゼはそんな恋人の姿にクスリと悪戯っぽく笑った。

 

クローゼ「そんなに顔を紅くして……ちゃんと女の子として見てくれてるみたいで安心したわ」

 

リィン「いや、そりゃ好きな人にこんなに間近に迫られて顔を紅くするなって云う方が無理あるだろ……」

 

クローゼは更に笑ってリィンの頬に優しく手を添えた。

 

クローゼ「クスクス……なんなら手を出しても良いのよ?」

 

クローゼは少女から大人の女性へと変わる。今しか見られない魅力溢れる笑顔で言った。

 

リィン「凄い魅力的な提案だけど……流石に休日の趣旨違わなくないか?」

 

クローゼ「それもそうね……でも、 冗談でもなんでもなく、何時でも手を出していいからね?」

 

クローゼはそう言うとリィンの唇に軽く口づけを交わした。

 

クローゼ「さぁ、いい加減に起きましょ?エステルさん達も起きる頃よ」

 

クローゼは名残惜しげにリィンから離れて着替える為に自分の服をクローゼットから取り出した。

 

リィン「……着替えるか」

 

リィンはまだクローゼの香りが頭から離れないが取り敢えずリィンも服に着替える為起き上がった。

 

そして着替え終わり、二人で部屋を出ると丁度エステル達も出て来た。

 

エステル「あ、リィン、クローゼ、おはよう〜よく眠れた?」

 

リィン「あぁ、おはよう」

 

クローゼ「フフ、おはようございます。エステルさん、シェラザードさんもティータちゃん、フローラさんも」

 

シェラザード「えぇ、おはよう二人とも。朝から仲良いわね」

 

ティータ「あ、おはようございます!」

 

フローラ「リィン様、クローゼ様、おはようございます」

 

他の女性陣も挨拶を返した。

 

リィン「アガットさん達は……まだですか?」

 

アガット「いや、もう起きてるぜ」

 

そう言うとアガットさん達男性陣も出て来た。

 

ジン「よう!おはようさん!!今日は良い天気だぞ」

 

オリビエ「フ……絶好の休日日和という奴さ」

 

ケビン「いや〜楽しみやね〜」

 

エステル「これで皆揃ったわね。じゃあ下に降りて朝食を取ったら早速遊ぶわよ〜!!」

 

エステルはそう言って下におりていった。

 

 

 

 

 

 

それからはエステルの言う通り皆それぞれ休日を満喫している。釣りをしたり、酒を呑んだり、ボート遊びをしたり、そしてリィンも……

 

リィン「……釣れないな」

 

リィンはヴァレリア湖に釣り糸を垂れ下げていた。

 

フローラ「リィン様、お飲み物をどうぞ」

 

そこにフローラが冷たい飲み物を持って来た。

 

リィン「ありがとう、だけどフローラも折角の休日だ、程々にしとけ」

 

リィンは飲み物を受け取りながら言った。

 

フローラ「はい、ご安心を。この後シェラザードとオリビエと飲む予定ですので」

 

リィン「ハハ……潰すなよ?」

 

フローラ「オリビエは兎も角、シェラザードなら平気でしょう」

 

リィン「フ……なぁフローラ、昨晩の四輪の塔の話……もう引き返せない段階なんだな?」

 

フローラ「……はい、調べた限り最早私でも不可能です。可能性があるとすれば私がグランセル城の封印区画に潜り制御すれば可能かもしれませんが……強引にすればリベールにどんな災害を引き起こすか想像出来ません」

 

リィン「なら却下だな……上手く立ち回れ無かった俺の責任を痛感するよ」

 

リィンは釣り竿を強く握りしめた。

 

フローラ「御自分をお責めにならないでください。どんなに上手く立ち回ろうとしても、いずれはこの日が来たでしょう。少なくとも私がいれば最悪の事態にはさせません」

 

フローラは力強く言った。

 

リィン「……フッ、心強いな。なら信頼してるよ、フローラ」

 

フローラ「お任せください」

 

フローラは微笑みながらそう言って一礼してから去って行った。

 

その後すぐにオリビエが来た。

 

オリビエ「やぁリィン君、ちょっと良いかな?」

 

リィン「なんですか?シェラザードさん達と飲むのを回避したい相談なら無理ですよ」

 

オリビエ「いや、それは切実に回避したいのだが……そっちでは無くて、リィン君に頼みたい事があるんだ」

 

リィン「頼み?オリビエさんが?」

 

リィンは怪訝な顔をしてオリビエを見つめた。

 

オリビエ「うん、実は僕には本国に血の繋がらない義妹と義弟が居るんだ。リィン君には是非二人に会って欲しいんだ」

 

リィン「義姉弟ですか?なんの為に俺を会わせる必要があるんです?」

 

オリビエ「いや、実は二人は家庭の事情で少々……いやかなり世間一般の感覚とは懸け離れてるんだ。だからリィン君には二人に世界を教えて欲しいんだ」

 

リィン「成る程……理由は分かりましたが、それならオリビエさんが教えるべきじゃないですか?顔も知らない男よりも義兄の方が信用出来るでしょう?」

 

オリビエ「まぁ……そうではあるんだけどね。立場がね……」

 

オリビエは歯切れが悪そうに答えた。

 

リィン「………複雑な環境みたいですね?なら尚更俺は不適任では?」

 

オリビエ「いや、君なら大丈夫だ。僕が保証するよ」

 

リィンはフッと笑って言った。

 

リィン「………オリビエさんの保証程信用は出来ませんが……」

 

オリビエ「酷っ!?」

 

 

リィン「ただまぁ……都合がついたら会っても良いですよ。どこまでその子たちの参考になるかは分かりませんが」

 

 

 

 

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