リィン「はい、これでラスト」
「ぐあッ!?」
リィンが最後の一人をリヒトでライフルごと斬ると男は地面に倒れ込んだ。
フローラ「リィン様、こちらも制圧完了しました」
フローラの方も周りに《結社》の兵士達が転がっていた。それを人形兵器――スクルド達が一か所に集めて見張っていた。
「クソ………ッ!我等《強化猟兵》がこんな餓鬼達に……!」
敵の一人が武装解除して両手をあげながら悔しげに呟いた。
リィン「フン、《強化猟兵》……ね?本物の猟兵を見た事無い奴の言う台詞だな」
「……何だと!我々は……ッ!?」
リィンはリヒトを隊長格の喉元に突きつけた。
リィン「さて………無駄話はする気は無い、質問に答えてもらおうか、貴様達はヴァレリア湖の北西の施設から来たな?」
「……そうだ」
リィン「そうか……なら次の質問だ。お前達が捕らえた遊撃士達……彼女達はどうした?」
「そ、それは………」
リィン「答えろ」
リィンはリヒトを隊長格の首筋にあてた。
「あ、アイツらは《教授》が暗示をかけて施設を護る様に命じられた!我々はわざと逃がした遊撃士が味方を呼び寄せて施設に侵入したら入れ違いにこの宿にいる連中を襲撃する様に命じられたんだ!!」
隊長格は慌てて喋った。
フローラ「ジン殿の見立て通りでしたね」
リィンは頷いた。
リィン「だな……では施設は殆ど兵が居ないのか?」
「そ、そうだ。操ってる遊撃士共の他には人形兵器しか居ない…あそこはもう放棄命令が下された。重要書類は全て処分したから何も手がかりは無いぞ」
隊長格はそう言って勝ち誇った顔で言ったがリィンは鼻で笑った。
リィン「ふ、そんなに物は幾らでも調べる方法はある。さて……お前達は王国軍か遊撃士協会に引き渡す、それまで大人しく……!」
リィンは殺気を感じ顔を逸らすと矢が飛んで来たので手で掴んだ。
フローラ「……またお客様の様ですね」
フローラは棍を再び構えた。
リィン「そのようだな、しかもコイツらよりも強そうだ」
「あらあら、私の矢を素手で掴んでおいて過分な評価は痛み入るわ」
暗闇から出て来たのは甲冑姿の蒼い髪の女性だった。左手には弓がにぎられていた。
「今晩は、貴方がマスターの兜を割った男の子ね?それに……」
女性はフローラの方に視線を向けた。
「本当にマスターとそっくり……髪の色を金髪にして髪型も一緒にして服も同じにすれば私達でも間違えるかも」
女性は頬に手を当ててそんな事を呟いた。
リィン「マスター……ね?そういう貴女は槍の聖女の家臣かな?」
そうリィンが言うと女性は笑った
「フフフ、家臣なんて上等な物では無いわ。でもマスターの配下という意味では合ってるわ。自己紹介するわ」
女性はそう言って名乗り始めた。
「槍の聖女アリアンロードの配下の一人、魔弓のエンネア。そう呼ばれているわ。以後宜しく覚えてね?」
「き、貴様!!何を呑気に自己紹介なぞしている!さっさとコイツを片付けろ!!」
隊長格は自分達が無視されたと感じて声を荒げた。エンネアはそれを冷ややかに見て答えた。
エンネア「あら?勘違いしてるみたいだけど私は貴方方の支援に来た訳では無いのよ」
「何だと………!?」
エンネア「第一、己の実力と彼の実力を推し量れない者が偉そうに吠えない方が良いわよ?プロを名乗るならね」
「く……ッ!」
隊長格は唇を噛み締めた。
エンネア「とはいえ………このまま拘束されるのは面白くないわね…ねぇ、彼等を見逃してくれたら一つ彼女達が今どうなっているか教えるわよ?」
エンネアはそんな提案をしてきた。
リィン「彼女達……?それはエステル達の事か?それとも施設に囚われている遊撃士達の事か?」
エンネア「それは君が彼等を見逃してくれたら教えるわ、さて返答は?」
リィン「………」
リィンはフローラに視線を向けるとフローラも黙って頷いたのでリィンはスクルド達に下がる様に指示した。
「く……ッ後悔するなよ!!」
強化猟兵達はそう捨て台詞を吐き捨てて暗闇に去っていった。
リィン「………これで満足か?」
エンネア「えぇ、約束通りに教えるわ」
エンネアは弓を納めてリィンに衝撃的な話を告げた。
エンネア「エステル・ブライトは結社によって拉致されたわ。アネラス・エルフィールドと一緒にね」