ロゼは胸を張ってドヤ顔をしていたがシェラザードはジト目でロゼに近づいてきた。
シェラザード「こら、駄目でしょ!子供がこんな夜中に外に出てきて!!」
ロゼ「へっ………?」
ロゼはきょとんとした顔でシェラザードを見つめた。
シェラザード「お父さんやお母さんは!?川蝉亭に泊まってるのなら直ぐに部屋に戻りなさい!!ほら、お姉さんが送ってあげるから!」
シェラザードはロゼの背中を押した。
ロゼ「ちょっ……!ちょっと待つのじゃ!?ワシは童(わらべ)じゃないぞ!?立派な大人……!!」
ロゼはとんでもない勘違いされているのに気付いて慌てて叫んだ。
シェラザード「はいはい、背伸びしたい年頃なのは分かるわ。でも子供は眠る時間よ」
ロゼ「絶対分かっておらんじゃろ!?そこの七耀教会の巡回神父!見てないで説明を………!」
ケビン「いや〜なんの事やら?教会はお嬢ちゃんの様な知り合いはおらんと思うけどな〜?」
ケビンはニヤニヤしながら言った。
ロゼ「嘘つけい!?絶対妾の事を分かっておるじゃろう!当時の記録は教会にも残っておるじゃろ!?」
アガット「なんだ、その年寄り臭い喋り方は……?ただのガキかよ、警戒して損したぜ」
アガットも呆れて武器を降ろした。
ロゼ「ガキでは無いわァァァ!!!きちんとした大人!八百年生きたピッチピチの魔女じゃ!」
クローゼ「ええっと……ロゼちゃん、そういう設定はお友達と一緒にしようね?」
クローゼも困った顔でロゼに告げた。
ロゼ「だから違うと言っておろうに!?」
リィンはこのままでは話が進まないと判断して声をかけた
リィン「あ〜、エマの祖母ですね?彼女から話は伺っています」
シェラザード「……へっ?祖母……?やぁね〜リィン。冗談が上手いんだからどう見ても十才かそこらよ。ねぇ、フローラ?」
フローラ「………」
シェラザード「……え?マジ……?」
アガット「おいおい……」
クローゼ「ねぇ、リィン……」
リィン「ん?」
クローゼ「後で詳しいお話聞きたいな?エマって娘の」
リィン「………はい」
ロゼ「はぁはぁ、ようやく本題に入れるわい………改めて名乗ろうかのう。ワシはエレボニア帝国に拠点を置いている魔女(《魔女の眷属》(ヘクセンブリード))のロゼ・ミルスティンじゃ以後宜しくのう」
シェラザード「魔女……!?」
アガット「おいおい、アイスフェルト……お前どんな旅をしたら魔女なんて知り合うんだ?」
リィン「いや、普通に帝国内を旅してただけなんですけどね?」
リィンは肩を竦めた。
クローゼ「ロゼって…《赤い月のロゼ》と何か関係があるんですか?」
ロゼ「あ、それはワシがモデルじゃ」
アガット「……は?」
アガットは呆気にとられた。
ロゼ「だからあの小説のモデルはワシじゃと言ったのじゃ、疑うならそこの巡回神父に聞いてみるがよい」
シェラザード「ちょっと!?アレ軽く二百年前の吸血鬼事件のエピソードが元よ!?当時の人なんて………!」
ケビン「いや、事実ですわシェラザードさん」
ケビン神父が語りだした。
ケビン「当時の七耀教会にはとある人物と共同で事に当たった記録が残されてますわ。その名前が『ロゼ』や……」
シェラザード達は絶句した。
ロゼ「ま、基本引きこもっておるからのう……この場に居るお主らよりも年配じゃ」
ロゼは笑った。
フローラ(………その理屈なら私が一番年上になってしまうわね)
リィンにしか聞こえない様にボソッとフローラが呟いた。
リィン「……それで、エマの祖母殿が一体何の御用でしょうか?」
ロゼ「ふむ………、リィンと申したか。エマから聞いたが……成る程のう…」
ロゼはリィンをじろじろと観察した。
リィン「……何か?」
ロゼ「……いや、何でもない。のうお主、ワシがお主を……結社の船に連れて行くと言ったら、どうするかのう?」