「エ、エステル………?アネラス……?何の事だ…?ひっ!」
リィンは敵兵の首筋にリヒトの刃を近づけた
リィン「惚けるな、女性遊撃士二人がこの船に連れてこられたのは分かってるんだ。もう一度聞くぞ、二人はどこだ?」
リィンは冷徹な目で射抜いた。
「し、知らない!本当だ!!俺は末端の構成員だ!捕虜がこの船に収容されたのは知ってるがそれ以上は知らないんだ!!」
敵兵は慌てて叫ぶ様に答えた。
リィン「……なら捕虜が収容される場所は分かるな?」
「そ、そこの端末からこの船の見取り図は出る筈だ……!」
敵兵が目線をこの部屋に備え付けられていた端末にやった。
フローラ「………リィン様、その男は嘘はついてない様です。この端末からこの船、グロリアスの見取り図が出ました」
端末を操作したフローラがそう言った。
フローラ「この船は全部で五層に構成されているようです。一番上はブリッジと甲板、二層目は幹部の専用個室と聖堂と呼ばれる部屋があるようです。三層目、四層目は一般兵に割り当てられてて私達はその三層目の部屋にいるみたいです。そして一番下の五層目が機関室と小型艇の格納庫の様です」
リィン「……なら捕虜を収容する牢は何層目だ?」
フローラ「少々待って下さい……出ました。四層目の船尾側にあります。ここからなら部屋を出て左側に向かって進んで階段を降りた方が近いです」
「し、知ってる事は全て喋ったぞ!!た…頼む、殺さない……ふぎゃ!?」
リィンは敵兵の鳩尾に拳を当てて気絶させた。
リィン「殺しはしないさ……さてフローラ、急ごう。まずはその牢からだ」
フローラ「はい!」
リィンとフローラは武器を構えて部屋を出ると慎重に進んだ。
リィン「結社の人形兵器も居るな……」
フローラ「ええ、ですがやりようはあります」
フローラはゴスペルを操作すると二人の身体が消えた。
フローラ「光学迷彩を搭載しました。これで向こうからは私達はみえません」
フローラの顔は見えないが誇らしげに言っているのは分かった。
リィン「呆れたな……まぁ良い、行こう」
リィン達は巡回する兵士や人形兵器に気をつけながら進み、階段を降りてすぐの通路に入ると捕虜を収容する牢屋が目に入った。そしてそこにはアネラスさんが囚われていた。
リィン「アネラスさん……!」
フローラ「リィン様、見張りが二人です………仕掛けますか?」
リィン「勿論だ。フローラ、光学迷彩を解いたら速攻で片づけるぞ」
フローラ「了解、光学迷彩解除します」
フローラはそう言って光学迷彩を解除した
「なぁ……!?き、貴様ら一体何処から!?」
「こ、光学迷彩!?馬鹿な!我々以外に………」
アネラス「リィン君!?フローラちゃん!?」
リィン「遅い!!」
「ぎゃっ!?」
リィンは敵兵の一人を殴り飛ばし
「き、きさ――!」
フローラ「隙ありです!」
「し、しまっ――ぐへっ!?」
もう一人もフローラの棍で沈んだ。
アネラス「二人共、どうしてここに……!?」
リィン「少し待ってください………フローラ、そっちは!?」
リィンは倒した敵兵の懐に鍵が無いか探っていた。
フローラ「リィン様!ありました!これを……!」
フローラは敵兵から鍵を取り上げると鍵をリィンに投げ渡した。リィンはそれを受け取ると鍵を使い、アネラスを救出した。
アネラス「あっ……」
リィン「遅くなりました。無事で良かった…」
アネラス「……っ!!」
アネラスはリィンに駆け寄り抱きついた。
アネラス「……来てくれたんだ!こんな敵地深くまで!!」
アネラスは震えていた。
リィン「当然です。ここで助け出さない選択肢はありませんよ」
リィンもアネラスの頭を撫でて落ちつかせた。
アネラス「うん……でも私がドジ踏んでエステルちゃんが……」
リィン「それだって貴女の責任では無いですよ。それよりもエステルは?」
アネラス「うん……エステルちゃんは私と違って《執行者》の連中の方が用があるらしくて執行者の専用フロアに………」
リィン「そうですか……アネラスさん俺達はこれからエステルの救出に向かいます。アネラスさんは……」
アネラス「当然…!私も行くよ!!」
アネラスはリィンから離れて力強く言った。
アネラス「ここでじっとしているのは性に合わないし、何よりも私もエステルちゃんを助けたいから!」
リィン「……ふぅ、そう言うと思いました。フローラ!」
フローラ「はい、アネラスさんの押収されてた武器は見つけました。どうぞ」
フローラはアネラスの剣を渡した。
アネラス「わぁ…!ありがとうフローラちゃん!よぉし!これでアイツらに借りを返してやるわよ〜!!」
アネラスは気炎を上げた。
リィン「ハハ………」
すると突如として警報が鳴り響いた。
アネラス「わわっ……!もう気づかれた!?」
フローラ「いえ……これは……」
するとアナウンスが流れてきた。
『緊急事態発生!緊急事態発生!捕虜のエステル・ブライトが逃走した!!繰り返す!エステル・ブライトが逃走した!全ての警備システムを起動し対象を捕獲しろ!!』