閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第十九話

俺達はとりあえず従業員から報酬を貰いロレントを発った…

 

リーシャ「本当にごめんなさい、大丈夫だって言ったのに従業員の皆さん心配性みたいで…」

 

リィン「いや、従業員の心配も理解出来ますよ。その目…見えてないのでしょう?」

 

その問いにリーシャは頷いた…

 

リーシャ「ええ…ちょっと仕事でミスをしてしまいまして、お医者様も神父様も光は取り戻せないと仰って…」

 

フローラ「仕事は何をなさっていたんですか?」

 

リーシャ「掃除屋みたいな物です。父も祖父も代々同じ仕事をしていて私がその後継いだ…という事です」

 

フローラ「掃除屋…ですか、それにしては随分と足取りが軽いというか目が見えないとは思えない程障害物を避けていますね?」

 

リーシャ「フフフ、私こう見えても武術を嗜んでるんですよ。だからこの程度は慣れたものですよ」

 

フローラ「そう…ですか」

 

その言葉を聞いてフローラは俺に通信を送ってきた。俺の右耳には小型イヤホンみたいな通信機を装着していて、これでいざという時に離れても互いに通信出来る代物だ。

 

フローラ『どう思われますか?』

 

リィン『まぁ間違い無く唯の掃除屋ではないだろうね…嗜むレベルの足捌きではない、あれはそういう生業にしてる人間の足捌きだ』

 

フローラ『やはりリィン様もそう思いますか、では彼女は…』

 

リィン『いや、多分それは無いと思う。目が見えないと言うのも本当みたいだし、何よりこんな〘暗殺者〙が俺達を狙う理由もない』

 

《黒》であれば理由をでっち上げる事も可能かも知れないが…其処までするメリットもないしな、せいぜい俺を《不死者》にする位だろう

 

リィン『だから警戒はしなくても良い…いや、別の意味で警戒はした方が良いかも知れない』

 

フローラ『別の…?あぁそういう事ですか?了解しました』

 

リーシャ「あの…?どうかなさいましたか?」

 

リィン「いえ、なんでもありません。それでボースに着いたらもう良いのですか?」

 

リーシャ「はい、着いたら市内を観光するだけなので大丈夫ですよ」

 

彼女はそう言ってるが…ふむ?

 

フローラ「リィン様、リーシャさんもうすぐボースに着きますよ!」

 

やっと着いたか…

 

ボースはリベール王国王都グランセルに次ぐ規模の都市で商人達が集う、ボースマーケットは国内外の様々な商品が置かれ経済が活発である。因みに市長は年若き女性であるとの事だ。

 

フローラ「やっと着きましたね、それにしても活気がありますね…」

 

リィン「リベール国内ではグランセルの次に栄えてる街だからな、当然といえば当然だろう…」

 

リーシャ「リィンさん、フローラさんここまでの護衛ありがとうございました。ここでお別れしましょう」

 

リィン「それは構わないのですが…」

 

フローラ「大丈夫ですか?ホテルまで送りますよ?」

 

リーシャ「いえ、本当に大丈夫ですので…私はこれで」

 

そう言って彼女は歩いていく姿を見送った俺達は互いに頷き合い行動を開始した…

 

 

 

 

 

 

 

 

リーシャSide

 

あはは、私何やってるんだろう…父さんから継いだ《銀》としていつもの様に【暗殺対象】を殺ったのまでは良かったのに、まさか最後の力を振り絞って両目を斬りつけられるとは思わなかったなぁ…しかも左手の腱までやられてしまうなんて…

 

闇医者は左手は握力は日常生活程度なら送れると言ってたけど得物を握るのは無理と言われて両目も回復の見込みは無いなんて…もう《銀》としては無理だよね?

 

もう絶望した私は死に場所を探す旅に出たわ。幸い父さんの遺産と今迄の【暗殺】の報酬があったから旅の資金には困らなかったわ…共和国を出て最初にリベールに来たけれど、色んな人が私を心配してくれたなぁ…私はこんなにも血で濡れた手なのに、どんなに言い訳しても相手が悪人だろうと〘人〙の命を奪ったのに…

 

アンセル新道に入って私は《琥珀の塔》向かったわ…あそこなら人に迷惑をかけないし、人知れずに亡くなるなんて暗殺者にはお似合いの末路だわ…

 

そう思ってたのに魔獣が出てきたわね。以前の私ならこの程度の敵なんて目じゃなかったのに…でも魔獣に喰われるのも同じかしら、ヴァレリア湖目当ての観光客が私の死体を目撃するのは申し訳無いけど…ゾロゾロと来たわね?これで最後かしら…

 

それにしても…フフ、あの二人も妙な組み合わせだったなぁ。一人は私と同い年位のメイドに少し年下の男の子…貴族では無さそうだけど互いに確かな絆があったなぁ…

 

嗚呼出来るならば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーシャ「もう一度…会ってお話ししてみたかったなぁ…」

 

 

 

 

 

 

リィン「黑神一刀流 九十九颯」

 

リーシャ「え…?」

 

フローラ「リィン様!掩護します!」

 

な…なんで?二人がここに…それに今黑神って…

 

リーシャSide OUT

 

 

リィン「ふう…殲滅したな、フローラ!そっちはどうだ!?」

 

フローラ「こちらも完了しましたリィン様!当分は安全です!」

 

 

なら良し、さて…

 

リィン「あまり感心出来ませんね?一人で、ましてや目が視えないのに…」

 

リーシャ「どう…して?」

 

リィン「そのどうしてが何故ここに居るのが判ったのか?なら簡単です。貴女の服に発信機を取り付けてたんですよ。背中の部分にね…」

 

フローラ謹製の超小型の発信機だ。どんなに目を凝らしても気づくまい。

 

リーシャ「なんで…なんで…なんで!助けたんですか!?私は罪人ですよ!?暗殺者ですよ!?如何なる理由があろうと人を殺した事なんて何回もありますよ!?それなのに何故!?」

 

理由か…理由としてならリーシャがいないと特務支援課の行動の変化が起きるとかアルカンシェルのイリアさんとのショーが完成しないとか…いや、違うな、俺は…

 

リィン「貴女が助けを求めていたから…それだけです」

 

リーシャ「ッ…!なにを根拠に!?」

 

フローラ「貴女はまだ気付いてないのですか?己の右手にナイフを握り締めてるのを…」

 

リーシャ「え…?」

 

リィン「無意識なんだろうが貴女は死に抗おうとしていた。それだけで十分な理由です」

 

リーシャ「…でも私はもう目が…」

 

フローラ「治りますよ?」

 

リーシャ「…え?」

 

フローラ「治ると言ったんです。その目も…左手も」

 

リーシャ「ッ…!出鱈目を言わないで!!今の医療技術では無理だって…!」

 

 

フローラ「可能です。私達の《拠点》なら…」

 

リーシャ「《拠点》…?何を言ってるの?」

 

リィン「信じろとは言いません。でも俺達は貴女を救いたい…だからどうかこの時だけは何も言わずに着いてきてくれませんか?」

 

自分でも虫の良い話しだとは思うが、さてどうするかな?

 

リーシャ「…本当に治す術はあるのね?」

 

フローラ「はい、私の持てる技術を使って」

 

リーシャ「…判ったわ、貴方達に身柄を預けます」

 

フローラ「ありがとうございます。それでは肩を貸しますよ?リィン様も私の側に」

 

リィン「了解」

 

リーシャ「あの…一体何を?」

 

リィン「大丈夫、怖く無いから」

 

フローラ「現在座標確認!これより転送を開始します!転送目標

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《アンファング》!」

 

 

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