名乗りおえたオリビエ氏は席に座りアガットさん達に話し始めた…
アガット「それでオリビエ、だったか?さっき急いた方が良いと言ってたがどういう事だ?」
オリビエ「うん、実は今回のスリ事件の犯人らしき会話を聞いたんだよ」
アガット「……詳しく聞こうか」
オリビエ「さっきも言ったけど僕はエレボニアからの旅行者でね。当然ホテルに泊まってたんだけど隣の部屋の話し声が少し聞こえてね、唯の会話なら無視してたんだけどその会話が少し怪しかったから聞き耳立ててたら内容が『上手く行ったわね…』 『男って馬鹿よね〜』 『盗った金は…』 『潮時かもね…』 『次は何処に行く?』 …断片的だけどこんな事言ってたかな?」
ふむ、話しを聞く限り…
アネラス「先輩…!」
アガット「あぁ…限りなく黒だな、情報提供感謝するぜ…」
オリビエ「礼は及ばないよ。唯の偶然で聞こえただけだしね」
アネラス「となると確かに急いだ方が良いですね、さっきの会話を聞いた限りだとボースを離れる気みたいですし…」
アガット「だな、問題は何処に逃げるか…だ」
アネラス「常識的に考えれば空港に向かうと思いますが…?」
ルグラン「其れは無理だと思うぞい」
ルグラン爺さんが二階に上がってそんなコトを言ってきた…
アガット「爺さんどういう事だよ?なんかあったのか?」
ルグラン「うむ、実はさっき飛行船公社から連絡がはいっての…詳しい話しは後でまた入るがロレントに向かってた飛行船が消息を絶ったとの事じゃ」
それは…もしや
アネラス「飛行船が…!?」
アガット「…つまり当分の間飛行船の運行は見合わせると言われたんだな?」
ルグラン「…そうじゃ、詳しい事が解らない事には運行する事は出来ないとな」
アガット「…そっちも気になるが今はスリを捕まえる方に集中するぞ」
アネラス「わ、わかりました。先輩」
アガット「飛行船が使え無いのならボースを離れるには徒歩で西ボース街道か、東ボース街道のどちらかにしか向かうしか無い」
アネラス「西ボース街道はクローネ山道があります。けれど魔獣の出現頻度は高いですから、女性二人ではまず無理ですね」
リィン「なら東ボース街道ですね。このルートなら帝国との国境を守るハーケン門があるアイゼンロードもあります」
アガット「決まりだな、アネラス!俺は被害者達と一緒にホテルに行ってその女二人の処に出向く!お前は東ボース街道に張り込んでろ!万が一奴等が逃走したら速やかに確保しろ!」
アネラス「は、はい!…あの先輩?」
アガット「…何だ?」
アネラス「オリビエさんと…リィン君達はどうしましょう?」
アガット「…あ〜そうだな、その男はホテルに泊まってる女達の顔も分かるだろうから同行してもらうとして…この二人は元々被害者達の付き添いに過ぎないからな、無理に同行させる理由も無いんじゃないか?幾らカシウスのおっさんの弟弟子だからといっても民間人だし」
ま、普通そうだよな実力があったとしても資格無ければ唯の民間人だし、ロレントの時はカシウス師兄が緊急事態だから臨時協力者として扱ってくれただけだし
オリビエ「ふむ?彼等の協力も仰いだ方が良いと僕は思うけどね」
『『は?』』
何を言い出すんだこの自称詩人は…?
アガット「おいアンタ、突然何言いやがる。さっき俺が言ったのを忘れたのか?コイツ等は民間人だぞ、アンタだって証言者だから連れて行くのであって荒事に首を突っ込ませる為じゃねぇんだぞ」
オリビエ「でも人手は足りないんじゃ無いかい?さっきの逃走ルートにしてもたった二人ではさみ撃ちはきついんじゃ無いかな」
アガット「グ……?!」
オリビエ「見たところこの二人も十分腕が立ちそうだし、何だったら二人に東ボース街道を見張って貰ってれば遊撃士二人でホテルに向かえるし、無事にその場で取り押さえれば彼等の出番は無いから危険な目には遭わないし…どうかな?」
ー 東ボース街道 ー
リィン「結局こうなったか…」
フローラ「あのオリビエなる男…只の変人ではありませんね。恐らく名も身分も偽証かと…」
まぁ実際に皇族だから詐称ではあるな…
リィン「まぁ、確かに良い様に使われてる様で面白くはないけど乗りかかった船だ…もし来たら言われた通りに捕縛しよう」
フローラ「承知しまし…早速来た様です」
リィン「早いな…犯人は?」
フローラ「一人の様です、どうやら相方はアガット殿に捕まったみたいですね。すぐ後ろからアネラス殿が追いかけています」
リィン「そうか、じゃあ出るか」
フローラ「はい」
リィン「止まれ!」
「な、何よアンタ達は?!」
リィン「此方は遊撃士の協力者だ、アンタにはスリの容疑が掛かっている!」
フローラ「大人しく投降する事をお勧めします」
投降勧告を出したが…
「ふ、巫山戯ないで!誰が捕まるもんですか!」
勧告を拒否して護身用の拳銃を抜こうとしたが…
フローラ「悪足掻きが過ぎますよ」
「え?…な!早、」
フローラが素早く拳銃を取り上げ…
フローラ「寝なさい」
「ガッ!?」
犯人の意識を刈り取った。
リィン「お見事だね」
フローラ「恐れ入ります。しかしこの鞄はもしかして…」
取り上げた銃の弾丸を抜きながら鞄を一瞥して…
リィン「多分そうだろうな、アネラスさんに渡して…っと来たな」
アネラス「ごめん!リィン君、フローラちゃん!一人そっちに行った…ってうわ、もう制圧してる」
フローラ「当分目を覚まさないと思いますよ…それよりちゃん付けは止めてくださいよ」
アネラス「え〜可愛いじゃない、可愛いは正義!だよ」
リィン「それよりアネラスさんこれを…」
犯人が持っていた鞄を回収して彼女に渡した
アネラス「これ、もしかして……協力感謝します。ギルドに戻りましょう」
ー ギルド ー
ルグラン「あの二人は犯行を認めたわい、幸い被害者の財布は中身も含めて無事じゃった」
アネラス「良かった〜これで無事解決…何だけど」
アガット「まさか件の飛行船の乗船リストにカシウスのおっさんがなぁ…」
例の消息を絶った飛行船にカシウス師兄の名…本格的に始まりか…
ルグラン「何、カシウスがそう簡単にくたばる訳無かろう…案外件の飛行船には乗っておらんかもしれんぞ?」
アガット「…確かにあのおっさんなら突然ひょっこり現れたりしても不思議じゃないな、まぁその話しは後でするとして…」
アガット「リィン…だったな?今回の件本当に巻き込んで済まなかった。幾ら人手が足りないとは言ってもやはり民間人を巻き込むべきではなかった」
リィン「謝る必要はないですよ。話しを聞いて俺が判断して決めた事です。そちらが悪い訳じゃないです」
アガット「そう言って貰えると助かる。因みにあのオリビエとかいう奴は解決したらさっさと行ったから此処には居ないぜ」
アネラス「二人はこれからどうするの〜?」
リィン「このままルーアンに向かいます。元々そうする予定でしたので」
アネラス「…そっか〜、残念だけど仕方が無いね。でも何時かは手合わせしたいね」
リィン「その時には喜んでお受けします」
俺達はギルドを出て西ボース街道に向かった
フローラ「今度行くルーアンには海とジェニス王立学園が特徴といえば特徴ですね学園の方は少し待てば学園祭で賑わうみたいですので長めに滞在するのも良いかもしれません…」
リィン「そうだな…(そういえばクローゼはどうしてるかな?会えれば良いけど)」
フローラ「リィン様?」
リィン「いや、何でも無いよ。じゃあ行こうか?」
ー ルーアン ー
ピュイ!
???「フフ、ジーク良い天気ね?」
ピュイピュイピュイ
???「え?今日は何だか笑顔が多い?何か良い事合ったか?…そんなに顔に出てた?」
ピュイ!
???「そっか、でも確かにそうかも何だか懐かしい風が吹く予感がするの、もしかしたら…」
ピュイピュイピュイ?
???「フフ、そうね、もし《彼》ならジークを紹介しなきゃね」
???「(逢いたいわ…リィン)」
ー ??? ー
オリビエ「やぁ我が友よそっちは変わりないかい?」
オリビエ「こっち?此方は良いよ、御飯は美味いし酒も良いのが揃ってるし最高だよ!…ごめんなさい、真面目な話しが有るので切らないでください」
オリビエ「君に調べて欲しい事があるんだ…例の御仁?いやまだ接触出来ていないよ。調べて欲しいのは別件だよ、こっちで面白い人間に出会ってね?彼等もエレボニア人みたいだけどどうやら《例の御仁》の弟弟子みたいでね。そういう意味でも調べておきたいんだ…《我等が宰相》殿に対抗出来る人材を獲得する意味でもね。じゃあ宜しく頼むよ?……え?名前を聞いてない?……あぁ、ごめんごめん確かに言ってなかったね、じゃあ言うね…
リィン・アイスフェルトとフローラ・クリストこの二名だよ」