ー ホテル 《ブランシュ》 ラウンジ ー
ラクシャ「本当に何とお礼を言ったら…泊まる為のお金も貸して頂いて、貴方がたには何から何まで」
リィン「いえ、頭を上げてください。困ってる人を助けるのは当たり前の事ですからしかしラクシャさんの属する《帝国古生物学研究会》とは…?」
ラクシャ「あぁ、それはですね…」
「おっと、その話俺にも聞かせてもらえませんかねぇ?」
声がする方向に振り向くとタバコを咥えた無精髭の男性が近付いてきた
ラクシャ「?、貴方は誰ですか?」
「おっと失礼、私はナイアール・バーンズ。リベール通信の記者です。今回ラクシャ博士がリベールに訪れると聞いて取材してこいと上から言われましてね。時間、貰えませんかね?」
ラクシャ「…良いでしょう。此処では何ですから場所を変えましょう。あ、ごめんなさい貴方がたのお名前を聞いていませんでしたね」
あぁそういえば名乗って無い様な…
リィン「すいません名乗り遅れました。俺はリィン・アイスフェルトと言います。こっちの女性はフローラ・クリストと言います」
ラクシャ「リィン君にフローラさんですね、すみませんがちょっと席を外しますね」
ナイアール「別に此処でも構いませんが?」
ラクシャ「記者としては余計な人は居ない方が良いでしょう?それに…」
ナイアール「それに…なんですか?」
ラクシャ「此処、禁煙エリアですわ。貴方タバコ吸わないでインタビューできます?」
ナイアール「……御配慮感謝します」
二人が取材の為席をを外している間にフローラに確認をとってもらった
フローラ「確認がとれました。確かに古生物研究会なる組織は実在してます。また、彼女…ラクシャさんはその界隈では有名な人物のようです」
リィン「それはまた、女性の活躍の場が広がってるとはいえ帝国では珍しいな?」
フローラ「彼女の姓から分かる様に彼女の家は貴族ですが代々学者や博士を輩出しているそうです。因みに爵位は子爵だそうです」
嗚呼成る程、教育環境が良かったのか、しかし…
リィン「古生物学なんて学問がエレボニアにあったなんて知らなかったな?」
フローラ「学問自体がマイナーみたいで、そこまで大きい訳ではないようですよ?」
リィン「へぇ~、しかし《古代種》は何処で知ったのかな?」
フローラ「多分それは…」
ラクシャ「全てが私達の努力の結晶ではないのですよ」
インタビューが終わったのかラクシャさんが戻って来た
リィン「お疲れさまです。それとどういう意味ですか?」
ラクシャ「私達は確かに古生物を研究してますがその土台は古代ゼムリア文明の遺跡から発掘された物です」
ラクシャ「先程フローラさんが仰ったように古生物学はマイナーでその研究を疑問視する声は以前からありました。『本当に存在するか判らない古代生物の為にミラを掛ける必要があるのか?』そんな風に言われもしました…風向きが変わったのはある日一つの遺跡が見つかった時です。その遺跡には見たこともない生物の骨が完全な状態でみつかりました」
ー 最初は古代ゼムリア文明に生きた生物の骨かと思われましたがそれは骨ではなく石に置き換わった化石だと判明しました。年代測定の結果古代ゼムリアより遥かに古い、『約800万年前』の生物であることが判明したのです ー
ー これに驚いた調査隊は古生物学を研究していた私達に急遽来てほしいと頼まれました。そして現場に着いて更に遺跡から化石が次々と発掘される中一つの《本》を見つけました。それには《古代種調査録》と書かれていました ー
「そしてその遺跡が発掘した《古代種》の研究所である事が判明し我々はその調査録を元に研究を進め今に至ります。だから誇れる様な物ではないですけどね」
ラクシャさんは自嘲してるけど…
リィン「それは違うんじゃあないかな?」
「え…?」
フローラ「ラクシャさん達が古生物学を学んでいだからこそ、その遺跡の《古代種》の資料を正しく理解出来たんじゃ無いんですか?」
「でも、その資料は古代人の…言わば他人の成果を勝手に使った様な物で…」
「それが同じ時代に生きてる者なら確かに問題でしょう。だが既に滅びた文明の文献を読んで自分の学問に応用したからと言って貴女が卑下する理由にはならない筈です。それにその文献だけではなく自分達で見つけた成果もあったでしょう?」
でなければ古生物研究会なんて組織にまで大きくならないしな
「それは…」
「もっと胸を張っても良いと思いますよ?俺は」
「…フゥ、まさか自分より年下の子に諭されるとはね。ありがとうリィン君、フローラさん少し胸がすっきりしました」
多少は吹っ切れたかな?あぁそういえば
「帝国古生物研究会のスポンサーってやっぱり帝国政府なんですか?」
「確かに国もスポンサーですが貴族がメインですね。一番大きい所は…
クロワール・ド・カイエン公爵が筆頭ですね」