閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第三十二話

私はギリアス・オズボーン、帝国宰相である。現在帝都ヘイムダル《バルフレイム宮》の中の執務室で私の子飼いの《鉄血の子供》(アイアンブリード)達が集まっていた。まぁ一人は諸事情でいないが…

 

私の机には一通の手紙が置かれていた。唯の手紙なら問題は無いのだがその差出人が…

 

「閣下!これはどう見ても罠です!!このような招待に応じるべきではありません!」

 

鉄道憲兵隊(TMP)所属であり《鉄血の子供》の一人クレア・リーヴェルト少尉が声を荒げながら私の机を叩いた。まぁこの内容ではな…

 

 ー 帝国宰相ギリアス・オズボーン殿へ

 

明日夜8時にて我が領地オルディスにて私が出資して建設した《古代種》博物館の開館記念に舞踏会を開きます故、宰相殿にも参加して頂きたい。尚、皇帝陛下にもご出席なされるのでくれぐれも遅れ無きようお願い申し上げる ー クロワール・ド・カイエン公爵

 

「ハ、内容は丁寧だが要は敵地に来れる自信がおっさんにあるかと言いたいんだろうな」

 

同じく《鉄血の子供》の情報局所属レクター・アランドール、飄々とした態度は何時もの事だが、まぁ彼奴の狙いはそうだろうな

 

「へぇ~オルディスか〜美味しい御飯がいっぱい有りそう〜、ところで《古代種》て何?」

 

同じく《鉄血の子供》のミリアム・オライオン、まだまだ子供

故か食い気が先か…優秀ではあるのだかな

 

「《古代種》というのは遥か太古の昔に栄えた生物の事を指すのですよミリアムちゃん…しかし《古代種》を博物館に展示するとは、よほど自らの権威を示したいのかしら?」

 

「ま、実際は《帝国古生物研究会》が発掘しているけどな、カイエン公はそのスポンサーの一つらしいぜ。因みに其処には貴族出身の学者も居るらしいが貴族派とは距離を置いてるらしいぜ」

 

オズボーン「利害の一致という訳だな、研究会はミラが無ければ発掘すら儘ならんからな。帝国政府も出してはいるが出資している貴族はカイエン公以外にもアルバレア候やログナー候も居るらしい」

 

「へぇ~四大も関わってか〜でもオジサンどうするの?断る?」

 

「いや、出席するさ…クレア少尉、列車の手配を頼む」

 

「しかし閣下……!」

 

「落ち着け少尉、そもそも皇帝陛下もご出席為されるのであれば宰相たる私が行かない選択肢等無いからな」

 

「…解りました。では護衛は私が」

 

「いや結構だ、言っただろう?皇帝陛下がいらっしゃると…今向こうが仕掛ければ不利になるのはカイエン公の方だ。陛下の御前でそんな真似をする程奴も愚かではない」

 

「代わりに少尉には《帝国解放戦線》を探ってもらいたい。不穏分子は早く排除するに越したこと無いからな」

 

「了解しました。」

 

「頼んだ…ミリアム、お前はノルドに向かい共和国軍の動向を監視してくれ…お前の《アガートラム》なら可能だろう?」

 

「え〜、ご馳走食べたいのに〜」

 

「お前の年恰好で入れる訳無いだろう…任務をちゃんとこなせば休暇をやるから今はそれで我慢するが良い」

 

「ぶ〜判ったよ〜」

 

「おっさん、俺は…」

 

「フフフ安心しろ、貴様にも仕事はある。貴様にはリベールに飛んでもらう」

 

「は?何でリベールに行く必要が…?」

 

「リベールのルーアンで巨大なイカの化け物が出たという話を聞いた事があるだろう?研究会のラクシャ嬢は《古代種》の可能性があると言ったらしい。政府としても優秀な人材を失うのは避けたいからな、貴様には表向き書記官として彼女に接触して危険を遠ざけろ』

 

「へいへい、人使いが荒いこって(そういえば今頃学園祭の準備始まってるよな〜?…久々にクローゼ達の顔を見てみるか、弄くるのも良いかもな)」

 

「他に何かあるか…?無ければ各自事に当たるように」

 

 

ー 翌日 ー

 

結局護衛を一人も付けないのは要人として如何なものとなりTMPと軍から何名か付き《アイゼングラーフ》号に乗りオルディスに向かう事になった。その中に同じく招待された帝都知事のレーグニッツも同乗することになった。

 

「それではクレア少尉、留守は頼む」

 

「は、閣下もお気を付けて下さい。《解放戦線》は此方の都合などお構い無しですから」

 

そうして《アイゼングラーフ》号は帝都を発車した。帝都の執務室を離れたからと言ってもまだまだ帝国宰相の判が必要な書類が沢山あり、それを処理しながらオズボーンはレーグニッツ知事に訊ねた

 

「そういえば知事殿の子息はトールズ士官学院に進むそうだな」

 

「えぇ、本人は勉学の心配は無いので合否は問題無いでしょう。ですが…貴族嫌いが激しくて無用の対立を引き起こさないか心配でして、貴族と言っても色々居ることを判って欲しいのですが」

 

「フフフ、失敗もまた必要な要素だよ。その失敗を活かすも殺すも彼次第よ」

 

「はぁ…そうだと良いのですが、そう言えばその士官学院に今年に《例のクラス》を発足させるので?」

 

 

 

 

 

 

「うむ、オリヴァルト殿下も理事に加わってな、必要な人材を揃えたので特科クラス《Ⅶ組》を今年度に発足する」

 

 

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