ー ジェニス王立学園祭当日 ー
エステル「うわ〜、校門の前もう人が集まってる…」
学園祭の開催宣言をする為に生徒会長のジルを筆頭に他の生徒会メンバーの後にエステル、ヨシュア、リィン、フローラの四人も校門の前に詰めていた。
ヨシュア「リベールが誇る名門校の学園祭だからね、此処を卒業したOBの中にはボースのメイベル市長も居るし注目されるのは寧ろ当然だよ」
エステル「え?そうなの?メイベル市長、此処の卒業生なんだ、知らなかった…」
リィン「俺は会わなかったが噂に聞く限りでは優秀な人らしいね?」
ヨシュア「うん、人望もある女性(ヒト)だったよ」
フローラ「皆さんそろそろ始まりますよ」
フローラの言葉を聞き三人共ジルの方を向いたらジルが少し前に出て話し始めた。
ジル「お集まりの皆様、本日は当学園にお越し頂きありがとう御座います。皆様もご存じかも知れませんが今ルーアンは海に化け物が棲み着いており人々に暗い影を落としております。一部の方にはこの様な時に学園祭等不謹慎ではないかと思われるかも知れません」
ジル「しかし、その様な時だからこそ学園祭を開き暗い気持ちを吹き飛ばす!そう判断しました。さて、長々話すのは趣味ではありませんので…私生徒会長ジル・リードナーはジェニス王立学園祭の開催をここに宣言します!」
市民の拍手と共に門が開かれ今学園祭が始まった。
ジル「は〜疲れた…」
宣言を終えたジルはそう言いながらこっちに来た
クローゼ「ジル、お疲れ様」
エステル「うんうん!良く人前であれだけスピーチ出来るわね、私ならちょっと無理かな?」
ジル「ま、将来は政治家志望だからこれぐらいはね?」
ハンス「んで、早速生徒会室に戻るか会長?」
ジル「もちろん、あ、予定通りクローゼはエステル達を学園内の演し物廻りの案内ね?」
クローゼ「それは構わないけど…本当に大丈夫なの?」
ジル「大丈夫よ、多少何かあっても私とハンスで対処出来るし学園祭に支障きたす様なトラブルは事前にフローラ先生が潰してくれたから」
リィン「……フローラ、なにをしたんだ?」
フローラ「…質の悪い食材を卸そうとした業者を少々《オハナシ》しただけです。最後には自分の非を恥じてましたよ?」
リィン「なら何故目を逸らす?」
《オハナシ》という名の肉体言語じゃないよな?
ジル「まぁまぁ、良いじゃない…そういう訳だから劇まで時間あるからそれまで学園祭楽しみなよ」
という訳なのでお言葉に甘えて学園祭を楽しむ事にしたのだか…
エステル「ヨシュア〜!こっちこっち!クレープ売ってるよ〜」
ヨシュア「判ったから、エステル腕引っ張らないで!?」
エステルは学園祭を満喫していた…
クローゼ「………えっと?リィン、エステルさん達って本当に付き合ってないの?」
リィン「言わんとする事は判るけど、あれが二人の普段の距離感だ…」
クローゼ「………あれで?……」
リィン「……うん……」
そのせいでヨシュアに好意を抱いてた娘は早々に諦めてたからな…
クローゼ「…リィン、手繋ご?////…何かあの二人を見てたら…」
リィン「クローゼ…うん…」
二人は手を繋いで歩いた。指と指がぴったりと重なって、二人の心も一つになった。
クローゼ「何か照れ臭いね?告白したのに…////」
リィン「まぁ、お互い恋愛初心者だしな////」
『『…でも…悪く無い…』』
互いに同じことを思った。
フローラ「お二人が恋人同士なのは大変結構ですが私が傍に居るのを忘れては困ります」
『『…あ…ごめん/なさい』』
普通に忘れていた、ごめんフローラ
フローラ「もう少し周りに気を遣った方が宜しいで…あら?こちらに近づく人が居ますわ…」
フローラが指差す方に目を向けると前世で言うアロハシャツみたいな服を着た赤髪の男が、ってもしかしてあれって…?
クローゼ「レクター先輩!?」
レクター「よぉー、クローゼ久しぶりだな〜学園祭が盛況でなによりだ。俺も鼻が高いぜ〜」
クローゼ「いえ、というより先輩は何しにリベールに?」
レクター「何って…仕事に決まってるだろう?」
クローゼ「仕事…?遊びに来たの間違いでは?」
レクターの服装はどう見ても遊ぶ気満々だ。クローゼが訝しむのは無理無いだろう
レクター「失礼な、俺はちゃんと上司に言われた事をこなして余った時間で母校を見に来たんだぜ〜」
クローゼ「でもそんな服用意してる時点でその上司に内緒で遊ぶ気だったのでは?」
レクター「おいおい、先輩を疑うのかよ…俺は悲しいぞ。所でお前の隣に居る男子は?見覚えないが…というより何故メイドが…何処かの金持ちの侍女か?」
クローゼ「あぁ、紹介します。彼はリィンと言いまして今回の学園祭の手伝いをしてくれた一人です。彼女は彼が主です」
リィン「はじめまして、リィン・アイスフェルトと言います。そしてこっちが…」
フローラ「リィン様にお仕えしておりますフローラ・クリストと申します」
レクター「(リィン!?まさかおっさんの…)あ、ああ俺はレクター・アランドールっていうんだ宜しくな、しかしクローゼお前さんが男子と仲良く歩いてるなんてな、ふーんもしかして…彼氏か?」
レクターは半ば冗談のつもりの発言だったが…
クローゼ「えぇ、そうですよ////」
レクター「…はい?…いやぁ、クローゼ冗談を返すの上手くなったなぁ、は、は、は、は………マジ?」
クローゼ「本当ですよ。彼と恋人同士です」
レクター「は、え?ちょっと待て!?クローゼ!お前、えぇ〜?リィンだったな?お前どうやってコイツを口説いたんだよ!この真面目ちゃんがどうすればこんな恋する乙女になるんだよ!」
よっぽど意外なのかレクターは本気で混乱しているようだが…
「あら、貴方が人の恋路にとやかく言う程詳しかったかしら?」
レクターの後ろからプラチナブロンドの美しい女性が現れレクターの肩を摑んだ
レクター「…げ、ルーシー…」
クローゼ「あ、ルーシー先輩お忙しい中ありがとう御座います」
ルーシー「久しぶりねクローゼ、可愛い後輩が招待してくれたもの、来ない訳がないわ。そちらの彼は初めましてね、私はルーシー・セイランドよ。宜しくね、それと…レクター?」
端から見ても分かる程にレクターの肩を摑む彼女の手が力強くなっている…
ルーシー「フフフ、レクターちょっと来なさい。色々と言いたい事が沢山あるわ…それと十発、いや二十発殴らせなさい」
レクター「おいおい、楽しい学園祭を流血沙汰に…って、いてて!?ルーシー!お前力込めすぎだろ!?そして何処に連れて行く気だ!?」
ルーシー「黙りなさい、丁度良い機会だから貴方にはきついお仕置きを据えるわ」
レクター「はぁー!?待て待て!俺は仕事があるんだぜ!?そんな余裕なんて…」
ルーシー「あら?貴方さっきは仕事終わらせて此処に来たと言ってなかったかしら?なら時間有るでしょ?キリキリ歩きなさい!クローゼ!!悪いけど使ってない部室を借りるわよ!」
クローゼ「はい、どうぞご自由に」
ルーシー「ありがと、あぁ言い忘れてたわ…クローゼ良かったわね、良い人に出逢えて…今の貴女良い顔してるわ…其処の彼もクローゼを心配掛ける様な事しないように!じゃあまた後でね」
レクター「俺の休暇〜!!」
彼女に引き摺られながら彼は姿を消した…
リィン「…凄い人達だったな、色々な意味で」
クローゼ「レクター先輩はこの学園の生徒会長を、ルーシー先輩は副会長を務めていたんだけどレクター先輩は当時からあの性格でサボりの常習犯だからルーシー先輩がよく武力で鎮圧してたわ」
リィン「武力って(汗)」
フローラ「同僚にその噂は聞きましたが良く会長がリコールされませんでしたね?」
クローゼ「何だかんだ言っても有能でしたし、生徒の受けも決して悪くはありませんでしたから」
リィン「…よくわからん人みたいだな?」
画面で見る分には面白い人だったが…
「あ、クローゼ先輩!フローラ先生ちょっと良いですか?VIPの方々が一部到着したのですが…」
クローゼ「え、もう?少し早いわね…ごめんなさい、リィン…」
リィン「良いから行きな、こっちは大丈夫だから、ほらフローラも今は先生何だから…」
フローラ「…判りました、少し席を外れます」
クローゼ「ごめんなさい、また後で!」
そう言って二人共後輩の後を追いかけリィン一人だけになった
リィン「さて…あぁは言ったもののどうしようか?エステル達は出店巡りに行ったきりだし」
どうしようかと悩んでいると菫色の親子が此方に近づいてきた…というかあれは…
「こんにちは、学生さんですか?」
親らしき男性が話しかけてきたので応じた
「こんにちは、いえ俺は知り合いの手伝いに来ただけです」
「あぁそうなんですね?失礼名乗っていませんでしたね、私はハルロド・ヘイワース。クロスベルで貿易商を営んでいます、今日たまたま商談がありましてその時に学園祭の話が出まして…それで娘にも見せようと思いまして、ほらお兄さんにご挨拶しなさい」
ハルロド氏に促され親と同じ髪色の女の子が前に出てきた
「うふふふ、こんにちはお兄さん、私レンっていうの宜しくね」