旧校舎において盟主との会談に望む事になってしまったか…
カンパネルラ「お茶菓子です」
カンパネルラがテーブルと菓子を用意したが…おいこら
リィン「これ、俺が買ったたい焼きなんだが?」
何でカンパネルラが持っている?
カンパネルラ「あはは♥何言ってるんだい?君が彼処に置きっぱなしにしていたからわざわざ持って来たんだよ♥それに…熱い内に食べないと美味しく無くなるじゃないか」
悪びれもせずそんな事をのたまうカンパネルラ…
レン「ふふふ、良いじゃないのお茶だけじゃ味気無いもの」
レンはレンでお茶を用意しながら言う
レン「ふふふ、流石に死線のお姉さんには負けるけどレンのお茶だって美味しいんだからね」
出来上がったお茶をティーカップに注ぎながらレンは自信たっぷりに言った
リィン「…よく茶会を開くのかい?」
レン「えぇ、よく付き合ってくれるのはレーヴェとヨシュアと鋼のお姉さん、さっき言った死線のお姉さん、次に多いのはヴァルターやブルブラン、ルシオラお姉さん、あぁ《破戒》のおじさんや《黃金蝶》のお姉さんも多いかな?マクバーンは…偶に参加する程度ね」
結社って一体…?
「ありがとう御座います。レン、カンパネルラ少し席を外してください。彼と二人で話したいのです」
カンパネルラ「承知しました。では終わりましたらお呼び下さい」
レン「うふふ、お兄さんまた後でね」
カンパネルラは恭しく言いレンは手を振りながら退室していった。そして残ったのは俺と…盟主
「さて…折角あの二人が用意してくれたのですからまずはお茶を楽しみましょう?」
そう言って彼女はたい焼きを手にして…首を傾げる?
「あの…これ?どっちから食べれば良いのでしょうか?」
たい焼きの頭と尻尾を見ながらそんな事を尋ねてきた
リィン「…正式な食べ方は無いのでお好きな方から食べればいいかと思います」
「そうですか…では改めて、頂きます」
彼女はそう言って背鰭から食べた…いや、そっちかい!確かに正式な食べ方は無いけど…
「これは…美味しいですね。生地とカスタードクリームとの相性が良いですね」
リィン「それなら良かった。作った奴も喜ぶでしょう」
俺もレンの淹れたお茶を口に含んだ
リィン「美味い…」
確かに自慢するだけはあるな…
「あの娘は死線からお茶を習ってましたから…良く鋼や死線もお茶の品評に付き合っていました」
何か…納得する光景だな
それからはしばらく静かな、他愛もない話に興じてたが本題に入る事にした
「さて、本題に入る前に私の名を教える訳にはいかないのですが…それだと不便でしょうから、そうですね…アルマとお呼びください」
リィン「……それは本当に仮の名ですか?」
アルマ「ご想像にお任せしますわ」
リィンの問いに盟主改めアルマは上品に笑って応えた
リィン「…まぁ判りました。ではアルマさん、貴女は俺に用があると仰ったが如何様な?」
アルマ「…単刀直入に言います。リィンさん、貴方は《カルナス》をどうする気ですか?」
《カルナス》…?
リィン「失礼だが《カルナス》とは…?」
アルマ「貴方が有してる浮遊都市の名です」
…なに?
リィン「…貴女は、彼女の事を知ってるのですか?」
アルマ「…その様子だと中枢コンピューターの事も知ってる様ですね」
彼女はお茶を含みながら応えた
アルマ「…かの地の放棄を決めた時私も居ました。分解して資材化する事も検討されましたが、万が一何か有った時のバックアップとして残す事になりました…しかしその様な事がなく次第に《カルナス》は忘れ去られました」
リィン「貴女は…一体何者ですか?」
アルマ「……それは何れ判る日が来るでしょう。もう一度聞きます、貴方は《カルナス》で何をする気ですか?」
彼女は険しい顔になり此方を見る…俺の答えは…
リィン「どうもしません」
アルマ「…は?…」
リィン「どうもしない…と言ったんです。多分貴女は《カルナス》…今はアンファングと俺は呼んでますが、技術が悪用されるのを懸念してるのでしょう?」
アルマ「…え、えぇ『アレ』には今の世に出すのは早過ぎる物が…」
リィン「……フローラ、貴女の言う中枢コンピューターは寂しがっていました」
アルマ「え?…」
リィン「最初俺と初めて会った時彼女はとても寂しかったのでしょう。行く宛の無い俺を住んでも良いと言ってくれました。当然でしょうね二千年近く人を見ずたった一人で彼処で過ごして居たのですから」
アルマ「………」
リィン「誰にも知られずにこのまま朽ち果ててしまうかもしれない…そんな恐怖を感じてしまうのは当たり前です。だから…嬉しかったのでしょう、地上に降りたいと彼女の我儘を許可した時の嬉しい顔は今でも覚えてます」
アルマ「……それは……」
リィン「貴女の危惧は解るし、危険性があるのは否定出来ない事実です。ですが…敢えて言います
何故彼女を一人にした!?彼女がどれだけ寂しい想いをしたと思っているんだ!!仲間が…同胞が一人も居なくなって寂しく無いなんて…ある訳、無いじゃないかよ…!」
アルマ「……返す言葉もありません。カルナス…フローラの事を置き去りにした事実は変わり有りません。ですが……何故貴方はそこまで……」
リィン「…家族だからです、俺にとっては大切な家族の一員だから…」
アルマ「…やはり貴方に会ってよかった…」
リィン「……」
アルマ「今更この様な事を言っても遅いですが…貴方と共に暮らせている事が彼女にとって何よりの喜びでしょう……どうかこれからも彼女の事、宜しくお願いします」
そう言って頭を下げる盟主に俺はこう言った。
リィン「えぇ、勿論家族としてちゃんと支えていきますよ」
アルマ「今の話は私の胸の内に収めておきます。結社の誰にも言わないので安心してください」
リィン「それは…有り難いですが良いのですか?」
アルマ「えぇ、元々技術流出を危惧して会いに来たのですが…貴方なら安易に危険な技術は渡さないと確信しましたので」
リィン「…一応聞きますが、貴女は結社の活動を辞める意志は?…」
アルマ「それは有り得ません」
リィン「そうですか…」
そうして茶会という名の会談は終わりを告げた
カンパネルラ「では盟主は僕が責任を持って送るよ♥」
話が終わった後アルマ…盟主はカンパネルラ達を呼び転位術で帰る事になった
「時間を割いて頂きありがとう御座いました。有意義な話しが出来ました」
リィン「こちらこそ…こういうのは変でしょうが、お元気で」
「えぇ、何時かまた会いたいものですね」
リィン「…そうであれば良いのですが」
「あぁ、それともう一つ…此処ルーアンで騒がしてる『古代種』…オケアノスもそうですが他にも居るので出来れば排除してほしいのです」
リィン「構いませんが…理由を聞いても?」
「…『アレ』は外道な者達によって滅びを向かえなかった憐れな存在です。ですが、彼等の本質は獣です。そして人間とは相容れない彼等にとって人の倫理や決まり等関係有りません。ただ本能のまま捕食し縄張りを拡大します。それは人でも例外ではありません、老人、女子供も容赦なく捕食するでしょう…」
リィン「承知しましたが…殺せるのですか?」
「殺せます…が根本的に絶たなければイタチごっこになるでしょう」
リィン「根本的?」
「…クロスベルを訪れてください、かの外道達の遺産が其処に…」
リィン「…判りました、この件に関しては共闘という事で良いのですか?」
「ありがとう御座います、その認識で結構です」
カンパネルラ「フフフ、それでは御機嫌よう。今度会う時は敵同士かもね♥」
カンパネルラの転位術が発動し二人共消えていた…のだが
リィン「…レン、君は帰らなくて良いのか?」
何で俺の隣にいるのかね?
レン「何でって…まだ学園祭満喫してないもの、それにヨシュアの出る劇で面白い事するんでしょう?これを撮らないで帰るなんて無いわ」
そう言ってZCF製導力カメラを取り出した
リィン「…講堂はカメラ禁止だぞ?」
レン「あら、そうなの?なら写真じゃなきゃ良いのよね」
レンは悪戯っぽく笑いながら言った
リィン「……他の観客の迷惑にならないようにな」
もう色々諦めたよ…
レン「フフフ勿論よ…さぁ、お兄さんレンを連れて行って頂戴?」
レンは面白そうに笑いながらこちらに手を伸ばした…