クローゼ「先生!」
テレサ先生達が襲われたとの話を聞き俺達全員でルーアンの宿に向かい運び込まれた部屋に入ると先生と護衛をしていたカルナさんが寝ていた
クラム「あ…」
「お姉ちゃん!!」
気がついた子ども達が此方に駆け寄ってきた
クローゼ「良かった…!皆無事ね?」
「うん…!でも、先生が…」
エステル「二人の容態はどうなんですか!?」
エステルは宿屋の女将さんに尋ねた
「二人共怪我は大した事は無いんだけど未だに意識が戻って無いのが心配ねぇ」
リィン「…フローラ」
フローラ「はい…少し失礼します…」
フローラはベッドに寝ている二人に近付き診察する
フローラ「……どうやら二人共睡眠薬を嗅がされたようですね」
エステル「す、睡眠薬!?」
フローラ「はい、幸い使用されたのはポピュラーな物みたいですから後遺症はないかと…」
エステル「一体誰が…」
ヨシュア「…クラム一体何があったか教えてくれるかい?」
クラム「……」
クラムは下を向いていたので別の娘が話した
「…私が、説明します。先生と遊撃士のお姉さんと帰ってる途中で黒い覆面を被った人達が現れて…それを遊撃士のお姉さんが追い払おうとした時に囲まれて、先生も私達を守ろうとしてあの男達に向かって、それで…!」
エステル「もう大丈夫、よく話してくれたね」
エステルは泣きそうになった女の子の頭を撫でながら言った
クラム「……あいつ等先生が持っていた封筒を奪ったんだ」
リィン「封筒って寄付金が入った…?」
クラム「うん、取り返そうとしたけど振り払われて…」
エステル「……許さない、誰がそんな巫山戯た真似を…!」
クローゼ「………確かな事は単なる強盗ではないという事ですね、遊撃士の方が碌に抵抗出来ずに気絶させられたならかなりの手練でしょう」
子ども達を静かに慰めてたクローゼが自身の推論を言った
エステル「クローゼ…大丈夫?」
クローゼ「はい…落ち込んでる場合ではないですから…」
リィン「計画的だろうな、犯人達の狙いは間違い無く寄付金、孤児院放火も多分そいつ等…」
ヨシュア「…可能性は高いね」
フローラ「となると一刻も早く犯人を見つけ無いと」
「そいつについては同感だな」
そんな声が聞こえると部屋に入って来たのは…
エステル「あ、アガットじゃない!?」
アガット「また会ったなヒヨッコ共、話はギルドで聞いた。また厄介な事が起きたみたいだな?」
エステル「厄介って、アンタねぇ…!他人事みたいに言わないでよ」
アガット「判ってる、騒ぐんじゃねぇ…カルナがやられる程の手練れ…相当やばい連中みたいだな?大まかで良い、一通りの事件の流れを説明しろ」
ヨシュア「判りました」
ヨシュアは寄付金が奪われたことを含め説明した…
アガット「ハン…なるほど、単なる偶然とは思えねぇな」
リィン「何かあったのですか?」
アガット「あぁ、『レイヴン』が姿を消した…」
エステル「ッ…!あんですってー!じゃあ…!」
ヨシュア「いや…彼等がカルナさんを出し抜ける程の技量があるとは思えない」
アガット「まぁな、それにアイツ等に寄付金を奪うなんて度胸はねぇ…が、このタイミングで姿を消したのは何かしらの関係はあるかも知れねぇ…」
リィン「でもそれを確認する暇も無い…ですか?」
アガット「そう言うこった。オラ、ヒョッコ共行くぞ」
エステル「へ…?行くって何処に?」
アガット「襲われた現場に決まってるだろうが、『レイヴン』が関係しているかは兎も角、手がかりは見つけ無い事には話にならんだろうが」
エステル「確かに…」
ヨシュア「判りました。同行します」
アガット「おっと、アイスフェルトにメイドの姉ちゃんは此処に残ってくれないか?」
俺達も同行しようとしたらアガットはそう言ってきた
リィン「何故でしょう?」
アガット「カルナ達が目を覚ました時に事情を話す人間が一人も居ないのは問題だからな、孤児院のガキ共の面倒を女将一人に任せるのもなんだしな」
リィン「まぁ…確かに」
フローラ「承知しました、此方はお任せ下さい」
クローゼ「リィン…先生をお願い…」
リィン「うん、クローゼも気を付けて」
そしてエステル達が捜査に出て一時間…
フローラ「リィン様」
リィン「フローラ、子供達は?」
フローラ「全員疲れ果てて向かいの部屋でぐっすり眠りました」
リィン「そうか…この村には異常は?」
フローラ「そちらも設置したセンサーには反応無しです。少なくとも不審な人物は感知してません」
リィン「……なら大丈夫か、フローラも少し休めば良い、こっちはまだ…」
フローラ「いいえ、メイドが主より先に休む等有り得ません。リィン様こそ少しお休みを…」
リィン「いやまだ俺は良い…」
フローラ「…リィン様何かありしたか?」
リィン「うん?どうした急に…特に何か有った訳…いや、そうだな…なぁフローラ」
フローラ「はい、なんでしょうか?」
リィン「もし…フローラの同胞が一人でも居たらどうする?」
フローラ「えぇっと…?仰る意味が判りませんが、そうですね…」
フローラは少し考えてから答えた
フローラ「多分、居たんだな…位にしか思わなないかもしれません」
リィン「えっと?同胞なのに?」
フローラ「まぁ…多少一人にさせた事への文句は言うかも知れませんが、もう私が仕えてた国家は滅びてますし、今私が忠誠を誓うのはリィン様以外有り得ません。私が壊れるか貴方が命尽きる迄貴方のお側にお仕えします」
リィンの眼を見ながらフローラは力強く宣言した
リィン「……ありがとう、フローラ」
カルナ「う……ん、こ…ここ、は?」
フローラ「あ、目が覚めた様です」
リィン「此処はマノリア村の宿屋です」
カルナ「マノリア村…?何で…っ!?テレサ院長や子供達は!?無事なのかい!」
フローラ「落ち着いて下さい、テレサ院長は貴女の隣て寝ています。子ども達も無事です」
カルナ「…そうかい、良かった…護衛を引き受けておきながら不甲斐ないねぇ…あんた達の顔は見覚えあるね、確か外灯の不調を知らせてくれた時の…」
リィン「俺はリィンと言います。こっちはメイドのフローラです」
カルナ「今更だけど遊撃士のカルナだよ、悪いんだけど状況を知りたいだけど説明してくれるかい?」
リィン「えぇ、判りました」
彼女等が睡眠薬を嗅がされ倒れた後寄付金が奪われアガットやエステル達が現在捜査中のことを説明した
カルナ「そうか…アガット達には迷惑掛けたね、ならあたしも寝てる場合じゃないねぇ」
そう言って彼女は起き上がろうとした
リィン「まだ寝てなくては駄目ですよ!まだ睡眠薬の影響が残ってる筈です」
カルナ「なぁに、この程度日常茶飯事さ…それに犯人が未だに見付かってないなら尚更寝てる暇なんて無いさね」
テレサ院長「う、ん?リィンさ…ん?」
リィン「先生、目が覚めましたか…!」
テレサ院長「子供…達は?」
カルナ「安心しな、向かいの部屋で寝ているそうだよ」
テレサ「カルナさん…良かっ…た無事でそれと…巻き込んでしまってごめんな…さい」
カルナ「院長が謝る必要は無いよ、寧ろ此方が謝るべきだよ…護衛があっさりやられるなんて不様晒してしまって…!」
テレサ院長「いいえ…貴女はよくやってくれてました…だから、どうか自分を…責めないで」
カルナ「院長…」
テレサ「済みません…まだ、眠気が残ってるので…もう少し…」
リィン「えぇ、どうぞゆっくり寝てください…子ども達の事は任せてください」
テレサ「は…い…宜しく、お願いします…」
テレサ院長は再び眠りに就いた
カルナ「…余計に寝て居られないね、止めても無駄だよ」
リィン「…はぁ〜、判りましたでも…」
エステル「リィン!」
いきなりエステル達が入ってきた
「うおッ!?お帰り、丁度今二人共目が覚め…いやテレサ先生はまた眠ったけど…」
エステル「え!?あッ本当だ!?カルナさん大丈夫ですか?!」
カルナ「あぁ平気さね心配掛けて悪いねエステル、ヨシュア」
ヨシュア「いえ、無事で良かった…」
フローラ「それで…そんなに慌ててどうしましたか?」
エステル「あ、そうだった!リィンちょっと治療道具持って一階に来て!」
リィン「へ?」
一階に降りると拘束されたレイヴンとダルモア市長秘書のギルバートが足に銃創が受けていてクローゼがアーツで治療していた
クローゼ「あ、リィン治療手伝って!今回の事件ダルモア市長が関わってるかも知れないの!」