七耀暦1192年ー浮遊都市『アンファング』ー
あれから二週間が過ぎた。浮遊都市の機能はフローラと蜘蛛型人形兵器の人海…蜘蛛海?戦術によって大体の部分は復旧したので自宅になる家も建てて貰い今は其処に住んでいる。
今更だがこの高度で風やら気圧が地上と同じなのは何か特別な仕掛けがあるのかとフローラに聞いたら『アンファング』全体に一定の気温やら風圧に調整するシールドみたいなものを張っているらしい、フローラ曰く「そうでもしないと浮遊都市なんて危険極まりないですよ」とのこと、ご尤もです…
今現在陸地は地図上で言えばリベールのルーアンに一番近いらしい、そこでフローラは一旦地上に降りてみたいと申し出たが流石に今はエレボニア帝国とリベール王国は交戦状態だから今は無理だと教えた。少々残念がっていたがフローラの安全には替えられない。
リィン「まぁ、地上に降りる事自体は悪い理由じゃないさ…ただ時期が悪いだけだし、七耀教会や遊撃士協会(ブレイザーギルド)といった組織は俺が知る限りのことを教えるよ」
フローラ「七耀教会や遊撃士協会(ブレイザーギルド)ですか…?どういう組織ですか?」
彼女の質問に俺は説明を始めた。
リィン「うん、まず遊撃士協会(ブレイザーギルド)というのは民間人の安全と地域の平和を守ることを第一の目的とした遊撃士(ブレイサー)たちによる民間団体なんだ。最初は準遊撃士、次に正遊撃士とランクアップしていくんだけど、本当はまだ細かいランクはあるんだけど今は省くよ?本部はレマン自治州にあって、「国家権力に対する不干渉」を規約として掲げることにより、ゼムリア大陸各地に支部を持っているんだ。その中立性から、時には国家間交渉の仲介役を担う場合もあるんだよ。」
フローラ「民間団体ですか?普通ならその類いは国家が責任を負う筈ではないのですか?それに「国家権力に対する不干渉」ですか…では極端な話今回のような戦争の民間人の犠牲者はどうなるのですか?国家間の戦争だから手を出せないじゃないですか?」
リィン「まぁ、そうだね…実際は停戦の仲介役も務めるけどそういった矛盾もあるから遊撃士もジレンマを抱えてるという話も有る位だからね」
彼女の疑問は最もだけどこれに関してはどうしようもない…
リィン「それでも助かってる人もいるし無くてはならない存在なのは間違いないさ…話を戻すと今度は七耀教会はね、ゼムリア大陸で最も広い信仰を集める宗教組織で、空の女神エイドスを信奉しているんだよ。《大崩壊》直後に成立して、その教義によって人々を導き《暗黒時代》を平定させ、《暗黒時代》後のゼムリア大陸で教会を中心とした新たな秩序を形成したんだ。総本山はアルテリア法国。封聖省、典礼省、僧兵庁といった複数の組織から構成されているよ」
リィン「日曜学校とか司祭様が簡単な薬を調合して医者代わりになったり、これも身近な存在だね…ただ」
フローラ「ただ…なんですか?別に問題ないような気がしますが?」
リィン「普通に暮らして居る分には確かに問題ないんだけど、教会にはもう一つ目的があるんだ…」
フローラ「目的…?」
彼女の訝しげな表情を見ながら俺はやや躊躇いがちに言った
リィン「教会は古代ゼムリア文明の古代遺物(アーティファクト)の回収も含まれるんだ。つまり…」
フローラ「私が…というより『アンファング』が教会の回収対象になる可能性がある…と?」
俺はゆっくりと肯いた……