閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第六十九話

ー ヴォルフ砦 ー

 

シズナ「じゃあ私はこれからカルバートに戻るね」

 

翌日エルモ村を出たシズナさんをヴォルフ砦まで送りカルバートへの入国手続きを終えた彼女はリィン達に別れを告げた

 

リィン「シズナさんはカルバートに戻ったらどうするので?」

 

シズナ「う〜ん、龍來(ロンライ)に戻ってゆっくり…と言いたいけどまだそうも言ってられないからね〜」

 

リィン「…残党の件ですか?」

 

シズナ「そっ、例のカルバート国内のテロリストの拠点は潰したけど取りこぼしがまだ居るみたい、引き続き遊撃士と共闘してくれと政府の依頼でね。未確認だけど一部エレボニアに逃亡したとの報告が斑鳩(ウチ)の手の者から挙がってね…まぁ、一応エレボニアにも密かに通達したみたいだけどあの噂の鉄血宰相殿なら問題無いだろうけどね」

 

リィン「まぁ…確かに、たかがテロリスト如きに遅れを取るとは思えませんが……」

 

寧ろ徹底的に利用されて処分される未来が見えるが…

 

シズナ「で?リィン達はこれからどうするんだい?『不動』殿は一足先にツァイスに向かってたけど…」

 

リィン「俺達はこれから王都に向かおうかと…女王生誕祭もありますし」

 

シズナ「あぁ、それもあったね……帰国先延ばししょうかな?」

 

リィン「部下が困るでしょうに、特に…クロガネでしたっけ?帰らなかったら小言言われると思いますよ」

 

シズナ「ちぇ、そうなんだよねぇ〜昔っからクロガネってあれやこれや口五月蠅くてね〜」

 

リィン「目付け役とはそんなものでしょう?ほら、そろそろ行かないと」

 

シズナ「む、もうそんな時間?じゃあお別れだね。はい、これ」

 

シズナさんは懐から二つの封筒を差し出してきた

 

リィン「これは?」

 

シズナ「一つは今回の報酬、十五万ミラ入ってるよ。で、もう一つは……まぁ開けてみな?」

 

言われた通りに封筒を開けてみると…斑鳩の入団手続き書と婚姻届?しかも妻の欄にシズナさんの名…

 

リィン「……なんですかこれは?」

 

シズナ「何って……?見ての通り入団手続き書だよ?」

 

リィン「いやいやいや!それもだけど婚姻届って何ですか!?貴女なに好きでもない男にこんな物渡すんですか!」

 

 

シズナ「いや好きだけど?likeじゃなくLOVEの方」

 

リィン「……は?」

 

間の抜けた声を出してしまった

 

シズナ「いやぁ~斑鳩(ウチ)としてはリィンに注目していてね?是非と…ね?」

 

 

リィン「だからといってそれが何で婚姻届に繫がるんですか…」

 

シズナ「それは単純に私がリィンを欲しいって事、私の側で共に切磋琢磨したいし、リィンなら申し分ない位の器量だからね」

 

シズナさんの目は冗談を言っている目では無かった

 

リィン「……気持ちは嬉しいですが斑鳩に入る気も貴女と結婚する積りも無いですよ」

 

シズナ「まぁ、いきなりそんな事言われてハイそうですかとはいかないだろうね…けどね」

 

シズナさんはリィンを抱き寄せて耳元で囁いた

 

シズナ「私は諦める積りは無いからね、相手が『リベールの至宝』でも、ね?」

 

リィン「っ!?」

 

シズナ「アハハハハ!それじゃあね〜」

 

シズナさんはそう言うとリィンを離してカルバートに入る門に向かった…

 

リィン「……」

 

フローラ「言いたい事を言って去りましたね」

 

リィン「……冗談かな?」

 

フローラ「彼女の性格からして冗談ではなく本気かと……」

 

側で黙っていたフローラの一言に同意しか無かった…

 

フローラ「それでは早速ツァイスに戻りそのままグランセルに向かいますか?」

 

リィン「うん……いやその前にギルドに寄りたいかな?エステル達に一言言って置きたいし」

 

フローラ「承知しました」

 

ヴォルフ砦を後にしてツァイスに戻ったリィン達はギルドに顔を出した

 

「いらっしゃい、依頼かしら……って貴方達は…」

 

リィン「こんにちは、エステル達は居ますか?」

 

受付に立っていた東方美女に訊ねた

 

「…そう、貴方達がジンが言ってた助っ人ね」

 

リィン「ジンさんの知り合いですか?」

 

「同じ流派の同門なだけよ、自己紹介がまだだったわね。私はキリカ・ロウラン、ここツァイス遊撃士支部の受付を任されているわ。まずは礼を言わせて頂戴今回のテロリストの捕縛に協力してくれて、お陰で共和国の恥を晒さずに済んだわ」

 

リィン「礼を言われる程では…」

 

キリカ「礼を言われる程よ、此処で革命なんて起きたらカルバートとエレボニアの微妙に保っていた関係も崩れていたわ。『八葉の最後の弟子』は伊達では無いと言ったとこかしら?」

 

リィン「ユン老師に比べたらまだまだですが…それとエステル達は…?」

 

キリカ「エステル達ならジンと一緒に出たわ、伝言有るなら伝えておくわよ」

 

リィン「じゃあエステル達に俺達は先にグランセルに行っていると伝えて下さい」

 

キリカ「承ったわ、他には何かあるかしら?」

 

リィン「いえ、大丈夫です。失礼しました」

 

そうしてギルドを後にした俺達は王都グランセルに向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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