閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第七十話

ー セントハイム門 ー

 

十年前の『百日戦役』において帝国軍のグランセル侵攻を防いだこの城壁は今でもグランセルを往き来する人間をチェックする重要な施設なのだが…

 

フローラ「テロリスト?」

 

フローラは手続きをしている兵士に怪訝な顔をして問うた

 

「そうなんだよ〜、女王生誕祭に合わせて不届きな企てをする輩が動くという情報を入手して現在厳戒体制になってね。しかもそれが親衛隊だって話しだよ」

 

門に詰めていた兵はフローラにナンパ紛いにそんな話しをていた

 

リィン「王室親衛隊がですか?」

 

「まぁね〜、けどリシャール大佐が居ればテロリストだろうが怖くないけどね」

 

リィン「リシャール大佐……か」

 

ルーアンで会った時の顔を思い出す

 

リィン「(……知識として知っていても実際会うと好感持てる人だったしな、人気あるのは納得だが…)じゃあ女王生誕祭は予定通りに行なわれるんですか?」

 

「うん、だから安心して観光して大丈夫だからね。あ、彼女当日暇かな?俺も当日休みだからお茶でもどう…?」

 

兵士はフローラに再びナンパしていたが

 

フローラ「お断りしますわ」

 

笑顔でにべも無く断られ撃沈した…

 

フローラ「何であぁも知らない女性に声をかけるのでしょうか?」

 

通行許可を貰いキルシェ通りを歩いてるとフローラは心底理解出来無いと言った顔で言った。

 

リィン「まぁ……フローラが美人だからだろうね、男なら美女にお近づきになりたいのが大半だと思うし」

 

フローラ「私が美人ですか?私なんかよりよっぽど美人なのが沢山居ると思いますが…『リベールの至宝』のクローゼ様やリーシャさんやシズナさん、シェラザードやアイナも…まぁあの二人は付き合うのは大変そうですが…」

 

リィン「はは……まぁそれよりさっきの話…どう思う?」

 

フローラ「……テロリストが親衛隊とは俄に信じられないですね、王室親衛隊(ロイヤルガード)が謀叛を起す理由も無いですしそもそもそういった思想的に問題がある人間は入隊前に撥ねられるでしょうし」

 

リィン「同感だ、となるとこれは軍…いや情報部の…」

 

フローラ「リィン様前を…」

 

フローラが指差す方に目を遣ると黒尽くめの武装集団がいた…

 

リィン「アレは確か…」

 

フローラ「リベール情報部に属する特務隊ですね。まるで何か探しているような動きですね?」

 

そんな疑問を他所に此方に気づいた特務隊の一隊が近づいてきた

 

「見かけない顔だな…観光客か?」

 

リィン「…えぇ、エレボニアから来ました」

 

「一応パスポートを見せてくれ、これも仕事なんでな」

 

リィン「解りました……どうぞ」

 

二人分のパスポートを兵士に手渡すと特務将校は中を見ながら尋ねた

 

「…リィン・アイスフェルトにフローラ・クリストか、入国理由は?」

 

リィン「リベール一周旅行です。ロレントから始めてグランセルまで…」

 

「…何故飛行船を使わないのだ?」

 

リィン「ゆっくり周るのが趣味で…」

 

「成る程……此処に来るまで怪しい奴は見ていないか?」

 

リィン「いいえ?」

 

「本当か?…嘘は貴殿の為にはならんぞ、其処の女性共々じっくり基地で話を聞かせて貰う事も出来るからな?」

 

リィン「……それは脅迫ですか?」

 

「どう捉えるかは貴殿次第だ」

 

空気が不穏になりかけた時…

 

「何をしているのかね?」

 

リィン「貴方は……」

 

「大佐殿…!」

 

突然情報部のトップリシャール大佐が現れた

 

リシャール「職務に熱心なのは結構な事だがね、貴官のその態度はリベールの印象を悪くするものだと自覚したまえ」

 

「は……しかし、彼等はエレボニア人でして……」

 

リシャール「だからどうしたのかね?十年前の百日戦役の出来事を何の責任も関係も無い彼等にぶつけるのが正しいと本気で貴官はそう思っているのか?」

 

「そ、それは……」

 

リシャール「もう良い、貴官等は隊を率い任を続行せよ、此処は私が引き受ける」

 

「は!」

 

将校は敬礼して隊を率い去っていった

 

リシャール「悪かったね、彼も悪気があった訳ではないんだ。気を悪くしないで欲しい」

 

リィン「いえ……お気になさらず」

 

リシャール「フフフ、しかしボース以来だねあの件は本当に君達には感謝しかないよ。あの化け物を退治していなければ今ものさばっていたかと思うとぞっとするよ」

 

リィン「俺は唯出来る事をしただけです。それにアレは俺だけじゃなくあの場に居た全ての人の功績です」

 

リシャール「フ、君は謙虚だね…グランセルにはやはり女王生誕祭目当てかな?」

 

リィン「えぇそうです」

 

リシャール「なら存分に楽しんでいってくれたまえ、今年は見ごたえがあるからね」

 

リィン「そうさせて貰いますね」

 

リシャール「フフ、では私は失礼するよ。まだ忙しくてね」

 

リィン「あぁ大佐一つだけ尋ねたいのですが…」

 

リシャール「ふむ?何かね?」

 

リィン「クローゼ・リンツを知ってますよね?彼女は王都に居ますか?一緒に周る約束しているのですが…」

 

リシャール「………さて?生憎私は知らないな、それに王都は広い何処かに居ると思うが?」

 

リィン「…そうですか、変な事を聞きました」

 

リシャール「何、構わないさ…」

 

そう言って今度こそ大佐は去っていった

 

リィン「……どう思う、フローラ?」

 

フローラ「…平静を装ってましたがやはり何か隠しているかと思います…」

 

リィン「そうか…」

 

フローラ「どうしますか?」

 

リィン「一旦グランセルに入ろう、何をするにしても王都に入らなきゃはなしにならない」

 

そして遂に王都グランセルに入った…

 

リィン「久しぶりだな…兎も角ホテルに向かうか」

 

「おや?君達は…」

 

向こうから見覚えのある男が…

 

フローラ「あれは…ボースの時の…」

 

オリビエ「やぁ!偶然だね!この吟遊詩人オリビエ・レンハイムを覚えてるかい?」

 

 

 

 

 

自称吟遊詩人のスチャラカ男が其処にいた…

 

 

 

 

 

 

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