閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第七十三話

ヴィクター・S・アルゼイド…エレボニア帝国の二大剣術と称されるアルゼイド流の筆頭伝承者で子爵の地位を持つ貴族にして帝国南東部の湖畔の町レグラムの領主を務める男。

 

【光の剣匠】の異名の持ち、帝国最強の剣士と称されておりその実力はヴァンダール流現当主マテウス・ヴァンダールと並び評されている。

 

性格はおおらかで領民に対しても気さくで領民たちからは「お館様」と呼ばれ慕われている。

 

貴族派と革新派の対立にもあまり関心がなく独立した姿勢を貫いている。ラウラの父親でもある。

 

オーレリア・ルグィン…ヴァンダール流、アルゼイド流の両方を極めた凄腕の剣士。戦場では全身から黄金の闘気をみなぎらせ、家に代々伝わる赤い宝剣「アーケディア」で敵をなぎ払う。また統率力、指揮能力にも優れ、苛烈な用兵で戦場を蹂躙するような戦いぶりから《黄金の羅刹》の異名を持つ。

 

リィン「(そんな二人が何故……?)…リィン・アイスフェルトです。こっちは俺に仕えてくれているフローラ・クリストです、お二人のご高名かねがねお聞きしております」

 

ヴィクター「そう畏まらなくても良い、此処はリベールだ本国での身分など通用せんからな」

 

オーレリア「フフフ…同感ですな、しかしそれが判らない阿呆も一定数居るのも事実ですな」

 

ヴィクター「全くだ……幸い娘はそういう事には無縁だが注意するに越した事はない」

 

オーレリア「御息女も大層強く美しくなられたとお聞きししまたが、師としては誇らしい事でしょう」

 

ヴィクター「何、まだまだ雛鳥だ…それに娘の立ちふるまいで領民の中では異性より寧ろ同性から黄色い歓声が挙がってな、私としては複雑何だが」

 

オーレリア「ですが其処らの有象無象に御息女を託したくは無いのでは?」

 

ヴィクター「………ハハ、否定はせんがね……」

 

リィン「あの…?」

 

ヴィクター「む…?あぁ済まない、話しかけておきながら放ってしまった」

 

オーレリア「どうも師と会うとつい…な、気を悪くしたなら謝罪しよう」

 

二人の会話に割って入ると頭を下げてきたので慌てて止める

 

リィン「そ、そんな!頭を上げてください!気にしてませんから…それで俺にどの様な用件で?」

 

ヴィクター「うむ、先程も言ったが君は東方剣術…八葉一刀流の師事を受けたね?」

 

リィン「はい…ユン・カーファイという方に…」

 

ヴィクター「やはりユン老師か、老師はお元気かな?」

 

リィン「老師をご存知で?」

 

ヴィクター「何度か手合わせしてもらった事があってな、その縁でそなたの兄弟子のカシウス・ブライト殿やクロスベルの剣聖アリオス・マクレインとも面識がある」

 

リィン「そうだったんですか…」

 

オーレリア「ほう…かの有名な八葉一刀流の遣い手とは…興味深いな…」

 

ルグイン伯の眼が武人としての眼になった

 

リィン「お二方に比べたら俺はまだまだです。しかし、なんというか…お二人が一緒にリベールに居るとは…」

 

ルグイン「貴族派と中立派の人間が居るのは珍しいか?」

 

リィン「……失礼を承知で言うならそうです」

 

ヴィクター「まぁ、今の帝国の内部事情を少しでも知っていればそんな感想になるのも無理はあるまい」

 

ルグイン「フフ、確かにそなたが想像したようにカイエン公やアルバレア候あたりが我が師を引き込む事を画策してるがな、正直私は敵であっても一向に構わないがね」

 

ヴィクター「フ、伯は変わらぬな…まぁこんな感じでこの件に関わらぬ範囲での交流は続いているのだ。でリベールに居る理由は…まぁ言わずもがなだろう?」

 

リィン「…確かに、しかし今回の武術大会は個人戦では無く団体戦ですが…」

 

ヴィクター「それはさっき大使殿に聞いた。流石に人数が集まれないから断念して観戦に徹しようかと思ってたが…君に一つ提案があるのだが聞いてくれるかな?」

 

リィン「内容次第ですが…聞きましょう」

 

 

 

 

 

 

オーレリア「なに、簡単だ我等と手合わせして貰いたいのだ」

 

 

ー 大使館内 修練場 ー

 

リィン「大使館にこんな設備があるとは…」

 

大使館の職員に案内されて小さいがしっかりとした修練場に入った

 

ヴィクター「大使館の職員も身体を動かさないと訛るからな、この手の設備は向かいのカルバート大使館もある筈だ」

 

アルゼイド子爵はそう言いながら壁に架けてた大剣を模した木剣を手にとって二、三回振って感触を確かめていた

 

オーレリア「フフフ、それでは私オーレリア・ルグインが審判を務めさせてもらおう……いささか不満ではあるが」

 

ヴィクター「そう拗ねる事はないだろうに、私の後で演れば良いだけであろう、それよりリィン・アイスフェルト、準備は良いかね?」

 

リィン「えぇ…只、太刀とは違うので使い勝手が……まぁ実戦ではそんなのは甘えでしょうが…」

 

流石に太刀を模した木剣が無いためエレボニアで一般的な直刀を手にとって振り回していた。直刀も使えなくも無いが久しぶりに握るため感覚が少しズレていた

 

フローラ「リィン様、大丈夫ですか?あの方達は尋常では無い強さを感じます。その、失礼ですが今のリィン様では……」

 

リィンの太刀を預かる事になったフローラは心配そうに言った

 

リィン「到底敵わないと?」

 

フローラ「……はい…」

 

リィン「フフ、気にするなそれは純然たる事実なんだから…でもな」

 

フローラ「……あっ……」

 

リィンはフローラの髪を撫でながら言った

 

リィン「だからこそ、この手合わせに意味があるんだ。格上の…それもアルゼイド流とヴァンダール流を極めた達人との仕合なんて望んでも中々巡ってこないんだ。八葉の剣士として受けて立ちたいんだ」

 

フローラ「……ですが…」

 

リィン「それに負ける積りもないしな」

 

フローラ「え?」

 

リィン「相手が格上だからといって負けるのが当たり前だなんて言うのは仕合をしてくれる相手に対する侮辱…やるからには勝利を掴む積りだ。だから、勝つ事を祈っててくれ」

 

フローラ「……判りました。どうかご武運を…」

 

フローラはルグイン伯の隣に移動した

 

オーレリア「フフフ、師に勝つとはそなたの主は大きく出たな?」

 

フローラ「………不愉快ですか?……」

 

オーレリア「いや?あの者の言う通り相手が格上だから負けて当然と言い訳される方がよっぽど不愉快だ」

 

フローラ「…………」

 

オーレリア「そなた、自身の主に懸想しておるな?」

 

フローラ「……御想像にお任せします、それよりそろそろ始める合図をした方が宜しいのでは?」

 

オーレリア「ふ、そうだな……両者前へ!」

 

双方は舞台の上に上がり中央に進んだ

 

 

ヴィクター「そなたの力、見せてもらおう!全力で参れ!!」

 

ヴィクターは大剣を構え闘気を漲らせてきた…!

 

リィン「俺の今持てる物をこの一戦に…………!コオォォォ……!〘神気合一〙!」

 

リィンも最初から神気合一をとり剣を構えた

 

オーレリア「ほう………?」

 

ヴィクター「それがそなたの《チカラ》か……ならば最早言葉は不要!……

アルゼイド流師範 ヴィクター・S・アルゼイド…」

 

リィン「……八葉一刀流が中伝リィン・アイスフェルト…」

 

オーレリア「構え!」

 

 

『『推して』』

 

 

オーレリア「始め!!」

 

 

『『参る!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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