閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第七十六話

リィン「耐えられない…ですか」

 

ヴィクター「うむ、薄々気付いているだろうがこの刀身には僅かに亀裂が入っている。今までよく持っていただろうが修復不可能なレベルに達っしている」

 

オーレリア「そしてその原因だが、恐らくそなたが使っていた……《神気合一》だったか?それを何度か使用してダメージが刀身に蓄積している、ましてや〘鬼気解放〙なんて使った時にはあの木剣のように粉々に砕け散るだろうな」

 

リィン「……そうですか、長い付き合いですから愛着あったんですけどね」

 

リィンはヴィクターから太刀を返してもらい淋しそうに太刀を撫でた

 

ヴィクター「気持ちは判るが、何れは誰しもが通る道だ。これを機に新しい愛刀を探す事を勧める」

 

リィン「と言われてもそう簡単には見つからないかと…」

 

オーレリア「まぁ、そうだな…だから取る選択肢が三つだな」

 

フローラ「三つ?」

 

オーレリアは頷いて自分の指を三本立てた

 

オーレリア「うむ、一つは調達しやすい直刀に換える。メリットは当然手に入れやすい上に特定の店じゃなくても持ち込めば店の者はメンテナンスしてくれるところも多い。そなたの腕ならば直刀でも問題なかろう?」

 

リィン「…………確かに扱え無くはないですが、やはり感覚が違いますし…何より『八葉』の技と直刀では相性が悪いのもありますので」

 

ヴィクター「ふむ、確かにな…二つ目は?」

 

オーレリア「二つ目はカルバートかクロスベルに赴き太刀を手に入れる。向こうが本場ですし手に入りやすかろうかと……流石に帝国には太刀を扱う店などありませぬから論外です」

 

リィン「それはそうですが…今リベールを離れる訳にはいかないですし。それに俺には伝手も無いのですが…」

 

オーレリア「まぁこれは頭の隅に置いてくれ…で、最後三つ目は……」

 

ヴィクター「刀匠に会い一から太刀を造って貰う…か?」

 

オーレリア「フフフ、そのとおりです。師よ」

 

フローラ「あの…それも結構厳しいのでは?」

 

オーレリア「だが何れは自分に合った太刀を持たなくてはいかん。買うにせよ、造るにせよアイスフェルトの実力に見合った太刀でなければ同じ事を繰り返すぞ?」

 

リィン「……それは……」

 

オーレリア「…まぁ少し脅かし過ぎたが死活問題なのは確かだが簡単に見つからないのも事実、少なくとも次の愛刀が見つかるまでの『つなぎ』位なら此処リベールにはあるだろうさ」

 

そう言ってオーレリア伯爵は席を立った

 

「もし仕合したいならまた大使館に来るがよい、何時でも歓迎するぞ」

 

続けてヴィクター子爵も席を立った

 

ヴィクター「そなたなら心配は要らないだろうが時本国に帰る時は気を付けろ、貴族派と革新派の対立に巻き込まれると色々厄介な事になるからな」

 

そう言い残し二人とも去っていった…

 

ー  回想終了  ー

 

フローラ「どうしましょうか?流石に私でも太刀の製造工程は知らなければ無理ですし…」

 

リィン「う〜ん、明日回ってみるか?」

 

フローラ「回る…何処にですか?」

 

リィン「武器屋だ」

 

そうして翌日二人で武器屋に回ったのだが…

 

一軒目

 

「悪いな、太刀は扱ってはいないんだわ」

 

リィン「そうですか…」  

 

二軒目

 

「数打ちならあるよ?」

 

リィン「それはちょっと…」

 

三軒目

 

「東方の有名な刀匠が打った太刀があるよ!どうだい!安くするよ!」

 

フローラ「これは…模造刀ですね」

 

リィン「お土産としてなら最適かもな」

 

四軒目

 

「この太刀はこれまでに四十九人切った一品なんですよ。持った人間は漏れなく人を切りたくなる性質が………お前の血を見せろやァァァァァ!!」

 

リィン「それは妖刀だ!!というか取り憑かれてるじゃねーか!?フローラ鎮圧するぞ!」

 

フローラ「了解!」

 

 

 

 

 

リィン「まさか一件も無いとは…」

 

リィンはベンチに座り項垂れていた

 

フローラ「困りましたわね」

 

フローラも隣で困り顔になっていた

 

リィン「これは…最終手段取るしか無いか…」

 

フローラ「あら…?リィン様アレを…」

 

 

-フローラが指差す方に向けると路地の間に隠れる様な一軒の店があった近くで店名を見ると《出張 ナインヴァリ》と書かれていた…

 

フローラ「なんの店でしょう?」

 

リィン「と言うより妖しくないか?こんな人通りがほとんどない路地に…」

 

「失礼だね、ウチは品揃えはぴか一だよ」

 

後ろから一人の女性がキセルを吹かしながら近づいてきた

 

リィン「貴女はこの店の…?」

 

「あぁ、期間限定でクロスベルから出張して来た《ナインヴァリ》の店長のアシュリーさ、あんたら良かったら見ていくかい?気になるんだろう?」

 

リィンはフローラと顔を見合わせる間にアシュリーと名乗った女性はさっさと店に入って行ったので仕方なく続いた

 

アシュリー「さぁ、好きなだけ見ていきな!お望みなら対戦車ミサイルやアンチ・マテリアルライフルもあるよ」

 

店の中は大量の武器弾薬が積まれていた

 

『『…………汗』』

 

リィン「これは…共和国軍の正式採用されたばかりの95型軽機関銃じゃないか?」

 

フローラ「リィン様、こっちは帝国ラインフォルト社製のG154アサルトライフルです。まだ正式採用されてない筈なのに…」

 

アシュリー「それは企業秘密ってヤツさ…っで?何が欲しいのかね?」

 

リィン「……まぁ良いか、太刀が欲しいけど…ありますか?」

 

アシュリー「あるよ、ちょい待ちな」

 

彼女は裏の倉庫を漁り目的のものを見つけてカウンターの上に置いた太刀は白木の鞘に納められていた

 

アシュリー「これはとある社に奉納されていた御神刀の影打ちさ、切れ味の程は悪くない筈だが…まぁ手にとってみな?」

 

言われた通り太刀を手にとって抜いてみた。確かに一回も切った事が無い切っ先で手の馴染みも…悪くない

 

リィン「…お幾らでしょうか?」

 

アシュリー「おっとミラは駄目だ、アシが付くからね。物納でお願いするよ」

 

リィン「物納…ですか?まいったな」

 

フローラ「ではこれでどうでしょう?」

 

フローラが懐から取り出したのは拳大の七耀石の結晶、しかも純度が高い…!

 

アシュリー「これは…どこで手に入れたんだい?」

 

フローラ「それを答える必要は?」

 

アシュリー「…………無いね、良し売った。その太刀はあんたの物だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

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