閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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遅くなりました。疲れが溜まって寝落ちしてしまいました。




第八十一話

ー遊撃士ギルドグランセル支部ー

 

エルナン「…………成る程、話は判りました。確かにジンさんから遊撃士の助っ人は頼まれていました。貴方達は博士の依頼がありましたから敢えて紹介しなかったのですが…公爵閣下の気まぐれのおかげで依頼と大会が重なったわけですね」

 

エステル「えへへ、結果的に公爵の我儘に助けられちゃった」

 

エルナン「ところで、そちらの方は……当ギルドに依頼でしょうか?」

 

リィン達を見てエルナンは依頼者と思った様だ

 

リィン「いえ、俺達はエステルの知り合いです」

 

エルナン「知り合い…?あぁ、貴方はもしかして『八葉』の最後の弟子のリィン君でしたか」

 

リィン「まぁ、そうですが…その呼び方定着なんですかね?」

 

エルナン「ハハ…それはしょうが無いかと、カシウスさんもあのリシャール大佐も貴方と同じ『八葉一刀流』、しかもカシウスさんの師が取る最後の弟子となれば注目されない方が可笑しいかと…」

 

リィン「俺はカシウス師兄やリシャール大佐と比べたらまだまだ若輩者なんですけどね…」

 

ヨシュア「それでエルナンさん、武術大会への参加…どう思いますか?」

 

エルナン「そうですね……打てる手は全て打っておくという意味では試してみる価値はあるかと思いますよ。クルツさん達に相談するのは彼等が優勝した時にでも良いかと…貴方達は全力で挑戦してください」

 

エステル「やった、そうこなくっちゃ!早速だけどジンさんは何処に居るか教えて欲しいけど?」

 

エルナン「普段はこのギルドの隣の酒場に居ますよ。それと王都での滞在先はカルバート共和国大使館だそうですよ」

 

エステル「なるほど、ジンさんの祖国の大使館ね」

 

リィン「隣の酒場となると……《サニーベル・イン》か」

 

ヨシュア「共和国大使館は競技場(アリーナ)と同じ東街区にある筈だよ、後その酒場も覗いてみた方がよさそうかもね」

 

エステル「うん、オッケー」

 

エルナン「そういえば…貴方達は王都に滞在中どこに泊まるのですか?」

 

エステル「うーん多分ホテルに泊まると思うけど……」

 

ヨシュア「確か王都最大のホテルが北街区にありましたよね?」

 

エルナン「えぇ、ホテル〘ローエンバウム〙ですね。差し支えなければ私の方で部屋を予約しときましょうか?ミラも王都支部が持ちますよ」

 

エステル「えぇっ、いいの!?」

 

ヨシュア「流石にそこまでして頂くわけには…」

 

エルナン「博士の依頼についての必要経費として認めましょう。この位しか出来なくて申し訳ないのですが……」

 

エステル「ううん、とても助かっちゃう!」

 

ヨシュア「そういう事なら…………お言葉に甘えさせて貰います」

 

エステル「あ、そういえばリィン達は何処に泊まってるの?やっぱりホテル?」

 

リィン「あぁ、俺達もローエンバウムだ」

 

ヨシュア「それなら都合がいいね、今後の為にも」

 

エルナン「では私の方からホテルに予約を入れておきましょう。夕方以降フロントで名前を言えば部屋に案内してくれる筈ですよ」

 

エステル「ありがとー!じゃあ行こうか?」

 

そしてギルドを後にして最初の目的地の酒場に向かう。と言ってもすぐ隣だが…扉を開くとピアノの音色が?

 

〜 ♫ 〜

 

エステル「あれ……これってピアノ?」

 

ヨシュア「うん、レコードじゃないね、誰かが弾いてるみたいだ。このメロディーどこかで聴いた覚えがあるんだけど……」

 

リィン「……フローラ、『アレ』だと思う?」

 

フローラ「リィン様……残念ながら『アレ』です」

 

エステル「な〜んかイヤな予感が……」

 

 

中に入るとやはりオリビエ(自称吟遊詩人)が居た…ピアノを弾きながら

 

〜 ♫ 〜

             

エステル「…………やっぱりお調子者(オリビエ)か、でも演奏家なんて唯の自称かと思ってたけど……」

 

ヨシュア「かなりの腕前みたいだね。プロの演奏家を名乗るだけはあるんじゃないかな?」

 

リィン「一応貴族だしね…」

 

フローラ「そういう教育もされてますね」

 

エステル「うん……ちょっとジーンときちゃうかも…」

 

そして演奏が終わり聴いていた客の拍手が鳴り響く中オリビエが言った…

 

オリビエ「……今のは『琥珀の愛』といってね。本来はオペラに使われる間奏曲でしか無いけど…そこはそれ、愛と真心でカバー。尽きせぬ愛とともに君達に贈らせて貰うよ」

 

エステル「相変わらずのマイペースっぷりねぇ……はぁ…………感動して損した気分だわ」

 

ヨシュア「お久しぶりです。オリビエさん、王都に来てたんですね」

 

オリビエ「それは勿論、大河に零れた人魚の涙が海に辿りつく様に……こうして僕は黒髪の王子様と感動の再会を果たした訳さ」

 

無駄にキラキラさせて全員を呆れさせた

 

ヨシュア「……本当にに相変わらずですね」

 

リィン「また大使館抜け出して来たんですか?フローラ拘束するぞ」

 

フローラ「はい」

 

フローラもいつの間にか手に荒縄持って近付いた

 

オリビエ「あ、待ってリィン君!?今日はきちんと外出届書いて来たから!此処は良く食事するのに利用するから!縛るのは待って!せめて亀甲縛りで…」

 

エステル「あ、リィン達も知り合い…というか迷惑被ってたのね…それより戯言はそれくらいにしてアタシ達を席に案内しなさいよ。気障な格好してる癖に気が利かないたらありゃしない」

 

オリビエ「(汗)エステル君……何だか手強くなってない?」

 

エステルのキツイ一言にオリビエは顔を引き攣らせた

 

「お~い!もう終わりかよ。まだ弾いてくれよ兄ちゃん!」

 

全員で席に移動しようとしたらオリビエの演奏を聴いた店の客がもっと弾けと騒ぐ

 

オリビエ「ふむ、困ったなアンコールに応えるのは吝かでは無いがもう弾く気分では無いし……良しフローラ君、君が弾き給え」

 

フローラ「はぁ、私が貴方に命令される謂れはありませんが、というか何故私が弾けると思うので?」

 

オリビエ「いやいや君、何でもこなしそうじゃないかい、ビアノも弾けるんだろう?それとも…君の主に披露出来る腕前では無いと?」

 

フローラ「(ピクッ)そこまで言うなら披露しましょう。御主人、ビアノをお借りします」

 

額に青筋を浮かべたフローラはピアノに向かい席に座った

 

リィン「やれやれ…」

 

エステル「あれ、リィン?」

 

俺もフローラの脇に立った

 

フローラ「リィン様?」

 

リィン「曲、何にする?俺も手伝うさ」

 

フローラ「…………そうですね、なら『アレ』ならどうでしょう?」

 

リィン「…『アレ』って、アレの事か?……大丈夫か?」

 

フローラはにっこりと微笑むと自信たっぷりに言った

 

フローラ「問題ないですわ、リィン様は歌ってくださればそれで……フフフ、さぁあの自称演奏家にギャフンと言わせてやりましょう!」

 

リィン「自分が楽しむのを第一にな」

 

 

エステル「で?オリビエ、アンタ何で此処に居るのよ?」

 

ヨシュア「シェラザードさんと一緒にロレントに行ったはずでは?」

 

オリビエ「フ、勿論行ったさ…楽しい日々だったさ、だが所詮僕は旅の演奏家…行かないでと泣いて引き留めるシェラ君を振り切って此処グランセルに着いたのが一ヶ月前さ!」

 

ヨシュア「なんというか…嘘臭いですね」

 

エステル「どーせシェラ姉の酒呑みに付き合いきれなくなって逃げて来たんでしょ?」

 

オリビエ「ギク…な、なんの事かな?シェラ君やアイナ君は関係ナイヨ、ホントダヨ?」

 

ヨシュア「誰もアイナさんの事は言って無いのにこの様子は」

 

エステル「確実に『呑まされた』わね、流石に同情するわ…」

 

オリビエ「ウフフ、アハハ…シェラ君、アイナ君お願いモウ注がナイデ…」

 

 

エステル「やれやれ…」

 

 

〜 ♫ 〜

 

エステル「あら…?」

 

答えが見つからないもどかしさでいつから空回りしていた

 

ヨシュア「フローラさん始めたみたいだね、でもこの曲聞いた事ない…エステルは?」

 

違う誰かの所に行く君を責められるはずもない 

 

エステル「ううん、知らない。でも…どこか切ないけど良い

歌…」

 

なんとなく気づいていた 君の迷い

 

オリビエ「ふむ…………」

 

夢であるように何度も願ったよ

 

うつむいたまま囁いた言葉 哀しく繰り返す

 

激しい雨に僕の弱い心は強く打たれすべての罪を流して欲しかった

 

 

その後全て歌い終えた時店の客の反応が上々だったのでリィン達はエステル達の席に戻って来た

 

リィン「ただいま、どうだったかな?」

 

エステル「うん!切ないだけじゃない良い歌だった!」

 

ヨシュア「というかリィンも歌えたんだね?」

 

リィン「まぁ、ね下手だけどね」

 

 

オリビエ「ふ、謙遜しなくても良いさ…で、あれはなんて曲だい?演奏家てある僕でさえ初めて聴いたよ」

 

フローラ「…〘夢であるように〙ですわ、それよりジンさんの事は?」

 

エステル「あ、そうだった。オリビエ、アンタこの店によく来るならジンって人知らない?背がでかい人なんだけど…」

 

ヨシュア「カルバート共和国から来た武術家の遊撃士でして良くこの酒場に来るらしいですけど何かご存じ無いですか?」

 

オリビエ「あぁ、あの熊みたいな御仁かい?確かにこの店によく来るのは見かけてるけど…生憎今日は見てないな」

 

エステル「そっか、じゃあ大使館かな?」

 

ヨシュア「その可能性が高いかもね」

 

オリビエ「フ……早速行ってみるとしようか」

 

エステル「だ〜から、なんで自然について来ようとしてんのよ!」

 

オリビエ「ハッハッハっ、つれない事言わないでくれたまえ、旅は道連れというし僕も人探しを手伝おうと思ってね。…………それとも邪魔されたくないのかな?」

 

エステル「な…!/////」

 

オリビエ「フ、初々しいったらありゃしない。蕾である事を自覚したばかりで咲くのを恐れためらう乙女…………フフ、良い感じで色気が出てきたねぇ?」

 

エステル「……っ〜……!」

 

ヨシュア「???…何を言ってるんですか?」

 

オリビエ「それはねぇ…お?」

 

フローラが素早くオリビエの後ろに周りグルグルに縛り上げ猿轡を噛ませた後そこら辺に蹴飛ばし放置した

 

ヨシュア「……えっと良いんですか?」

 

フローラ「……乙女の秘密を暴く不届き者にはこれくらいしても問題ないです」

 

エステル「ありがとうフローラさん…!」

 

リィン「さぁオリビエさんは放っといて共和国大使館に行ってみよう」

 

エステル「うんうん!さっさと行こう!」

 

ヨシュア「(良いのかなあ…?」

 

 

オリビエ「モゴモゴモゴ!(フフ、照れて可愛いねぇ…!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




テイルズオブデスティニーから『夢であるように』です。この世界では『アンファング』のコンピューターの旧いデータに遺されていたのをフローラが見つけサルベージしたという設定です。
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