酒場から出た一行はすぐ近くのカルバート大使館に直行した
エステル「改めて見ると大使館って大きいわね〜」
ヨシュア「他国の大使が住むトコだからね、それなりに相応しい佇まいじゃないと舐められるしね。ほら、向かいの帝国大使館もかなり立派だよ」
エステル「ホントだ、でもエレボニアとカルバートは不倶戴天の仲じゃない、こんな近くで良いのかなあ?」
リィン「それぞれ国を代表しているんだ。それに泥を塗る様な事はしないさ、まぁ…双方の大使がお互いに気に食わないらしいが……」
エステル「それはそれで不安なんですけど……?でもなんでこんなに仲が悪いのかしら?」
ヨシュア「まぁ色々あるけどやっぱり直接の原因は百年前のカルバートの市民革命かな?」
リィン「当時のカルバート王家を自業自得とはいえ平民が滅ぼしたからな、帝国の目線では王家を滅ぼし弑逆簒奪した平民の政府は認め難い存在だからね」
ヨシュア「逆に共和国は共和国で帝国を皇帝を戴く古臭い封建国家とみなしてるしね。ある意味この対立は必然かもね」
エステル「ふ〜ん、私から見たらどっちもどっちな気がするわね。仲良くすれば良いのにね」
リィン「それが出来ないから対立が生まれてるんだ。これでも一昔前よりも改善出来てるから今後に期待するしか無い」
エステル「う〜ん、でもなんか納得いかない様な…」
フローラ「皆さん、お話はそのくらいにしてジンさんが居るか尋ねなくては…」
エステル「あっと、そうだった。居たらいいけど……」
「おや?君達は大使館に用事かな?」
そしてカルバート大使館に近づくと大使館を警備するリベール兵に止められた
エステル「えっと…」
「カルバートの観光ビザの申請なら一階右側に申請所があるからそっちでしてね、就労ビザなら…」
ヨシュア「あ、すいません。そうではなくて、人を探しているんです」
「おや?人探し?そういう話なら遊撃士に尋ねれば…ひょっとして此処に勤めてる人?」
フローラ「はい、ジンという名前の遊撃士の方ですが、此処に泊まって居ると聞いて訪ねたのですが…」
「あぁ!ジンさんの知り合いね、うん、確かに大使館に泊まってるんだけど…………生憎戻ってからまた外に出たばかりで居ないんだよ」
エステル「えぇ~、そんなあぁ」
リィン「何処に行くとかは言ってませんでしたか?」
「う〜ん、確かエルベ周遊道に肩慣らしに行くと言ってた様な?」
エステル「へ?エルベ周遊道?」
ヨシュア「あそこは立入禁止では無かったのでは?」
「正確に言えばエルベ離宮が立入禁止なんだ、周遊道は入っても問題ないんだ…まぁそれでも情報部の部隊が警戒してるから好んで入る人は居ないけど」
リィン「そうですか」
「周遊道に行くなら気をつけなよ、情報部の兵に絡まれると面倒くさいからね」
エステル「は〜い」
ヨシュア「ご忠告ありがとう御座います」
一同は大使館から少し離れ話し合った
エステル「ジンさんはエルベ周遊道か〜またすれ違わ無ければいいけど…」
ヨシュア「それもだけどエルベ離宮か……そこに情報部にとって都合が悪い〘ナニカ〙があるみたいだね」
リィン「今は調べるのは後回しにした方が良いかも知れないな、準備も足りないし、何より大義名分が無い」
フローラ「兎に角ジンさんを探しにエルベ周遊道に行きましょう」
そうしてグランセルを出てエルベ周遊道に入ったのだが…
エステル「エルベ周遊道か…森の中なのに石畳が敷かれてるなんて面白いわね」
ヨシュア「王都市民の憩いの場所として随分昔に造られたみたいだよ。ざっと数百年は経ってるんじゃないかな?」
エステル「ふーん、流石は女王様のお膝元ね。でも何だか魔獣の気配がプンプンするんですけど…」
リィン「うん、ウヨウヨ居るな…このメンバーで遅れは取らないだろうけど油断せずにジンさんを探そう」
そうして周遊道を探し回る事30分…
エステル「見つからないわね〜」
ヨシュア「うん、最悪またすれ違ったかも知れないね」
エステル「はぁ〜もう何処に居るのよ〜」
フローラ「…………?静かに…何か声がしました」
エステル「え?」
リィン「ジンさんか?」
フローラ「いえ、これは……女性の悲鳴!?」
エステル「なっ!?」
フローラ「奥からです!リィン様!!」
リィン「あぁ!エステル、ヨシュア!!行こう!」
ヨシュア「判った!」
エステル「う、うん!」
全員で走り出し少し奥に行くと教会のシスターが魔獣に襲われていた!
「いやぁ!?誰か!誰か助けて下さい!」
フローラ「チィッ!?」
魔獣が距離を詰めて来たのでフローラが銃を取り出し牽制射撃して魔獣を足止めしその隙にリィン達がシスターの前に割って入った
「え?」
エステル「シスターもう大丈夫だから!」
ヨシュア「危ないですから下がってください!」
リィン「来るぞ!」
魔獣達が襲って来たが十分も経つと大して苦労せずに倒せた
エステル「ふぅ、なんとか倒せたわね。大丈夫シスター?」
「あ、は、はい!ありがとう御座いました。あの…あなた達は…?」
ヨシュア「僕達は遊撃士協会の者です。人を探している途中で貴女の悲鳴が聞こえたので…」
「そう…でしたか……………」
シスターはそう言うと黙り込んだ
エステル「だ、大丈夫?何か元気無いけど、どこかケガでも…」
「いいえ、おかげで無事ですわ。私王都の大聖堂に勤めておりますシスター・エレンと申します。本当にありがとうございます」
リィン「ご無事で何よりですが…聖職者の貴女がこんな場所で一人でいるなんて…お連れの方とかはいらっしゃらないんですか?」
「えぇ、私一人でして…実は大聖堂で調合に使っているハーブが切らしてしまって…お店にも在庫が無いのでつい摘みに来てしまったのです…」
エステル「あ、危ないわねぇ、こんなに魔獣だらけなのに…」
「いえ、普段はここまで魔獣は多く無かったのですが…どうやら最近増えてしまったみたいで……アッ!」
シスターが何かに気付いて後を振り返るとまた魔獣が寄ってきた!
エステル「な、なによこいつ等!?
ヨシュア「どうやら騒ぎに気づいて集まったみたいだね。この数は厄介だね」
エステル「うん、いざとなったらシスターだけでも逃さなきゃ…」
リィン「その必要は無いみたいだよ…」
エステル「え…?」
ジン「よう、お困りのようだな?」
魔獣の背後からジンさんが現れ魔獣を一体不意打ちで倒した
エステル「あ、ジンさん!?」
ヨシュア「良かった…気づいてくれたんですね」
ジン「へへ、誰かと思ったらお前さん達か、アイスフェルトや嬢ちゃんもいるようだが…ま、積もる話は後でするとしてまずはコイツ等をさっさと片付けちまうぞ!」
エステル「うん!」
ヨシュア「了解です!
フローラ「排除します…」
リィン「参る…!」