閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第八十六話

「勝負あり!勝者、蒼の組クルツ選手以下四名のチーム!」

 

相手方の最後の一人が倒され審判は決着を宣言した

 

リィン「カルナさん達も強いけど正規軍も中々強いな」

 

フローラ「えぇ…伊達に本戦に進むだけのことはありますね」

 

周りの観客と同様にリィン達も良い試合をしていた両チームに称賛の拍手を送っていた

 

『続きまして、第二試合のカードを発表させて頂きます』

 

『南、蒼の組ーカルバート共和国出身、武術家ジン以下四名のチーム』

 

リィン「次がジンさん達か…」

 

フローラ「エステルさん達も加わりましたから大丈夫だとは思いますが、あのオリビエがどこまでやれるのか…」

 

リィン「エステルも実力知ってるだろうし、ジンさんも太鼓判おしてるから心配要らないと思うが…」

 

 

『北、紅の組ーチーム《レイヴン》所属。ディン選手以下四名のチーム!』

 

リィン「こっちも早速か、面白い試合になりそうだ」

 

ゲートからジンさん達が出てきて《レイヴン》と対峙した

 

リィン「ここからだと何喋ってるか判らないな」

 

フローラ「どうやら《レイヴン》の方は早速のリベンジの機会に特訓の成果を見せつけると息巻いてる様です」

 

リィン「へぇ…エステル達はなんて?」

 

フローラ「思いっきりいかせてもらう…と」

 

リィン「エステルらしい…」

 

その顔が容易に想像出来るのでリィンは苦笑している

 

「これより本戦第二試合を行います。両チーム開始位置についてください」

 

審判が告げて双方が配置についた

 

「双方、構え!」

 

互いに構えているが《レイヴン》も以前より素人臭さは抜けていた

 

「試合、始め!」

 

試合全体はエステル達のペースで進んでいたが《レイヴン》は各々崩され無いように互いに連携してエステル達の攻撃に耐えたが最終的には一人が崩れそこから各個撃破されていった

 

「勝負あり!蒼の組、ジンチームの勝ち!」

 

リィン「正直、驚いたな…」

 

フローラ「えぇ…ルーアンで戦った時と比べるとかなり上達したかと…」

 

観客の歓声に戸惑いつつもやりきった顔をした《レイヴン》は胸を張って退場していった

 

『続きまして第三試合のカードを発表させて頂きます』

 

リィン「さて次の組み合わせは…」

 

『南、蒼の組ー王国軍空挺師団第三連隊、ライエル中尉以下四名のチーム』

 

 

『北、紅の組ー空賊団《カプア一家》所属、ドルン選手以下四名のチーム』

 

リィン「何…………?」

 

フローラ「どういう事でしょう……?」

 

この発言に周りの観客も当然戸惑いの声が上がっている

 

『え、えーと…事情を説明させて頂きます。ご存じの方も多いと思いますが彼等はボース地方を騒がせた空賊団《カプア一家》の者たちです』

 

『正々堂々と戦う事で武術大会を盛り上げたい……そうする事で迷惑をかけた王国市民に償いたい……その一心で今回の武術大会の参加を強く希望したそうです』

 

『服役中の態度が真面目であった為、主催者である公爵閣下の図らいで今回の出場が実現した次第であります』

 

『皆様どうかご了解下さい』

 

観客は戸惑っているがそれならと、口々に言って拍手した

 

リィン「いやいや、これは駄目だろ普通…」

 

フローラ「これがまかり通ったら…」

 

「皆様、静粛に!これより武術大会本戦第三試合を行います!」

 

「両チーム開始位置についてください」

 

 

「双方、構え!」

 

互いに配置について武器を構えた

 

「勝負始め!」

 

カプア一家の戦闘は初めて見るがかなり『慣れてる』一番上の兄が大型の導力砲を的確に相手の嫌なとこに撃ち込み下の兄妹が崩れたとこに攻撃しダメージを与えていた

 

リィン「連携が上手い…」

 

フローラ「リベール軍の正規軍も決して劣ってる訳では無いのですが、勝負は決まりましたね」

 

フローラのその言葉通り《カプア空賊団》の勝利に終わった

 

リィン「勝ったな…だが万が一優勝したらどうするつもりだろう?」

 

フローラ「晩餐会に空賊を招待…絶対碌でも無い事になりそうですね…」

 

『続きまして第四試合のカードを発表させて頂きます』

 

『南、蒼の組ー国境警備隊第七連隊所属ベルン中尉以下四名のチーム!』

 

リィン「第四試合か、次に出るのがアソコだよな?」

 

フローラ「えぇ…調べた限りそうです」

 

『北、紅の組ー王国軍情報部、特務部隊所属。ロランス少尉以下四名のチーム!』

 

 

ゲートから黒尽くめの特務兵達が出てきたがその中で一人だけ違う兜を被っている男がいる。あれがロランス少尉だろう…

 

 

「勝負、始め!」

 

そんなこと考えてる間に始まったが…はっきり言って…強い!

 

リィン「ほぼ一方的に特務隊がというかロランス少尉が蹂躙している…」

 

フローラ「あんな実力者がいるなんて……!」

 

ロランス少尉「…………」

 

リィン「うん……?」

 

フローラ「リィン様…?」

 

試合はロランス少尉のチームの勝利に終わったがその時ロランス少尉がこっちを見た様な気がした

 

『只今の試合を持ちまして、武術大会本戦一日目を終了します

。二日目に勝ち進んだのはクルツチーム、ドルンチーム、ジンチーム、ロランスチームの四組!彼等の健闘を期待しましょう』

 

アナウンサーの言葉で一日目の予定は全て終わった

 

観客が帰り支度している中でリィンはフローラと一緒に北側の控室に続く廊下を歩いていた。その途中で手錠に繋がれたカプア一家が兵士達に監視されながら歩いて来た。

 

そしてリィンはその兵士達に声を掛けた

 

リィン「済みません、ちょっと良いですか?」

 

リベール兵「うん?どうした?我々は見ての通り犯罪者を護送しているのだか…」

 

キール「おいおい、犯罪者ったぁ酷いじゃねぇか…俺達真面目に償う気あるんだぜ?」

 

リベール兵「ふん!黙れ、デュナン公爵の温情で出ているだけの貴様らにそんな言葉が信用出来るか!」

 

ジョゼット「なにさ!偉そうに!!アタシ達はその公爵さんのお墨付き貰ってるんだよ!ちゃんと言われた事はやるよ!」

 

突如兵士とカプア一家の言い争いが始まったので戸惑ったがこちらとて用事があるので再度声をかけた

 

リィン「あの…少しだけカプア一家と話させてくれませんか?」

 

リベール兵「何故だね?面会なら後日然るべき手続きをしてからにして欲しいのだか…」

 

リィン「俺達はそこのカプア一家て同郷の人間でして伝えたい事があるんです」

 

ドルン「な…!?」

 

キール「え……っ?」

 

ジョゼット「あっ…」

 

カプア一家は驚きと後ろめたさを感じ目を伏せた…

 

リベール兵「同郷の人間か……三分だけだ、それ以上は待てん」

 

リィン「ありがとうございます」

 

リベール兵は廊下の脇に寄り話す時間をくれたので早速話しかける

 

ドルン「…………同郷というのは帝国だからか?」

 

リィン「リーヴスの街に住んでいる人間という意味でです。貴方がたは知らないでしょうが顔は見た事ありますよ。こっちは」

 

キール「……ハッ!まさか同郷の人間に出くわすとはな…で?落ちぶれた俺達を嘲笑いに来たのか?」

 

リィン「勘違いしないでほしいですね。俺達は貴方がたに手紙を渡す為に来たんです」

 

ドルン「手紙……誰からだ?こんな俺達に今更送ってくれる奴なんざ……」

 

 

リィン「リーヴス町長からですよ」

 

「「「!!」」」

 

ジョゼット「あの…町長は…?」

 

リィン「心配してましたよ。消息が途絶えた貴方がたを何時も気にかけてましたよ」

 

ジョゼット「そっか……そう、だよね…」

 

ジョゼットはそれを聞いて再度項垂れた

 

リィン「俺達はリベールに旅立つ時、町長に万が一貴方がたに会えたら手紙を渡してほしいと頼まれましたので…フローラ」

 

フローラ「はい、こちらです」

 

フローラは鞄から一通の手紙をカプア一家に渡した。ドルンは震える手でそれを受け取った

 

リィン「……俺の用事はこれで終わりました。後は貴方達次第です。罪を償い真っ当な道を進むか、不貞腐れて牢を過ごすか…その手紙を読んで考えて下さい」

 

 

リィン達は監視していた兵士達に礼を言ってその場を後にした

 

 

ロランス「ふ…来たか…」

 

アリーナの入口に近づくと例の特務兵…ロランス少尉が待ち構えていた

 

リィン「…なんですか?俺に何か…」

 

ロランス「なに、リシャール大佐からお前の事を聞いていてな、大佐からの評価かすこぶる良いから興味を抱いたのさ」

 

リィン「それはそれは…で、少尉殿の評価はどうですかね?」

 

ロランス「フ、悪く無い…と言っておこう。だがまだ未熟だな精神的にも、肉体的にも…な」

 

フローラ「ッ!!」

 

フローラはその言い草に怒り銃を抜こうとしたがリィンがそれを止めた

 

リィン「そんなのは俺自身重々承知しているさ、そして更なる『高み』を目指す…アンタや『鋼』に勝つ為にも、な」

 

ロランス「…………フ、覚えておこう」

 

ロランス少尉はそう言ってアリーナから出ていった…

 

フローラ「リィン様……」

 

リィン「さ、フローラ。そろそろ俺達もホテルに戻ろう?」

 

フローラ「はい!」

 

アリーナを出るともう夕方になっていた

 

リィン「夕方か…」

 

 

フローラ「どうしますか?デパートで弁当を買って夕飯になさいますか?」

 

リィン「うーん、それも良いが…「ねえ」…ん?」

 

目の前にいつの間にか占い師みたいな格好をした女の子が立っていた。歳は同い年位の娘だが…どこかで見た様な…?

 

 

 

 

 

「フフフ、私は占い師のベリル、どう?占いしていかない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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