ー とある酒場 ー
ベリルと別れたリィン達は近くの酒場で食事を摂る事にした
フローラ「リィン様、まだ彼女の占いを気になさってるんですか?」
フローラはスープパスタの食べる手を止めて訊ねた
リィン「ん?あぁ……ちょっと気になってな」
フローラ「…お気持ちは判りますが占いは所詮占い、当たるも八卦当たらぬも八卦……そんな物は宛にならないですよ。まぁあの娘は唯の娘ではないのは確かですが…」
リィン「まぁな、だが全く根拠は無い訳では無いだろう?特にクロスベルの情勢を考えれば、な」
以前にも少し触れたが此処のクロスベルは原作同様自治州成立まで二大国に翻弄されてる不遇の地と言われている…………表向きは……
クロスベルはその立地故に自治州成立以前から強かに双方に良い顔をして時には金を貰い、時には対立をわざと煽り両国の負傷兵や捕虜を収容し両国から多額の報酬をせしめると言った立ち回りを長年に渡り行っていたり、戦死者の死亡保険を扱ったりした。また両国から横流しされた武器を売り捌く闇商人、更には両国の諜報機関とも繋がりがある等と黒い噂が絶えない。
リィン「今でこそ自治州政府が成立しているが、その成立過程には多額の金(ミラ)が両国に納められた。その中には有力者に賄賂を送り自治州成立を働きかけた…その金の出どころはお世辞にも綺麗では無いが」
リィンはサラダを口に入れた
フローラ「…確かに、金融都市を名乗ってますが両国はクロスベルに対する印象は悪い……隙あらばクロスベルを潰すぐらいの理由は有りますね」
リィン「しかし〘黎い大樹〙がクロスベルを呑み込む、か……一体何を示している…「あ〜の鉄血宰相が〜!」ん?」
占いで示された内容を考えようとしたらすぐ隣のテーブルから女性の声がしてきた、宰相の悪口を言いながらヤケ酒を呑んでいる…女の子もいる
「マスター〜ビール御代わり!」
ビールを勢いよく呑む女性は二十代だと思われ紅い髪を後ろに纏めていた
「呑みすぎ、十杯目だよ」
その女性の向かいに座っている女の子が女性を諌めている。歳はリィンより二歳下かも知れない。銀髪でどこか猫っぽい印象がある
「呑まなきゃやってられないわよ〜!帝都の遊撃士協会支部が活動停止されたんだから〜それもこれも全てあの顎髭親父のせいだ〜!」
「ん、気持ち判るけどまだ帝国には活動出来る処あるよね?」
「そうだけどさ〜〜……ちょっとトイレ」
女性はそう言って立ち上がりリィン達の側にあるトイレに歩き出そうとしたら足元が覚束ないらしくフローラの脇に倒れ掛かりそうなった
フローラ「ちょっと、貴女大丈夫なの!?」
フローラは女性を優しく支え訊ねた
「あ〜〜大丈夫、大丈夫この程度酔っ払った内に入らな…」
女性はそう言って黙り込んでしまった
フローラ「…………まさか、冗談よね?」
「…………ゴメン、吐きそう」
フローラ「トイレ何処よーー!?」
フローラは女性を担ぎながら大急ぎてトイレに向かった
リィン「…………」
「ん、ウチの連れが迷惑かけてゴメン」
唖然としていると女の子が謝罪してきた
リィン「あ、あぁ気にしないでくれ。その…大変だな?」
「ん、もう慣れた」
リィン「そ、そうか(汗)そういえば名乗って無かったな、俺はリィン・アイスフェルトだ。君は?」
「ん、私はフィー、フィー・クラウゼル。さっき貴方のメイドさんに担がれた連れはサラ・バレスタイン。あれでも一応遊撃士」