リシャール「これは一体…何が…?」
フローラが血塗れの男達に駆け寄り脈を測った…
フローラ「まだ息はあります!しかし直ぐ手当てしなければ持ちません!」
リィン「ッ!、フローラ!ティアの薬は何本持っている!?」
フローラ「四本です!リィン様は!?」
リィン「こっちは五本だ!数が足りない!リシャール大佐は!?」
リシャール「私は手持ちが三本だ!く!こんな事ならもう少し持ち歩くべきだったか……!」
倒れている男達は十五人…三人分足りない!
「そこで何をしている!!」
三人で悩んでいると入ってきた入口から女性の声がしたので振り返ると見覚えのある女性士官が立っていた
「此処は一般人は立入禁止である!速やかな退去を命じ……ってリシャール大佐!?何故大佐が此処に…?そ、それに貴方達はルーアンで会った…って何よ!この血塗れの男達は!?」
リシャール「カノーネ大尉か!丁度いい処に来た!貴官はティアの薬は何本持っている!?」
カノーネ「え?……あ、はい……四本程ですが…?」
リシャール「なら、こっちに来て治療を手伝ってほしい!」
カノーネ「え?あ、し、しかしその者達が何者なのか……」
リシャール「それを知るための治療だろう!?良いから君も手伝いたまえ!」
カノーネ「は、はいぃぃぃ!!」
リシャール大佐の一喝にカノーネ大尉も慌てて治療に加わった
「……う…」
治療していると一人うっすらとだか意識を取り戻した
リィン「気がつきましたか?」
「君…は誰…だ?」
リィン「喋らないで、傷に触る」
リィンは男性の腹部を治療していた
「私……は、…リベール王国軍…第一師団…所属の……ジェニングス…中尉…ウッ!……ゲホゲホ!!」
リィン「だから喋らないで!後で事情を聞きますから!」
ジェニングス中尉はリィンの言葉を聞き入れず続けた
「テロリストが……アリーナに、爆弾を…仕掛けた…」
リィン「何ですって!?」
「どうか……軍に知らせてくれ…このままだと…………市民が…」
リィン「判りました!知らせますから安心して下さい!!」
「良かっ…た」
ジェニングス中尉は瞼を閉じた
フローラ「大丈夫です。眠っただけです」
リィン「そうか…」
リィンは一瞬肝が冷えたがフローラの言葉に安堵した
リシャール「今の話は聞こえたがテロリストが爆弾を仕掛けたと?」
治療を終えたリシャール大佐もリィンの側に寄ってきた
リィン「そうらしいです。リシャール大佐、因みにジェニングス中尉の名に聞き覚えは?」
リシャール「ジェニングス中尉は何度か会っている。顔も本人で間違い無い」
リィン「そうですか…」
カノーネ「大佐、全員の治療終わりました。そこのメイドの話だと生命には別状は無いそうです」
リシャール「御苦労、大尉済まないが此処に部下達を何名か寄越すよう連絡してくれ。彼等を収容したい」
カノーネ「は!了解しました!しかしテロリストですか…親衛隊の奴等でしょうか?」
リィン「それは無いんじゃないでしょうか?」
カノーネ「根拠は?」
カノーネ大尉の発言を否定したリィンにカノーネ大尉は不機嫌そうな顔で聞いた
リィン「根拠もなにも…親衛隊は王国と王室に忠誠を誓ってます。同胞を傷つけたり爆弾を仕掛ける理由は無いです」
カノーネ「現に王国に弓引いたのにか?」
リィン「何処に弓引いた証拠があります?一方的な発表だけで具体的な証拠の一つも提示して無い…可笑しいでしょう?」
カノーネ「……貴殿は我々の発表に不満があると?」
リィン「えぇ、大いに…」
カノーネ「貴様………ッ!」
リィン「………」
一触即発の空気が流れた
リシャール「やめないか!今はそれどころではあるまいだろうが!!」
リィンとカノーネ大尉は一旦矛を収めた
リシャール「で、君は親衛隊では無いのなら誰だと思うのかね?」
リィン「大佐なら知ってる筈でしょう?ツァイスでの事件を…」
リシャール「…カルバートの狂信的な共和主義者か…!」
カノーネ「なッ!アレは捕縛された筈…!?」
リシャール「いや…おかしな話では無い、壊滅した訳では無いのだからグランセルに潜り込んでいる可能性も…」
カノーネ「な、なら兵を集めてアリーナに急行してテロリスト共を…!」
大佐は首を振った
リシャール「時間が無い、それに兵を集めたらテロリスト共に気づかれてその瞬間に爆弾を起爆させる可能性もある」
カノーネ「で、ではどうすれば…!?」
リシャール「少数精鋭で行こう、カノーネ大尉は此処に残り怪我人の収容の指揮をとれ、リィン君済まないが私と一緒にアリーナに来てくれ」
カノーネ「大佐!?何故その者を…」
リシャール「彼は私と同じ『八葉』の遣い手だ、実力は折り紙付きだ。それに…信用出来る」
カノーネ「ク………ッ!」
カノーネは悔しそうにリィンを睨みつける
リシャール「どうかな?」
リィン「断る理由も無いです。宜しくお願いします」
リシャール「決まりだな、あぁ…君のメイドはどうするかね?此処に残る…」
フローラ「私はリィン様のメイドです。リィン様の側を離れる事はあり得ません」
リシャール「ふむ…リィン君彼女の実力は?」
リィン「下手な兵士より実力は上ですね。それは保証します」
リシャール「結構、なら行こうかテロリスト共の思惑通りにさせて堪るか」
リィン、リシャール、フローラの三人は地下水路を後にしてアリーナに駆けて行った!